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レポート・論文作成を無料で個別指導 ライティング・センター活用術

新入生をはじめ、在学生の中にもレポートや論文の課題が苦手な人は多いのでは…? 「書きたい事柄はあるけど、どう書いたらよいのか分からない」「大学生らしいレポートって…?」と悩んでいる人のために、早稲田大学では全学生対象の「学術的文章の作成」(オンデマンド授業)を設置しているほか、「ライティング・センター」で無料の個別指導を行っています(2020年度春学期はオンライン・セッションとなります)。今回は、大学生のうちに身に付けたい「アカデミック・ライティング」について、グローバルエデュケーションセンター(GEC)アカデミック・ライティング教育部門長の佐渡島紗織教授にお話を伺いました。

※学生のインタビューは2020年3月5日に行いました。

ライティング・センターでの個別指導の様子(左はチューターの田部井滉平さん、右は利用学生の下山田莉子さん)※2020年度春学期はオンライン・セッションとなります

〈他の人による知見〉と〈自分の考え〉とを区別し、
分かりやすい文章を

グローバルエデュケーションセンター(GEC)
アカデミック・ライティング教育部門長
国際学術院 教授 佐渡島 紗織(さどしま・さおり)

アカデミック・ライティングとは?

1998年米国イリノイ大学でPh.D.取得。国立国語研究所、研究補佐を経て2002年より早稲田大学大学院アジア太平洋研究科、同大学国際教養学部で客員講師。留学センターで准教授。2014年より現職。専門は国語教育

「アカデミック・ライティング」とは、学術的な目的で書かれた文章、または学術的な文章を書く技術を指します。すなわち、授業で課されたレポート、学位論文、投稿論文、研究計画書などと、それらを書く技術を指します。

学術的な文章が世の中に存在する他の文章と異なる点は、「これまでに発表されている知見をふまえて新しい知見を発表する」という点にあります。卒業論文、修士論文、博士論文、投稿論文は、まだ答えが出されていない問いを追究するために書かれます。授業で課されるレポートは、そのための準備段階として書くものであると認識してよいでしょう。

学術的な文章の多くは、扱う話題が複雑であったり抽象的な議論を含んでいたりします。優れた学術的文章は、こうした内容を明確に読者に伝えます。また、学術的な文章は、「これまでに発表されている知見をふまえて」書かれるため、〈他の人による知見〉と〈自分の考え〉とを区別することが求められます。

分かりやすい文章を書くために、また〈他の人による知見〉と〈自分の考え〉とが区別されるように書くために、知っておくとよい文章作成技術を身に付けましょう。

分かりやすい文章を書くためのポイント

1.一文一義
一文に一つの事柄を書きます。単純な構造の文を積み重ねて書くと、緻密な文章になります。

2.語句
語句にはそれぞれ異なる意味があります。それぞれの語句の意味を自覚して使うと意図が伝わりやすくなります。専門用語は定義してから使います。

3.構成
学術的な文章は、「序論・本論・結論」という構成です。序論で全体の目的を示し、本論で目的を達成させ、結論で全体を復習します。

4.〈問い〉と〈答え〉
〈問い〉とは、何を追究するかを書き表した疑問文です。〈答え〉とは、追究したらどうだったかを示したものです。文章を書き上げたら、〈問い〉と〈答え〉が呼応しているかを確認しましょう。

5.パラグラフ・ライティング
パラグラフは、中心となる一文とその詳細とで構成されます。他の内容を入れないように作ります。英語で書く文章では、一般に、中心となる一文をパラグラフの先頭に置くよう求められます。

〈他の人による知見〉と〈自分の考え〉とが区別されるように書くためのポイント

1.〈他の人による知見〉を取り入れて書く場合は、誰の知見であるかを明記する。
著者年方式の書式(本文中に括弧で著者と文献発行年と引用ページを記入する方式)で書く人は本文中に、脚注方式の書式(本文中には「注2」や「2」とだけ表示し、本文の後ろに付けた注のリストや参考文献リストで詳細を記す方式)で書く人は注で著者を示します。インターネットのサイトで著者が不明の場合は、サイト名を明記します。

