Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

早稲田のキャンパスで働く人々 大学支える多様な顔ぶれ

早稲田大学では大学院生を含め約5万人の学生が在籍し、約5,000人の教員と1,000人を超える職員がその学生生活を支えています。高校までとは規模も機能も桁違いの大学キャンパスで働くのは教職員だけではありません。皆さんが大学生活を過ごす上でかけがえのない人々がいます。今回、警備員やテナントスタッフ、寮の管理人など、代表して6名の大学で働く人々を「仕事の相棒」とともにご紹介。学生へのメッセージもお届けします。どんな所で、どんな人が、どんな思いで働いているのか、のぞいてみてみましょう。

INDEX
▼キャンパスの安心・安全を見守る、頼れる警備員
▼学館セブンの名物店長は元プロミュージシャン
▼学生の胃袋を支え、健康を気遣う学食店長
▼大手総合商社退職後、学生寮住み込みのハウスマスターに
▼大学のことなら何でも聞ける大学総合案内・ナビゲーター
▼本棚を介した学生との対話、生協戸山店書籍部スタッフ

キャンパスの安心・安全を見守る、頼れる警備員

早稲田警備隊 副隊長 郡司 明美(ぐんじ・あけみ)

早稲田キャンパス 通用門受付にて

――業務内容を教えてください。

早稲田キャンパス通用門受付で教職員や学生の皆さんへ事務所や教室などの鍵の授受を行うほか、キャンパス内への車両出入管理、緊急対応、キャンパス巡回なども担当します。警備は24時間365日休まずの業務のため、抜けなくシフトを組んでの対応です。また、日々警備報告書を作成し大学担当者への報告や相談も行うので、日頃からキャンパス内の状況を把握するよう努めています。

――普段、学生に対してどのようなことを思いながら働いていますか。

学生さんは皆かわいい! です。また、通用門受付という場所柄、早稲田祭などのイベントの前後はスタッフの学生たちの頑張りを間近に見ることができ、日々努力し成長していく姿を感じて刺激を受けています。将来の日本を担う皆さんが、安心して勉学に打ち込み、楽しく安全に過ごせるようにと願いながら、母親目線で見守る気持ちで働いています。

――仕事をしていて、やりがいを感じたエピソードを教えてください。

入試期間は関係者以外の構内への立ち入りが禁止となり、厳密な出入管理を徹底します。1年で1番緊張し神経を使う日々が約三週間続きますが、入試が滞りなく行われるように、警備や入構証のチェックなど各箇所で警備隊一丸となって業務にあたります。そんな日々を無事に終えて、たくさんの方からねぎらいの言葉をいただいたときは心からうれしく、誇りを感じる瞬間です。

――学生の皆さんにメッセージをお願いします。

警備として皆さんに声を掛ける場面もあるかもしれませんが、警備員は皆さんの安全のために見守っています。学生生活は、社会に出る前に自分自身で考えて行動するという基盤を確立する時期でもあると思いますので、「大人」への第1歩として大学のルールを守りながら過ごしてください。そして、よく学び、よく遊び、未来へ羽ばたいてください。応援しています!

「仕事の相棒」:愛用の白手袋をきれいにしてくれる「ウタマロ石鹸」

「すぐに汚れてしまう白手袋を真っ白な状態に保つために愛用しているのが『ウタマロ石鹼』。白手袋をはめた状態で手を洗うようにもみ洗いし、そのまま干しておくと翌日にはきれいに乾きます。いつでも真っ白な白手袋で気持ちよく仕事をしていくための私の必需品です」(郡司さん)

学館セブンの名物店長は元プロミュージシャン

セブンイレブン早稲田大学学生会館店 店長 市川 重太朗(いちかわ・じゅうたろう)

戸山キャンパス 学生会館2階 セブンイレブンにて

――業務内容を教えてください。

開店前7時頃は、前日の売り上げデータを見て、学生の皆さんにどんな商品が喜ばれるかを考えながら商品を発注。8時に開店すると大量の商品が入荷されるのですぐに売り場に陳列します。同時に店内で販売する揚げ物を揚げますが、1回で約300個も作ります。50分間の昼休みには350人以上の方々が来店するので、3人で4台のレジを駆使しながら対応します。午後以降も商品の入荷対応があり、18時に業務終了です。空き時間には商品のお勧めポスターを作ったり、時期に合わせて店内の飾り付けをしたりします。

