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8人の留学生から見た「日本の里山」 松代セミナーハウスでお得な2日間の旅

日本有数の豪雪地ながらも、アートを利用した町おこしが進み、新たな地域づくりの成功例として国内外から注目を集める新潟県十日町市松代(まつだい)地域。この地には、今年で開設30年となる早稲田大学の学生・教職員向けの宿泊施設「松代セミナーハウス」があります。創設の立役者である木戸一之さん(1963年第一理工学部卒業)が、現地を最大限に楽しめる1泊2日ツアーを企画してくださいました。地元の方との交流、里山ならではの景観、自然の中に広がる現代アート…他のセミナーハウスにはない魅力が、松代にはあります。今度の週末は、こんな旅に出掛けてみませんか?

初めての里山体験は松代で

今回松代に行くのは、海外からの交換留学生が住む「西早稲田留学生寮」の留学生8人とRA(レジデント・アシスタント。寮に住みながら留学生のサポートをする学生リーダー)2人。半年から1年間滞日予定という交換留学生の中には、日本の田舎に行くのは初めてという学生も。行きの車内から、期待が高まります。

12:25 北越急行ほくほく線で、まつだい駅到着

JR東京駅から上越新幹線で越後湯沢駅下車、そこから2両しかない「ほくほく線」に揺られて約45分。トータル2時間ほどで、まつだい駅に到着です。駅舎併設の「道の駅 まつだいふるさと会館」内レストラン「常春」で昼食を済ませたら、バスに乗り込み松代観光に出発!

留学生たちをご案内いただいたのは、「有限会社松代早稲田協力会」代表取締役の木戸一之さん、そして十日町市松代支所長の樋口彰さんです。松代を隅々まで知り尽くすお二人と一緒にまず向かったのは…。

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有限会社松代早稲田協力会 代表取締役 木戸 一之(きど・かずゆき)さん(中央)

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十日町市松代支所長 樋口 彰(ひぐち・あきら)さん

13:45~14:15 「にほんの里100選」にも選ばれた「星峠の棚田」見学

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死ぬまでに日本に行くべき30の理由」という海外向け観光紹介Webページの筆頭にも紹介された、「星峠の棚田」です。NHK大河ドラマのオープニング映像に使われたこともある美しい田園は、松代を象徴する景色。階段状に水田が広がりますが、近くに川はありません。積雪量が4~5mにもなるこの地域では、雪解け水を池にためて稲作に利用するのです。「雪解け水は地中に染み込むことで豊富なミネラル分を含む湧水となり、朝夕の気温差により甘くもっちりとしたお米ができます」と樋口さん。雪と共に生活してきた人々の知恵が、日本の食文化を支えているんですね。

14:25~14:45 “奇跡の村”「竹所集落」でドイツ人建築デザイナーによる「よみがえる古民家」見学

続いて向かったのは、「奇跡の村」と呼ばれる竹所集落。「ドイツ人建築デザイナーカール・ベンクス氏が古民家再生を手掛けたことをきっかけに、新規移住者が増加した集落です。17年間産声が聞こえなかったという高齢化が進む山奥で、住民が増えるのはとても珍しいこと。2011年には16人だった人口が、2017年には32人に増え、今、集落には4人の子どもがいます」という樋口さんの説明に、留学生たちもびっくり。ハンガリー出身の学生が「故郷に似ているなぁ」とつぶやく場面も。

15:00~16:15 芸術祭の中心地「農舞台」で現代アートに触れる

次は「まつだい雪国農耕文化村センター『農舞台』」へ。ここは、3年に1度開催されている「越後妻有アートトリエンナーレ 大地の芸術祭」の拠点となっている場所です。建物内や周辺の至る所に配置されているアート作品を、スタッフの岡村一成(おかむら・かずなり)さんの案内を聞きながら見て回ります。

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木戸さんと奥様の幸子さん。幸子さんは松代出身

「地域おこしのためのアート祭りが全国的にブームになっていますが、日本で最初に始めたのはこの町です。宿場町として古くから人が行き来していた松代は、新しいモノや人を取り入れることに積極的。『大地の芸術祭』も地元が一丸となって取り組んだ結果、世界最大級の国際芸術祭となり、次回の2018年度で7回目を迎えます」。そう語る木戸さんも、松代振興のために尽力してきた一人。なんと、松代セミナーハウスは木戸さんの発案により作られたのです。

「1978年、廃校になった中学校を何かに使えないかと義兄に声を掛けられ、理工学部在学時に指導いただいた清水司第11代総長に、校外施設建設について提案したのがそもそもの発端です。以来、早大と松代の橋渡し役として、さまざまな企画を実施してきました。ゼミや体育各部・サークルの誘致のみならず、雪下ろしボランティアから発足したWAVOC(平山郁夫記念ボランティアセンター)公認グループ『まつだい早稲田じょんのびクラブ』を立ち上げたり、早大教授陣による住民向け公開講座『早稲田松代塾』を実施するなど、活発な交流を行っています。今ではこの地域にとって、早稲田はなくてはならないものになりました」。松代セミナーハウスは、大学と地域の約40年にもわたる絆の象徴でもあることが分かります(詳細はリンク先をご覧ください)。「農舞台」からバスで約15分。ついに到着です!

16:30 松代セミナーハウス到着

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セミナーハウスの前でワセダピース!

広~い敷地に建つ山小屋風の建物が、松代セミナーハウス。周囲には人家も少なく、4面のテニスコートや広大なグラウンドを気兼ねせず使えるため、ア式蹴球部女子部などの体育各部やスポーツ系サークルの合宿利用も多いとか。バーベキュー(料金別途一人1,620円)ができる屋根付きの屋外炊事場もあります。

1階は、広々した吹き抜けのサロン(談話室)や60名収容のゼミ室を兼ねた食堂があり、大人数の使用が可能です。宿泊料は、なんと一人2,160円! 朝食(648円)・夕食(1,080円)を合わせても1泊4,000円未満で楽しめるのが、セミナーハウスのいいところ。男女別浴室も完備していますが、車で15分ほどの場所にある、野山を一望できる露天風呂が有名なまつだい芝峠温泉「雲海」まで足を運ぶのもお勧めです(入浴料600円)。

16:45~17:45 芝峠温泉「雲海」で一日の汗を流してさっぱり

18:00~ 松代セミナーハウスで夕食

松代産のおいしい白米にキノコや山菜など山の幸がたっぷりの夕飯を食べた後には、十日町市松代支所の方々が交流会を開催してくださいました。樋口さんの英語スピーチから始まったこの会には地域おこし協力隊の方も来てくださり、地元の方と世界各国から来た留学生とで翻訳アプリなども駆使しながら話が弾み、松代の夜は更けていきました。

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松代の皆さん、ありがとうございました!

次のページでは、2日目のプランやセミナーハウスの利用方法をお届けします。

※記事内の価格は全て税込み。また、掲載情報は2017年6月現在のものです。

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