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特集

【大和総研ホールディングス編】人事担当者に聞く 学生の何を見てますか?

「なぜ私たちの会社に入りたいか、あなたの気持ちは会社案内には書かれていません

就職活動において、企業は学生のどこに注目しているのか? 就活生であれば誰もが気になるところでしょう。そこで今回の特集では多くの早大生が志望する人気企業「株式会社NTTドコモ」と「株式会社大和総研ホールディングス」の人事担当者を訪問し、今後就活を控えた早大生が就職活動における素朴な疑問を聞いてきました。

学生参画・ジョブセンター(SJC)学生スタッフ(※1)、学生キャリアスタッフ(SCS)(※2)の小室ひかるさん(政治経済学部3年)が訪れたのは大和総研ホールディングス。証券会社大手の大和証券グループのシンクタンクとしてスタートし、現在はグループ外の企業にもサービス展開をしています。インタビューを通して、小室さんは「自分の目標を明確にして物事に取り組むことの大切さ」を学んだようです。

※1)大学で身に付けた志向、能力、専門性を生かし大学経営へ参画する学生スタッフ
※2)キャリアセンターでキャリア関連の企画を立案・運営する学生スタッフ

株式会社大和総研ホールディングス

対応してくださった今井さん(左)と六本木さん(右)

人事部 人材開発課 今井 健志郎(いまい・けんしろう)さん
人事部 人事課 兼 ワーク・ライフ・バランス推進課 六本木 啓央(ろっぽんぎ・あきひろ)さん(2011年政治経済学部卒)
インタビュアー:SJC学生スタッフ 小室 ひかる(こむろ・ひかる、政治経済学部3年)

――まず会社の概要や特徴について教えてください。

今井さん 業種でいうとシンクタンクです。メーカーのように物を作って売るわけではなく、社員一人一人が持つ知識から生み出されるソリューションをお客様に提供しています。証券会社大手である大和証券グループのシンクタンクであり、会社自体は「大和総研ホールディングス」を持株会社として、「大和総研」と「大和総研ビジネス・イノベーション」という事業会社を中核に、大和総研としてのグループも形成しています。

――具体的にはどのような事業を行っているのですか?

今井さん 大きく「リサーチ」「コンサルティング」「システム」の3つの事業があります。「リサーチ」は国内外の経済分析をはじめ、金融資本市場分析、政策分析、法律・制度、環境・CSRなど、長年の多岐にわたる調査分析活動を基にした専門的知識を生かし、幅広い情報発信及び政策提言を行っています。「コンサルティング」は、証券系シンクタンクとして蓄積してきた「知見」、受け継がれた「洞察力」をいかんなく発揮し、資本市場に直結したコンサルティングファームとしてお客様の成長戦略を描いています。具体的には、「合併や買収(M&A)を行いたい」、「人事制度を見直したい」、あるいは「海外進出をしたい」など、企業ごとの課題に対し的確なアドバイスをし、プランを提案するなど総合的にサポートをします。「システム」は、社会の課題に対しシステムコンサルティングや、AI技術やデータサイエンスの知見を基にしたシステムインテグレーションなどお客様のビジネスを支えるシステムソリューションを提供しています。もちろん大和証券グループ各社の業務を支える情報システムを構築し、運用するのも主要業務の一つですが、これに加え、大和証券グループ以外の証券、銀行、保険などの金融機関、ならびに通信、流通などの一般事業会社のほか、官公庁、地方公共団体など、幅広い分野のお客様に対して高品質で信頼性の高い情報システムサービスを提供しています。

――大和総研の強みは何だと考えますか?

今井さん 「リサーチ」「コンサルティング」「システム」を総合的に展開していることに尽きるでしょう。この3部門が持つ機能を融合し、高度に連携することでお客様に新しい価値、最適なソリューションを提供することができます。例えば、ミャンマーに同国初となる証券取引所を設置するための支援事業を手掛けたことがあります。この事業では、インフラの整備状況や海外資本の流入実態などを調査・分析し、その上で情報システムを含めた最適な証券取引所の形を探り、提案しました。大和証券の傘下に属しているので、金融・証券業務の知識もあり、加えて調査分析、情報システム構築能力もある弊社だからこそ実現できたと自負しています。同じシンクタンクでもこれらの部門が全て一社内で協業できている企業は珍しいのではないかと思います。

――企業風土はどのような感じなのでしょうか?