――普段、学生に対してどのようなことを思いながら働いていますか。

実は、現在の仕事をする前はプロのミュージシャンでした。だからこそ、サークルや部活動、勉強など何か一つの事に一生懸命に打ち込んでいる学生の皆さんを応援したい気持ちでいっぱいです。授業やサークル活動の合間、少しでも皆さんにリラックスしてもらえるよう楽しいお店作りを心掛けています。

店長になる前はプロのミュージシャン兼芸人として活動していたことも

――仕事をしていて、やりがいを感じたエピソードを教えてください。

どのようなお店で、どのような物を売れば学生の皆さんに喜んでもらえるのかを常に考えながら仕事をしています。皆さんが「これおいしそう~」など話しているのが聞こえたり、レジで「ありがとうございます」と言っていただいたりするときはとてもうれしくなり、忙しいときでも心がホッとします。

――学生の皆さんにメッセージをお願いします。

私は学生時代、音楽系の学校で毎日8時間程、楽器の練習をしていました。その経験は音楽の仕事をしていた時も、全く関係のないコンビニの店長をしている今でも生きています。一生懸命何かに打ち込んだ人は何をしても頑張れます。頑張っている学生の皆さんを応援しています。疲れたら、店内のおいしい物を買って一休みしてみてはいかがですか? 元気になりますよ! ご来店お待ちしております。

「仕事の相棒」:手書きポスター用の「マジックペン」

「商品のお得な情報をなるべく自分の言葉で伝えたいので、手書きのポスターをよく作ります。そのときに使うマジックペンが必須アイテムです」(市川さん)

【店名】セブンイレブン早稲田大学学生会館店
【場所】戸山キャンパス 学生会館2階
【営業時間】8:00~22:00
【休業日】学生会館休館日

学生の胃袋を支え、健康を気遣う学食店長

大隈ガーデンハウスカフェテリア 店長 穴沢 未来(あなざわ・みき)

早稲田キャンパス 大隈ガーデンハウス2階 カフェテリアにて

――業務内容を教えてください。

パートの皆さんと提供メニューや作業オペレーションの確認をしたり、学食とコラボをしたい学生団体とメニューや宣伝方法について打ち合わせをしたり、部下とパートシフトを組んだり食材の発注をしたり…。いろいろな方々とコミュニケーションを取りながら学食の運営をしています。

――普段、学生に対してどのようなことを思いながら働いていますか。

これからの皆さん自身の健康のためにも「栄養バランスを意識して食事をしてほしい」と常々思っています。学食を通じて、例えば「最近貧血気味だからほうれん草を食べよう」などと考えてくれる学生が増えると良いなと、栄養バランスに配慮したメニューをそろえています。また、パンデミックが明けてサークル活動が活発になり、学食とコラボしたいという声も増えてきました。大学内にある学食だからこそ、学生の皆さんの「チャレンジしたい」という気持ちを応援したいと思っています。

――仕事をしていて、やりがいを感じたエピソードを教えてください。

食堂の話ではないのですが、2014年ごろ、弁当や文具、パソコンなど幅広い商品を取り扱うライフセンターの担当者だったときに、とある学生団体から提案いただき、東日本大震災の復興企画として気仙沼の企業のクリームパンを販売したことです。仕入れの調整など苦労することも多かったのですが、その団体の学生たちが宣伝や販売を頑張ってくれたおかげで、通常売れても50個ほどの菓子パンが、1日平均120個ほど売れ、週に600個を完売することができました。学生たちが頑張って結果を出したのを目の当たりにしたことが非常に印象に残っており、私の仕事の原点になっています。

――学生の皆さんにメッセージをお願いします。

魚や野菜を使った栄養バランスが取れたメニューが充実していて、会員は生協組合員証の提示でリーズナブルに食べられるのが学食の特徴です。「学食は混んでいて利用しにくい…」と思っている方も多いと思いますが、お昼休み以外の時間帯は意外とすいていて、比較的ゆっくり利用することができます。今まで利用したことない方もぜひ足を運んでみてください!

