Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

早めの留学準備で可能性を広げる 体験者が語る、短期プログラムのススメ

2032年度には全学生が卒業までに1回は海外留学を経験する「全員留学」の実現を目指している早稲田大学。皆さんは留学をしてみたいと考えたことがありますか? 早稲田大学の留学センターが提供する留学プログラムは、春休みや夏休み期間を利用する短期プログラムや1セメスター(学期)の中期プログラム、1~2年の長期プログラムと幅広く展開しています。今回は、1年次の夏休みに短期留学を経験した学生2名と留学センターの職員による座談会を開催。留学の情報提供や個別相談を行っている、早稲田キャンパス22号館1階のWaseda Global Gate(以下、WGG)で語り合ってもらいました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、今すぐの留学が難しくとも、準備は早ければ早いほど可能性が広がります。留学を検討している皆さん、これからの参考にしてみてください。

※座談会の取材は、2020年2月に行いました。

(写真左より)田島さん、中島さん、潘さん

政治経済学部 3年 中島 ひさの(なかじま・ひさの)
2019年8月17日〜9月21日(36日間)、クイーンズランド大学(オーストラリア)へ留学
社会科学部 3年 田島 佑樹(たじま・ゆうき)
2019年8月9日〜8月31日(23日間)、聖トマス大学(フィリピン)へ留学
留学センター職員 潘 艶蕾(ぱん・いぇんれい)
短期留学プログラムを担当

――短期留学へ行くことにしたのはなぜですか?

田島

大学合格後、時間がたっぷりある学生のうちに自分の世界を広げたいと思い、長期留学を希望するようになりました。長期留学には一定の語学スコアが必要だと知り、まずは短期留学で英語力を鍛えることにしました。

中島

中学と高校で3回の短期留学を経験していたので、大学では中長期留学に挑戦したいと考えていたんです。私もまずは語学スコアを上げるために、1年次の夏休みを活用して短期留学に行こうと決めました。

――行き先はどのように決めましたか?

田島

留学センター主催の留学フェアでもらった、概要が掲載されているプログラムガイドを参考にしました。英語をしっかり学べ、かつ費用が安いところを探し、見つけたのがフィリピン・マニラの聖トマス大学での23日間のプログラム。費用は欧米の3分の1程度で、さらに朝から夕方までみっちり英語の授業があり、コストパフォーマンスがよかったのも魅力でした。

中島

私も最初に留学フェアを訪れ、プログラムガイドを読み込んだ記憶があります。情報が盛りだくさんで親に相談するときにも重宝しました。オーストラリア・ブリスベンのクイーンズランド大学を選んだのは、日数が36日間と長く、宿泊がホームステイだったからです。

田島

私の宿泊先は、フィリピンの地方からの学生や日本を含めた他国からの留学生が一緒に生活する国際寮でした。初めての海外で英語漬けの環境はストレスがかかると思い、あえて寮生活のプログラムを選んだというのもあります。

短期留学は夏と春の2回、それぞれ20プログラムほどを企画しています。学生に興味を持ってもらい、参加しやすくなるよう、行き先は北米、ヨーロッパ、アジアなど幅広く設け、また2人の話にもあったような宿泊先や価格設定なども、毎回検討・工夫しています。留学センターでは、春秋2回の留学フェアのほかにも、個別相談や事前説明会を実施しています。また、このWGGは資料もたくさん用意していますし、留学のことなら何でも相談できる窓口となっていますよ。

WGG内には各種パンフレットだけでなく、学生の体験談をつづったファイル(写真右)などもある

田島

WGGではパスポート取得やビザのことから、プログラムガイドに載っていない現地の生活費のことまで聞けて、とても助かりました。

中島

私は秋学期の科目登録など、現地滞在中に進めなければならない事務手続きについて相談しました。

――参加したプログラムの良かった点はどんなところですか?