今井さん 社長の草木頼幸が発信し続けている「Something New」という言葉に表わされているように、社員一人一人が常に新しいことを考え、それにチャレンジしてみようという気風が組織全体に染み付いていることが社風だと思います。

六本木さん 新しいビジネスを始めようとしたときに、それを支援する制度や仕組みが充実しているだけでなく、柔軟に対応できるようになっている点も見逃せない特徴だと思います。2018年10月から社内インターン制度という、社員のチャレンジを支援する新たな制度が始まり、私自身はこの制度を活用して人事部との兼務として、フロンティアテクノロジー部に所属しています。ここで学んだことを新たな価値の創出に結び付けられればと考えています。

今井さん これとは別に社内ベンチャー制度もあります。社員としての立場を維持しながら、新規ビジネスへのチャレンジを認めるというイメージです。また、働きやすさで言えば、性別にかかわらず働きやすい職場だと自信を持って言えます。ライフステージに応じた勤務制度も充実していますし、女性はもとより最近では男性の育児休暇取得率も目立って上昇しています。

――御社にはどんな学生が向いているのでしょうか?

六本木さん チャレンジ精神が旺盛で変化に富む人が向いているという言い方もできるかもしれませんが、個人それぞれのバックグラウンドによらず活躍できる会社であることをぜひ理解してほしいですね。それだけ多様な業務がありますし、実際に多様な人が働いています。

――文系、理系でも向き不向きはないということですか?

今井さん その通りです。高い志を持ち、勉強をして自己研鑽(けんさん)をし続けられるかが最も重要なことかと思います。ITなどに対するリテラシーを生かすことはできますが、入社時点でそれがないからといって活躍できないというわけではありません。

六本木さん 私は早稲田大学の政治経済学部を卒業していますが、文系でも問題ないと断言できます。実際に弊社の社員は4割から5割くらいが文系卒です。もちろんITや新技術に対して興味を持って接することができるかどうかは大事だと思います。

――面接で印象に残る学生はどんなタイプですか?

今井さん 例えば、面接で「自己PRをしてください」と言ったときに、会社の採用ホームページや企業パンフレットに載っていることばかりを話す人がいます。興味を持ってよく調べてきてくれるのはとても嬉しいですが、その上で、パンフレットなどには決して載っていないその人自身のことを、私たちは知ることができればと思っています。なぜ私たちの会社を志望するのか、その人柄とともに伝わってくるストーリーに、私たちは会社の未来を映していきます。エピソードの大小は大して問題にならないと思っています。

――最後に学生へメッセージをお願いします。

今井さん 今の学生は割と早い時期からインターンで企業の内部に飛び込んでいける仕組みがあります。就活の期間が長くなったように感じて大変かとも思いますが、そこをポジティブに捉えてぜひ就活を自分の成長の機会にしてほしいと思います。

六本木さん 就活時期は不安で、周りに合わせて「説明会に行かなくては」、「エントリーシートをたくさん書かなければ」と思いがちですが、全ては「自分は何をしたいか」がベースですので、まずはそこをじっくり考える時間を取ってほしいです。周囲の友人との会話では、就活の進み具合の報告だけで終わらずに、どんなことをしたいと思っているかをお互いに深く話すと、就活を機に一生の友人ができたりするものですよ。

インタビューを終えて

SJC学生スタッフ・SCSの小室さん。しっかりとメモを取りながらのインタビューとなりました

インタビューの最後に六本木さんがおっしゃっていた、「自分は何をしたいかがベースなので、そこを考える時間を取ってほしい」という言葉が印象的で、自分の目標を明確にして物事に取り組むことが大切だとあらためて思いました。このことは政治経済学部の授業で勉強した、あることをしている時間で別のことをしなかったために失った利益を指す「機会費用」の考え方を連想させました。また、最近読んだ本の中に「今日の目標は明日のマンネリ」という言葉があり、「毎日、昨日とは違う自分になることが大切」と述べている箇所が印象に残っていて、大和総研ホールディングスの「Something New」という企業風土にも通じるものを感じました。

今回のインタビューを通して、お二人の語る仕事の土台には「好き」という気持ちがあることが伝わってきました。六本木さんは、幼少期に当時は珍しかったパソコンがお父様の趣味で家にあり、その頃から身近に触れていたことが今の仕事につながっているかもしれない、とおっしゃっていました。私も残りの大学生活で身の回りの「好き」を増やし、深めていこうと思います。

撮影:石垣 星児

キャリアセンター主催の2019年1月~4月(冬ターム)就職支援行事一覧はこちらです。
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