Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

オンライン授業の要「Waseda Moodle」で双方向の学びを実践

早稲田大学の春学期授業は、新型コロナウイルスの影響で5月11日(月)から原則オンラインで始まることが決まりました。教室に集まる対面授業の実施を避けるため、海外の大学をはじめ日本の各大学でも遠隔授業システムの活用が話題になっています。早稲田大学でも2020年度から「Waseda Moodle」というLMS(授業支援システム:Learning Management System)を導入しています。Moodle とは、現在世界230カ国以上、7,000万人以上が利用している世界標準のオープンソースのeラーニングシステムのことで、「Waseda Moodle」はこのMoodleの機能をベースに一部設定を早稲田大学用にカスタマイズしています。

今回のフォーカスでは、Waseda Moodleの前身のLMSであるCourse [email protected]をこれまでも授業で活用しており、またWaseda Moodleに関しても2019年度に担当科目「微積分1B」「微積分2B」にてトライアル使用をしていたグローバルエデュケーションセンター(GEC)の高木悟教授と履修生の教育学部2年の中村彩華さんに、LMSの活用について話を聞きました。

※インタビューは2020年3月4日に行いました。写真撮影時のみマスクを外してもらいました。

高木教授(右)と履修生の中村さん

LMSの基本機能とその活用

――まずは授業で実際に使用しているLMSの機能や活用例について教えてください。

高木

LMSは、Webブラウザ上で「小テストへの回答」や「レポートの提出」などを実行することができるプラットフォームで、早稲田大学では2007年から大学独自開発のLMSである「Course [email protected]」を使用していました。いくつかの便利な機能により授業を補佐し、学習環境をより良質なものにすることが目的です。例えば「BBS」や「レビューシート」機能(※)は、教員と履修者が気軽にコメントを書き合い、授業外での活発なコミュニケーションを促進するもの。また、動画やパワーポイントなどのコンテンツを配信することができる機能もあり、講義から課題提出まで全てがCourse [email protected]上で完結するフルオンデマンド形式の授業もあります。

※Course [email protected]の各機能は名称・仕様を変えてWaseda Moodleにも継承しています(対応表リンク

 

高木

今年度から、このCourse [email protected]の基本機能は維持しながらも、多言語・マルチデバイスにも対応可能なWaseda Moodleに切り替わるわけですが、中村さんはこれまでCourse [email protected]をどのように活用していましたか?

中村

毎回の授業が終わった後に回答する「レビューシート」が勉強への意欲を高めるのにとても役立っていたと思います。これは、授業に対する理解度を5段階で自己評価するもので、授業直後にその回の授業内容を振り返りながら、自分がどれだけ理解できているかを確認することができました。この機能のおかげで、テスト勉強の際には理解度が低いと感じたところを重点的に復習することができ、勉強の指針になっていましたね。レビューシートは、コメントを書くと必ず高木先生がリアクションを返してくれていたので、楽しく授業を受けるモチベーションアップにもつながっていました。

高木

レビューシートは、学生の理解度や授業に対する感想、疑問点などを書いてもらっていて、その結果から次の授業に生かすことも多くありました。中には授業とは全く関係のないコメントがあったりもしますが(笑)。それも含めてここでのコミュニケーションは、教員と学生の双方向的な関係性を作ることができる貴重な機会だと思います。

普段の授業の様子を再現してくれた高木教授。数学の授業は板書スタイルの方が向いており、別途担当しているオンデマンド講義でもスライドでの説明ではなく、板書で行う授業風景を動画で配信しているという

自学自習を促す機能

中村

授業の応用的な内容に踏み込んだ宿題を、Course [email protected]にアップされている動画を参考にしながら解くこともありました。難しい問題ではあったのですが、動画が問題を解くヒントのようになっていて取り組みやすかったです。

高木

私が普段の授業で重要視しているのは、授業中の学生のリアクションに反応し、積極的にコミュニケーションを取りながら理解を促すことです。しかし授業内だけでは、学生の理解度を高めきれないというのも事実。補足としてレビューシートや動画コンテンツを利用することで、勉強に対する意欲向上に役立てることができればと思っています。教員の中には、授業前に予習動画を見てもらい、授業内容がより頭に入りやすいようにしている方もいますね。中村さんが利用していて、「これは学習成果に直接つながっているな」と思う機能はありましたか?

