
新歓期の高田馬場駅前ロータリー。同駅周辺でのグループ単位での集合を早稲田大学は禁止しています。集合が発覚した場合、2020年度の新歓ブース使用を認めません
一緒に飲んでいる学生も注意を払うことが大事
早稲田大学学生部は毎年、飲酒行為に関する注意を学生に呼び掛けています。未成年の飲酒が絶対禁止であることはもちろん、飲酒の強要はアルコールハラスメントであり、さらにお酒の力を借りた行為で場を盛り上げたり、「酒の強さ」をアピールするなど格好付けて飲むことも重大な事故につながる危険行為です。以下、飲酒行為についての基本的注意事項をあらためて伝えます。
突出して多い、20代若者の急性アルコール中毒救急搬送
2016年中の年代別の急性アルコール中毒による救急搬送人員(東京消防庁Webサイトより)
東京消防庁のまとめでは、2016年に急性アルコール中毒で救急搬送された人は16,138人(男性10,337人・女性5,801人)で、ここ数年は増加傾向となっており、2012年に比べると5,000人以上増えています。中でも20代の若者が6,988人(全体の約43%)と突出して多く、他の年代と比較すると男女差も大きな開きがありません。同庁は理由として「経験の浅さから自分の適量が分からず、無謀な飲酒をしてしまうこと」などが考えられるとしており、「一緒に飲んでいる周りの人も、節度ある飲酒について注意を払うことが重要です」と呼び掛けています。
早稲田大学の取り組みについて
早稲田大学では飲酒に関してさまざまな機会を通じて、注意喚起を行っています。約550の公認サークルの幹部に「公認サークル幹部の心得」を配布し、未成年者がアルコールを摂取した場合の身体的影響や、アルコール血中濃度と酔いの状態を解説、「知ってるつもり? 飲酒の常識・非常識」として、「酒に強い体質であれば急性アルコール中毒にはならないのか」「予め乳製品を摂取すれば胃に粘膜ができて泥酔しづらくなるのか?」などをQ&A方式で説明しています。PDF版をWeb上で公開しており、希望者には学生生活課カウンターにて冊子版を配布しています。緊急時の対処法も掲載するなど、飲酒について多くのページを割いて紹介しています。
公認サークルとして活動を希望する全サークルが出席必須のサークル講習会でも、急性アルコール中毒の怖さと救護方法を伝えるDVDを視聴しています。
また、キリン株式会社のご協力による適正飲酒セミナー『正しく・楽しくお酒を嗜(たしな)もう!』も、毎年6月に開催する「健康フェスタ」で行っています。同社による講座は毎春、国際学生寮WISHでも「適正飲酒啓発セミナー」として行われています。
その他の取り組み
- 各学術院での新入生ガイダンス
- Course N@vi「飲酒と一気飲みの恐怖」(約12分)
- 学生生活課職員による花見時期の巡回
- 新入生全員に「アルコール体質判定かんたんジェルパッチ」配布
飲酒に関する早稲田大学の基本ルール
- 大隈記念講堂前を含むキャンパス内での飲酒は禁止
- 未成年の飲酒は絶対禁止
- コンパを行う場合は高田馬場駅周辺をサークルの集合場所とせず、大学キャンパス内で待ち合わせて会場に移動する。もしくはお店へ直接集合すること
- コンパでは未成年学生と成年学生が座る席を完全に分け、席替え等で混在しないようにすること
- または、サークル懇親会・コンパはソフトドリンクのみで行うこと
- お酒の飲めない人へ配慮すること
- 飲酒の強要はアルコールハラスメントであるという認識を持つこと
- 多量の飲酒につながるため、お酒の力を借りた行為で場を盛り上げないこと
- 「先輩の酒は断れない」という雰囲気を絶対に作らないこと
- 「酒の強さ」をアピールするなど、格好付けて飲み過ぎないこと
- コンパ時は飲酒状況を客観的に目配せできる監視役を設けること
- 上級生は全員の飲酒状況を把握し、その帰宅手段に至るまで目配りを徹底させること
- 飲酒後の運動や入浴、また酒を飲みながらの海水浴は厳禁
- 上記のルールは、他大学の学生がいる場合でも徹底して守らせること
飲酒に関する過去のサークル規則違反事例
サークル内で“伝統”と称する恒常的な飲酒の強要、またはそれに準ずる習慣があった。
- ペナルティー→6カ月間の便宜供与停止(※実態を把握するため、場合によってはサークル所属の学生と、順次事実確認の面談を実施します)
部室での飲酒
- ペナルティー→キャンパス内の看板撤去など
高田馬場駅周辺およびBIG BOX前での集合
高田馬場駅周辺(駅前ロータリーも含む)およびBIG BOX前を集合場所とする多くの学生が、その場にたむろし歩道に溢れ返って歩行者の通行を妨げることなどによって、近隣住民や駅利用者に対して非常に迷惑がかかっており、多数の苦情が寄せられています。これまでも繰り返し注意してきたように、高田馬場駅周辺(駅前ロータリーも含む)およびBIG BOX前におけるサークル・クラス・ゼミのグループ単位での集合はやめてください。集合場所は早稲田大学構内とし、歩道を横に広がらないようにして移動してください。
- ペナルティー→2020年度のキャンパス内新歓ブース使用不可
酔いつぶれた人が出たら 〜緊急時の対処法〜急性アルコール中毒者への対処法
急性アルコール中毒の代表的な症状
- 大きないびきをかき続けて、ずっと寝ている
- 意識がない。ゆすっても、つねっても起きない
- 全身が冷え切っている
- 呼吸がおかしい。ゆっくりで途切れたり、浅くて速い
急性アルコール中毒者への対処法

回復体位(東京消防庁Webサイトより)
- すぐに119 番に連絡し、救急車を呼んでください(救急車が到着するまでは以下の対応をしてください)
- 酔いつぶれている人から目を離さないでください
- 吐いた物がのどにつまらないよう顔を横に向けて寝かす(回復体位にする)ようにしてください
- ベルトなど身体を締め付けているものは外してください
- 自分で吐けない場合は無理に吐かせないで、吐いた物はよく拭き取ってください
- ときどきバイタルサイン(息をしているか、脈があるか)を確認してください
- 体温が下がらないよう、毛布や上着などをかけてください
- 可能ならば水やお茶、スポーツドリンクなどの水分を補給してください
- 酔いつぶれた学生がいても、放置するケースが増えていると言われています。責任を持って介抱するよう注意してください
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