「仕事の相棒」:休憩時にほっと一息つくための「コーヒー」

「カフェテリアがある大隈ガーデンハウスの3階にはROASTRY COFFEEがあり、おいしいコーヒーをいただけます。テークアウトして事務所での休憩中にいただいています」(穴沢さん)

【店名】大隈ガーデンハウス カフェテリア
【場所】早稲田キャンパス 大隈ガーデンハウス2階
【TEL】03-5273-8101
【営業時間】10:30~14:00
【休業日】こちらから
【Webサイト】https://www.wcoop.ne.jp/shop/index.html#shop_waseda25

大手総合商社退職後、学生寮住み込みのハウスマスターに

東伏見学生寮管理人 田中 稔(たなか・みのる)

東伏見キャンパス 東伏見学生寮にて

――業務内容を教えてください。

寮生の生活をサポートする業務を一通り担当します。朝は9時に新聞(日・英)を学生娯楽室に入れることから始まり、自習室、トイレ、キッチンなど共有施設の安全確認。その後は、曜日によって分別が異なりますがゴミの回収準備。ここの寮生は自炊が必須なので炊事はありませんが、日中はたくさんの荷物や郵便の仕分けに追われます。また、清掃担当者の作業確認や、季節によっては私も落ち葉拾いなどをします。

――普段、学生に対してどのようなことを思いながら働いていますか。

実は私は校友(1976年政治経済学部卒)なのですが、学生時代は4年間和敬塾という寮で生活をしていました。当時の気持ちを思い起こしながらも、「管理人」としての職務、「先輩」としての気配り、思いやり、そして「親の視点」も含めて、寮生活をサポートすべく極力会話の機会を増やすようにしています。

――仕事をしていて、やりがいを感じたエピソードを教えてください。

たくさんあります。最初はゴミ捨て違反などが多くても、出身地に合わせた会話などでフレンドリーな関係を築いたらルールを守るようになってくれたこと。新型コロナウィルス感染症に罹患(りかん)し部屋から出られない寮生に、弁当など必要なものを買いに行ってあげて感謝されたこと。旅行や帰省から戻った寮生からお土産をもらったこと。また、私が総合商社出身ということで、就職相談を受けたことも忘れられません。

――学生の皆さんにメッセージをお願いします。

私も学生時代に寮生活を経験したので、団体生活の良いところと苦しいところがよく分かります。東伏見学生寮での生活で、基本的な生活のマナーやコミュニケーションを勉強し、保護者への感謝を忘れず、未来の日本や母国のリーダーとなるように羽ばたいてほしいです。ワセダスピリットを忘れずに!

「仕事の相棒」:ポケットサイズの「キャンパスノート」

「管理人の仕事は寮の中と外を行ったり来たり。各現場で必要なメモをサッと取るためにこのA7サイズのノートは必携で、業務日報の作成にも役立ちます。2カ月程度で1冊を使い切ります」(田中さん)

大学のことなら何でも聞ける大学総合案内・ナビゲーター

大学総合案内兼ミュージアムショップ 笹井 克恵(ささい・かつえ)

早稲田キャンパス 1号館前にて

――業務内容を教えてください。

主に、訪問者対応、歴史館に隣接するミュージアムショップでの大学オフィシャルグッズの販売管理、入学案内や留学・学生寮など学生生活に関わるパンフレット配架の三つです。9:30に勤務を開始したら、ミュージアムショップの開店とスタッフ間引継ぎのための日報の準備、商品の品だし、不足しているパンフレットの補充などを行います。その後は終日、もろもろの受付・問い合わせ対応をします。

――普段、学生に対してどのようなことを思いながら働いていますか。

総合案内では学生の他に、ベビーカーの親子連れから修学旅行中の中学生や受験校巡りの高校生、そして海外からの団体さまの対応もしています。学生が来る機会は少ないですが、気軽に立ち寄って「おいしいお店ができてたよ」とか、オフィシャルグッズの使い心地など情報交換できるような場所になれるといいなと思っています。

――仕事をしていて、やりがいを感じたエピソードを教えてください。

校友の方が、「60年ぶりに来たけど、すっかりきれいになっちゃって!」とうれしそうにいらしたり、清(しん)国留学生として通っていた先祖の苦労をしのばれて中国からご親族がいらしたりすると、早稲田大学の歴史を実感し、ここで働いていることに誇りを感じます。また、不安気なお顔でいらしたお客さまが、案内をすることで安心して笑顔になるのが対面窓口での何よりの喜びです。