Waseda Moodleの画面。「微積分1B」では課題と一緒に参考動画コンテンツも掲載し、学生の自習をサポートしている

中村

小テスト機能は学習成果に直接つながっているという実感があります。授業中に受けたりする小テストだと、忘れたころに結果が返ってきたりしますよね。でもCourse [email protected]だと、問題を解いたらすぐに○×の判定が出るので、間違えたところをすぐに復習することができました。小テストは何回も解けるものだったので、完全に理解するまで繰り返し解き直すことが、勉強するきっかけづくりになっていました。

高木

学生の活用次第ですが、こうして何度も解いて理解度を高めてくれるとうれしいですね。数学だと問題を作るのに一筋縄ではいかなくて苦労した部分もあります。例えば「3」が正解となる問題で「3.0」と入力してしまうと間違いだと判定されてしまったり、数式を入力するのに手間が掛かったり。これらもBBS機能などで学生からリアクションがあったものをしっかり受け取り、できるだけ簡単にテストに取り組むことができるように内容を改善してきました。

アクティブラーニングを促すWaseda Moodleの可能性

――20204月からは、Course [email protected]に代わってWaseda Moodleという新たなLMSが導入されました。高木先生は20194月からトライアルという形で一足早く活用されていますが、新LMSで便利になった部分や期待できる部分はありますか?

高木

数学の教員としては、数式の入力方法が便利になり、画面表示もきれいになったことがうれしいですね。学生もレポートなどで数式を入力する機会がありますが、これまでよりは断然、手間が省ける形になっていると思います。これまでであれば、例えば「√(ルート)」のような記号を表すにはプログラミング言語で入力する必要がありましたが、マウスを使ってフリーハンドで文字を入力する機能も実装されたので、今後さらに使いやすくなると思います。

中村

授業で使用したグラフのファイルを課題として提出する際にWaseda Moodleを初めて使用してみて、ドラッグ&ドロップでファイルをアップできるようになったところに利便性を感じました。[email protected]ではファイルをアップする際に、一つ一つ選択して上げていく必要があったので…。

高木

教員側でも学生から寄せられたレビューを一括ダウンロード、またコメントをつけて一括アップロードできる機能が加わったということで便利になるのを楽しみにしています。逆にWaseda Moodleに変わったことで操作に戸惑ったということはありませんでしたか?

中村

初めは、同じ機能でも名称が変わっていて少し戸惑うところもありましたが、思っていたよりもすぐに慣れることができました。基本的にはCourse [email protected]よりもユーザーインターフェースに優れているので、慣れてしまえばとても使いやすいと思います!

Course [email protected]はスマホで見る際は拡大する必要があったが、Waseda Moodleはマルチデバイス対応で画面の大きさも適切になり、インターフェースにも優れている

高木

今後の活用方法としては予め想定された使い方だけではなく、例えばWaseda Moodle内での映像コンテンツの送受信が容易になっていると思うので、口頭試問のような問題を出して、学生に動画で回答してもらうなどの使い方も考えられます。またグループワークの機能が便利になったと聞いているので、対面の授業でも一つの問題をグループ内で話し合って共同で解答を導かせるということもできるかもしれませんね。

中村

学生はいろいろな授業を取っているので、こうした補助教育がある授業とない授業では、履修する学生側にとっては取り組み方にもおのずと差が出てしまうのは実感としてあります。科目の内容にもよりますが、例えば語学など教員と学生のコミュニケーションが必要な科目なら、レビューシートだけでも取り入れれば学生側の印象がだいぶ変わると思います。

高木

教員側も比較されているわけですね(苦笑)。教員の準備に掛かる負担はかなりありますが、やらないよりはやった方が断然良いというのは言えると思います。むしろ学生の方から新しい使い方を提案してほしいですね。Moodleは世界的に利用されているLMSなので、今後より活用しやすいように改善されていくと思います。「もっとこうしてほしい!」というような要望があれば、学生側からどんどん声を上げてもらえると、より活用のバリエーションが増えていくはずですよ。