中島

授業が早く終わるので、課外活動も充実していました。ホストファミリーの同い年の子と英会話を楽しんだり、家でバーベキューやキャンプファイヤーができたのはホームステイならではです。また、大学内にある英語教育提供機関(ICTE)が現地大学生との交流会やスポーツ大会などを開催していて、各種イベントに参加できたのはいい経験でした。

写真左:ブリスベンのLone Pine Koala Sanctuaryでコアラを抱っこ
写真右:ホストファミリーと一緒に

田島

長い授業時間で存分に英語を学べたことです。授業は早大生15人とStudent Teachersと呼ばれる現地の学生4人で、グループワークが中心でした。留学が初めての私にとって、初歩の発音から英語の4技能(スピーキング・リスニング・リーディング・ライティング)まで満遍なく学べて、早大生だけの環境で授業に集中できたのは良かったです。

写真左:授業の一環で自国の文化を紹介し合った後に、みんなでフィリピン料理を食した。一緒に写っているのは授業をサポートしてくれたStudent Teachers
写真右:休日に植樹のボランティアへ。早大生だけでなく現地の方々も参加していた

中島

私がいたクラスは田島さんと違い、日本だけでなくサウジアラビアや中国からの留学生も一緒で10人ほどでした。学習目的・レベルごとにクラス分けされていて、自分の希望に沿って学びを実践できたのが良かったです。

クラスメイトと先生(前列右から2人目)と。クラスには日本だけでなく、中国やコロンビア、サウジアラビアからの留学生がいた(前列左から2人目が中島さん)

協定校によってさまざまな授業内容を展開していますが、その詳細もプログラムガイドに記載しています。2人とも自分に合うものを選択されたようですね。

――滞在先ではどのような異文化体験がありましたか?

田島

フィリピンの人たちのホスピタリティには助けられました。「フィリピンを象徴するものは?」と聞くと、全員が「ホスピタリティが豊かなところ」と答えるほど。街中やキャンパス内では多くの人が声を掛けてくれました。

中島

私が驚いたのは早寝早起きの文化です。日が昇る前に起きて、夕方午後5時には多くのお店が閉まってしまいます。他にはバスの乗り方などで日本との違いを感じる面もありましたが、街はとても安全で、一人で出掛けることもありました。オーストラリアの人もフレンドリーでしたよ。

クイーンズランド大学近くの人気のあるパンケーキ屋にて

田島

私の場合、大学の外にはスラム街など治安が良くないエリアもあると聞いていたので個人行動は控えました。気候については、フィリピンは赤道近くにあるため暑いと思っていたのですが、意外にも東京より湿度が低くて過ごしやすかったです。

休日にTaal Lakeというカルデラ湖へ。雄大な自然を感じることができた

中島

オーストラリアは雨量が少なく、日差しも強いので日焼け止めが必須でした。ちょうど大規模な森林火災もあったので、環境問題を身近に感じました。

――留学前にやっておいてよかったこと、やっておけばよかったことは?

田島

やっぱり語学の勉強です。社会科学部で必修科目になっている「General Tutorial English(※1)」を1年次に履修して、スピーキングの勉強を重点的に行いました。その他にも、留学生のTAとコミュニケーションを取るなど、英語で話すことに慣れるよう心掛けました。

※1 General Tutorial English

中島

留学の目的を固めることだと思います。私は中長期留学に向けた語学スコアのアップを目的としていたので、現地では明確な目標を持って勉強することができました。一方で、日常会話はこなせても、アカデミックな内容になると話せないことなどもあったので、単語対策をもっとしておけばよかったとも思いました。

――短期留学を通して学んだこと、成長したことは何ですか?