――学生の皆さんにメッセージをお願いします。

場所柄、歴史館の受付と思われそうですが、ここは早稲田大学に関わる人全員のための総合案内です。皆さんの小さな「困った」を解決する場としてどうぞご利用ください。「授業でWi-Fiがうまくつながらなかったんです」という新入生や、「サークルのポスターを貼れる場所はありませんか?」という質問もありました。また、歴史館に訪れたときは偉大な先輩方の足跡を感じてもらい、皆さんの足跡も1号館に残して行ってください。

「仕事の相棒」:来訪者に場所を案内する「キャンパスマップ」

「総合案内での対応で多いのが、○号館はどう行けば良い? ○○はどこにあるの? といったお問い合わせ。その都度活躍するのがこのマップです。現在地から行き先をご案内するために分かりやすい説明を心掛けています」(笹井さん)

【場所】早稲田キャンパス 早稲田大学歴史館(1号館)1階
【窓口営業時間】10:00~17:00

本棚を介した学生との対話、生協戸山店書籍部スタッフ

生協戸山店 書籍部 植田 将暉(うえた・まさき)
大学院法学研究科 博士後期課程 1年

戸山キャンパス 31号館1階生協戸山店にて

――業務内容を教えてください。

ひたすら本棚と向き合っています。戸山店は小さな店舗なので、半分が食品や文具、旅行商品などを扱っている購買部、もう半分が本と雑誌を扱う書籍部になっています。そのうち、私の仕事は書籍部の本棚をケアすること。文庫・新書と雑誌、語学書、就活書以外の、いわゆる「専門書」全てが私の担当範囲です。新刊の発注から陳列、入れ替えまで、本が手に取られるための環境を作ることが私の仕事です。戸山キャンパスでの学びに寄り添いつつ、思いがけない一冊に出合える場所作りにこだわっています。

――普段、学生に対してどのようなことを思いながら働いていますか。

小さい店舗なので、なかなか思うような品揃えがし切れず、申し訳ないなという思いは常にあります。ただ、戸山店のすぐ近くには早稲田キャンパスのブックセンターや文禄堂さん、成文堂さんがありますし、高田馬場や新宿・池袋には大きな書店もあります。品ぞろえの量や新刊をそろえるスピードでは勝ち目がないからこそ、それ以外のところで勝負したいなという思いがあります。戸山店は普通の新刊書店には並びにくい人文書を特に充実させたり、これから研究や議論が盛り上がりそうな分野の本をそろえたりして、戸山キャンパスらしい店づくりを目指しています。

――仕事をしていて、やりがいを感じたエピソードを教えてください。

並べている本を手に取っていただけたときが一番うれしいです。書店の棚づくりは、本の「動き」を介した、お客さまとの対話だと思っています。もちろん売れてくれるのが一番うれしいのですが(笑)、本の並び方に店頭で手に取られた形跡を見つけるだけでも喜びがあります。「この本に興味を持ってくれた。ではこんな本を入れてみよう」「買ってもらうためにはあと一歩何が必要なのだろう?」と、よく考えます。

――学生の皆さんにメッセージをお願いします。

ぜひ本を買って読んでください! 1冊売れるだけでも、出版・書店業界にとってかなり大きなメッセージになります。この本が売れると同じテーマの新しい本が企画できる(書店として入荷できる)、この著者が売れると次は翻訳版として出版できる(並べられる)。新刊を買うことは、これから出版されるべき本と将来の学問研究への「出資」なのです。

「仕事の相棒」:書棚の配架状況をデータ管理するための「ハンディーターミナル」

「新しく入荷した本を登録したり、返品する本の登録を解除したりするために使います。この作業によって本の配架状況が生協の書籍注文・検索システムを通じて確認可能に。常にエプロンのポケットに入れています」(植田さん)

【店名】早稲田大学生協戸山店
【場所】戸山キャンパス 31号館地階
【TEL】03-3202-4204
【営業時間】10:00~17:30
【休業日】こちらから
【Webサイト】https://www.wcoop.ne.jp/news_3/news_detail_1175.html

撮影:布川 航太

【次回特集記事予告】6月17日(月)公開「早稲田演劇特集」

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日は毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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