取材・文:原 航平

Waseda Moodleでできること
  • オンデマンド授業の受講
  • 教員からのお知らせの確認(「アナウンスメント」機能)
  • 授業で利用する資料の確認(「ファイル」機能)
  • BBSを利用した教員や学生との交流(「フォーラム」機能)
  • 課題・レポートの提出
  • 小テスト回答
  • アンケート回答
  • 出欠の登録

【Web マニュアル】

Waseda MoodleのWebマニュアル:http://www.wnpspt.waseda.jp/student/wsdmoodle/
※2020年度は Course [email protected]と並行稼働します。科目ごとにWaseda Moodle、Course [email protected]のどちらの利用するのか、教員の指示に従って確認してください。
Course [email protected]のWebマニュアル:http://www.wnpspt.waseda.jp/student/course_navi/

オンライン授業を受講するために

各授業開始時刻にはMyWasedaのログインが混み合うことで、システムがパンクする可能性があります。MyWasedaログイン前画面上に、Waseda MoodleやCourse [email protected]に「直接ログインする」入り口がありますので、授業時はこちらを利用してください。
https://my.waseda.jp/login/login

「Learn Anywhere」サイトでは、早稲田大学のオンライン授業を受講するために必要な準備や、参考になる情報を掲載しています。現在、システムに関する問い合わせが非常に多いため個別の回答には時間を要している状況ですが、チャットボット(自動応答システム)を通してよく寄せられる質問をサイト内のFAQにまとめていますので、参照してください。(以下一部を抜粋しています)

Q.オンライン授業って何?

A. オンライン授業の受講形式は1. 講義資料・課題提示による授業、2. 収録内容のオンデマンド配信による授業、3. リアルタイム配信による授業の3種類があります。形式は今後の状況や授業により異なりますので、いずれの形式にも対応できるようにしましょう。詳細についてはこちらのページも参照してください。

Q.オンライン授業を受講するためにまず何を準備する必要がありますか。

A. オンライン授業では、いずれの受講形式においても、原則、ラーニング・マネジメント・システム(Waseda Moodle)を利用します。オンライン授業を受講するためには、PC やタブレット、スマートフォン等、インターネットが使用できる端末を用意してください。課題としてプレゼンテーションを収録する、リアルタイム配信による授業を受講することが想定されるため、カメラやマイク、イヤホンなども用意してください。

Q.カメラやマイクがない場合はどうすればよいですか。

A. カメラ・マイクがない学生の場合、スマートフォンをWebカメラとマイクの代わりにするアプリがあります。スマートフォンのアプリとPCへのソフトウェアインストールで利用可能になるようです。詳細は以下をご参考ください。

DroidCam Android向け
https://kuchikomiwebsite.com/application/droid-cam
iVcam   iPhone向け
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/yajiuma-mini-review/1245703.html

Q.学内のPCルームに導入されているソフトウェアを利用する授業では、どのような準備が必要ですか。

A. 授業で利用するソフトウェアがこちらに記載のものであれば、学外での利用が認められるライセンスですので、自身のPCにダウンロードする等により利用することが可能です。

Q.オンデマンド配信の授業について、いつ受講すれば良いのでしょうか。

A. オンデマンド配信型の授業について授業の動画を視聴できる期間は授業によって異なります。通常は授業が配当されている曜日から1週間~2週間程度は視聴可能となっていることが多いようです。視聴期間内であれば自分の都合の良い時間帯に学習することが可能となっていますが、正確にはWaseda Moodle/ Course [email protected]にて確認してください。また動画以外に課題などが指定されている場合は別途期限が設定されている場合があるので、注意が必要です。

Q.オンライン授業はスマートフォンでも受講可能でしょうか。

A. ほとんどの科目ではスマートフォンで受講可能です。ただし、画面が小さいこと、入力が不便なことが欠点としてあげられます。可能であればキーボードのようなものを追加することをお勧めします。また、多くの授業で課題提出のためにMicrosoft Officeが必要になりますので、Office365をぜひインストールしてください。詳細については、各講義の担当の先生の指示に従ってください。(Office365インストールについては「ITサービスナビ」のWebページを参照してください)

【次回フォーカス予告】5月18日(月)公開「睡眠特集」

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