中島

もちろん親はいないので、現地では使うお金も、行く場所も自由ですが、その分責任も伴います。短期留学を通して、自分で考えて行動する力が身に付きました。

田島

異文化を知ったことで、もっとさまざまな国の人々と触れ合いたいという意欲につながりました。また、中長期留学の目標についても、当初は語学の習得だったのが、今では英語を使って何かを成し遂げたいと思うようになりました。

世界遺産もあるイントラムロス地区を、フィリピンの学生(手前)とインドネシアからの留学生(右)とレンタサイクルで巡ったときの様子

――留学における奨学金の受給の有無について教えてください(※2)。

田島

今回の短期留学で利用しました。留学決定後、留学センターからのメールで奨学金のお知らせが届いたので、それを参考に申請しました。

中島

私は今後の中長期留学で、学外の奨学金を申し込もうと考えています。

留学が決まった学生には、学内奨学金や日本学生支援機構(JASSO)海外留学支援制度の案内を出しています。学内奨学金は全て給付型で、希望者の約50%が受給できます。中島さんのように、学外の財団などが運営する奨学金を希望される場合は留学センターのWebサイト(※3)から探すことができますよ。

※2 オンライン短期留学プログラムに参加する場合、奨学金の支給はありません。
※3 留学センターWebサイト(留学奨学金)

――最後に、少しでも留学に興味を持っている人にメッセージをお願いします。

中島

今のグローバル社会では、いつか英語や異文化と向き合わなければいけません。これから日本を引っ張っていく私たちの世代が、早いうちから海外を見て視野を広げることは大切です。また、早稲田大学は留学制度が充実し、チャレンジしやすい環境が整っています。だからこそ、少しでも留学に興味がある人には、ぜひ短期留学からトライしてみてほしいと思います。

田島

私自身もそうでしたが、海外に行ったことのない人や、今後海外に活動範囲を広げたいと思っている人には、ぜひ一歩踏み出してほしいです。観光では得られない、本当の異文化体験ができますよ!

短期留学はパッケージ旅行のように作っていて、航空券も大学が手配します。海外渡航に不安がある学生には特にお勧めです。また、ロシアやドイツなど、非英語圏の国で語学を学びたいけれど長期で行くには勇気がいるという方も、ぜひ短期留学から挑戦してみてください。

【お知らせ】
2022年2月~3月に実施される春季短期留学プログラムについては、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、全てオンラインでの実施となりました。11月初旬より留学センターWebサイトにて情報公開しますので、興味がある方はぜひご確認ください。

取材・文:萩原あとり
撮影:石垣星児

Waseda Global Gate(WGG)へ行ってみよう!

早稲田キャンパス22号館1階のWaseda Global Gate(WGG)は、全早大生を対象に、留学をはじめとした国際教育の情報を提供するワンストップサービス拠点です。また、早稲田に留学をしている留学生の相談窓口としての役割も果たしています。

【所在地】
早稲田キャンパス 22号館 1階

【開室時間】
※新型コロナウイルスの感染状況により変更となる可能性があります。
◆開室時間:平日10:00~17:00
・相談・手続き対応:平日12:00~17:00(予約制。詳細はこちら
・電話対応:平日9:00~17:00(03-3208-9602)
(※土曜日、日曜日、授業を行わない祝日は閉室)
・オンライン窓口:平日12:00~17:00(予約制。詳細はこちら

◆夏季・春季休業期間について
最新情報を留学センターWebサイトのトップページ「General Information 皆様へのお知らせ」からご確認ください。

【WGGでできること】
《留学を考えている早大生向け》
・早稲田大学が実施する留学プログラムの資料閲覧
・協定校大学のパンフレット閲覧
・過去の留学経験者による留学報告書閲覧
・留学センタースタッフによる留学についての総合的な相談受付

《早稲田に留学している留学生向け》
・留学生活全般に関する相談受付

※利用にあたっての留意事項
・留学相談は事前予約不要ですが、スムーズに進めるために、事前に留学センターが発行する「早大生のための留学の手引き」を確認することをお勧めします。
・新学期や派遣留学プログラムの出願時期前後は大変混み合います。留学先大学の情報収集は計画的に進めましょう。

※2021年11月1日時点の情報です。最新情報は留学センターWebサイトで確認してください。

【次回フォーカス予告】11月8日(月)公開「キャンパス紹介特集」

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日は毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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