2.〈他の人による知見〉がいつ発表されたものであるかを明記する。
同じく、著者年方式の文章では本文中に、脚注方式の文章では注や参考文献リストに、著者がその知見を発表した年を明記します。

3.〈他の人による知見〉は正確に伝える。
最も正確に伝える方法は、引用です。文献から書き写した箇所を「」で括(くく)ります。文献全体を要約して伝える場合もあります。要約する場合は、文献の著者が意図した通りにまとめられているか、表現をよく確認します。鍵となる語句だけでも引用すると、不正確な記述を避けることができます。

4.本文で言及した〈他の人による知見〉を、全て参考文献リストに並べる。
本文で言及した〈他の人による知見〉が記されている文献を全てリストにして、本文の後ろに載せます。それぞれの文献を読者が見つけられるよう、詳しく情報を書き出します。インターネットで閲覧した文献は、URLも掲載します。

5.〈他の人による知見〉が図表や数式であっても、1から4の手続きをふむ。

こうした手続きをふまないと、「剽窃(ひょうせつ)」とみなされます。「剽窃」には罰則が科される場合があるので、充分に注意しましょう。心配だったらライティング・センターで相談するとよいでしょう。

英語・日本語文章を無料で個別指導
ライティング・センターを活用しよう

早稲田キャンパス3号館2階にあるライティング・センター。個別ブースの他、共著のセッションの際に利用するオープンスペースも ※2020年度春学期はオンライン・セッションとなります

2004年に創設された早稲田大学ライティング・センターは、自立した書き手の育成を目指して支援を行っています。学術に関する英語・日本語文章であれば、分野にかかわらず、構想段階から検討します。ライティング・センターは、早稲田大学の学生・教員であれば、誰でも無料で、何度でも利用できます(MyWasedaで要予約)。1回のセッションは45分で、文章指導の訓練を受けたチューターが個別に対応します(2020年度春学期はオンライン・セッションとなります。詳細はこちら)。書き手自身が文章の改善方法を決定できるよう、対話を通して一人一人の状況に合わせた支援を行います。

「書く」というのは誰にとっても大変なものです。一人で悩まないで、やる気が出ないときこそライティング・センターに来てみてください。話しているうちに、何かアイデアが生まれるかもしれません。

チューターの声

多様なバックグラウンドを持つチューターは皆、文章指導の訓練を受けた大学院生

大学院日本語教育研究科
博士後期課程 5年 伊藤 茉莉奈(いとう・まりな)

書き手の皆さんには、私たちチューターを「先生」ではなく、一緒に文章をより良くしていく「仲間」のように捉えてほしいです。ですから、「まだ構想段階で、文章が書けていないからやめておこう…」とか、「こんなまとまりのない文章を見せるのは恥ずかしい…」のように思わずに、ぜひ気軽な気持ちでお話ししに来てくださいね。お待ちしています。

利用学生の声

(写真左)セッション前に受付で渡される利用申請書に、持参した文章・課題に関する情報などを記入
(写真右)セッションの様子(手前がチューターの田部井さん、奥が利用者の下山田さん)
※2020年度春学期はオンライン・セッションとなります

国際教養学部 2020年3月卒業
下山田 莉子(しもやまだ・りこ)

今回初めてライティング・センターを利用し、卒業論文をチェックしてもらいました。一人で書いていると、つい自分中心の書き方になってしまいますが、チューターの方が読み手中心に考えて語句の統一などを提案してくださったので、すごく勉強になりました。予約が埋まっていることもありますが、ライティング・センターを利用すると、バランスのいい文章が書けるようになると思います。

ライティング・センター

早稲田キャンパスの個別ブース ※2020年度春学期はオンライン・セッションとなります

早稲田キャンパス 3号館 2階
西早稲田キャンパス 60号館 2階 201号室
所沢キャンパス 図書館(ラーニングコモンズ)

開室時間や予約方法(MyWaseda>授業>個別指導予約)など、詳しくはこちらから確認してください。

※2020年度春学期はオンライン・セッションとなります。
※予約前にライティング・センターWebサイトまたはTwitterで開室状況をよく確認してください。

 

<問い合わせ>
TEL:03-3204-9052
Email:[email protected]

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