Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

自信、感謝、安堵 ― 障がい学生が感じる、早稲田大学の支援とは?

早稲田大学に「障がい学生支援室」が開室されて11年。身体に障がいのある学生が他の学生と同じ環境で学べるよう、約100名の学生が支援ボランティアとして活動しているほか、2014年には「発達障がい学生支援部門」も開設し、周囲に理解されづらい「発達障がい」の学生もサポートしています。

今回はそんな「障がい学生支援室」を利用している学生にスポットを当て、大学の支援を利用して感じていることなどを中心に話を聞きました。普段あまり障がいを抱える学生と接することのない学生も、この機会に障がいへの理解を少しでも深めてみませんか。

自信を持って勉学に臨める「程よい」サポート

商学部 4年
小野 克樹(おの・かつき)

私は生まれつき末梢(まっしょう)神経の働きが悪く、徐々に筋力が低下するという症状を抱えています。原因不明のため、病名は付いていません。中学生で電動車椅子を使い始めました。その後、脊椎側弯(そくわん)症が進行し、早稲田大学に入学したころ、呼吸器障害になりました。呼吸器障害のためか、筋力の低下が激しくなり、2年生の春学期から電動車椅子の操作も困難な状態です。3年生の春学期からは、授業中に人工呼吸器を使っています。

入学以来、障がい学生支援室を通じ、大学のさまざまなサポートを利用しています。具体的には、電動車椅子で移動しやすい教室の確保や、教科書やノートをデジタル化してiPadで見られるようにしてくださいます。また、トイレへの衣類着脱用簡易ベッド設置の他、パソコンに関わる福祉用具も探していただきました。

就職活動や学生生活に役立つイベント情報の提供も助かっています。支援学生には、電動車椅子の移動や試験の際の答案代筆などで助けられています。2年生のときにはテスト時期に入院せざるを得なくなったのですが、大学側にはレポート提出という代替案で柔軟に対応していただいたことも助かりました。他にも、教室で使いやすい席を譲ってくれたり、ドアを開けてくれたりする学生の日頃の心遣いもありがたいです。

公認サークル「SHOCKERS」のイベント見学後に友人と

友人関係では、私は早稲田大学高等学院出身なので、気心の知れた高校時代からの友人と大学生活を送ることができて幸せです。特に授業が重なることの多かった2年生までは、ランチを食べたり、テスト勉強をしたりと、一緒に過ごす時間が多かったです。

かつては過度な手助けによって心が傷ついてしまうこともありましたが、早稲田大学ではそのようなことは一切ありません。支援室には、私が自信を持って勉学に臨める環境を整えていただき、とても快適な学生生活を送れていることに感謝しています。程よいサポートにより不自由なく生活できる環境は素晴らしいものです。必要なときに支援学生が来てくれないといったことも、これまで一度もありません。

一つ望むのは、就活イベントや大学主催のワークショップなどにも通常授業と同じように支援学生の派遣ができるようにしていただけたら…ということです。早稲田大学の障がい学生支援はとても優れており、学内外へもっと情報発信し、社会に支援体制を浸透させていただきたいと心から願っています。

通訳支援の様子を見て、他の学生が話し掛けてくれることも

社会科学部 3年
加藤 昂彦(かとう・たかひこ)
学生生活課 厚生デスク窓口にて

学生生活課 厚生デスク窓口にて

私は生まれつき聴覚に障がいを持っています。感音性難聴という障がいで、音がノイズのようにしか聞こえず、何の音か識別できないのです。大学受験に際しては、障がい学生に対するしっかりとした支援システムのあることが私にとって重要なポイントで、早稲田大学を選んだのも、障がい学生支援室があったからです。

支援室を通じて利用しているサポートは、パソコン通訳、ノートテイク(筆記通訳)、手話通訳の三つで、授業内容により使い分けています。一般的な講義では支援学生2人に隣に座ってもらい、先生が話している内容をパソコン画面に文字で起こしてもらいます。ゼミなどディスカッションが必要な授業では手話通訳を、語学の授業ではノートテイクをお願いしています。

中学まではろう学校(現:聴覚特別支援学校)へ通っていましたが、高校は一般校へ通いました。学校からの特別な支援はなかったため、先生が話していることはその場では全く分からず、友人に借りたノートで独学しているような状態でしたから、早稲田大学の授業環境は高校時代とは比べものにならないほど良いと思います。大学の授業では、先生の発言に対して学生が笑っているときなど、教室内の雰囲気も支援学生がユーモアたっぷりに伝えてくれて、とても楽しく受講することができています。

公認サークル「手話さあくる」では幹事長を務める加藤さん

公認サークル「手話さあくる」では幹事長を務める

支援を利用して、うれしく感じることは他にもあります。手話を通じたコミュニケーションをきっかけに「もっと習いたい」と、私の所属する手話サークルに通い始めてくれる学生がいることです。通訳支援の様子を見ていた学生が話し掛けてくれたり筆談をしてくれたりしたことがきっかけで、一緒に遊びに行く友人もできました。

また、5月からはSJC学生スタッフとして学生生活課で週1回働いています。職員の方や他の学生スタッフが私とのコミュニケーション方法を工夫してくださっているのがありがたいです。私は窓口業務を担当しているのですが、聴覚障がいがあることを来訪者に伝える掲示物も作っていただきました。障がい学生が早稲田大学にいるということを広く知ってもらいたく、今後も頑張っていきたいです。

大学の支援にはとても感謝しています。ただ、少し残念に思うこともあります。英語の映像を視聴して要約を書く講義を履修したいと思い、映像に字幕を付けられないか確認したところ、イントネーションや間が重要なので字幕は付けられないという理由で受講できないことがありました。致し方ない面があるとしても、早稲田大学は多様性の重視を伝統としているはずです。障がい学生への理解や配慮をさらに充実してもらえたらと願っています。

支援室の発達障がいへの理解に救われています

 匿名

障がい学生への支援体制があることは入学前から知っていました。学生生活の不安を少しでも解消したくて、入学してすぐに障がい学生支援室を訪ね、発達障がい学生をサポートしてくれる支援室分室(発達障がい学生支援部門)を紹介していただきました。

だいたい2週間に1回、支援室分室を訪れ、1時間ほど面談をしていただいています。主に、学生や先生との対話の中で私が不可解に感じたことを報告し、そうしたときに私はどのように対応すればよかったかなどについて、アドバイスをいただいています。

授業で先生との間にトラブルが生じた際には、支援室が架け橋となって、先生との仲介をしてくれます。私は文字を書くか、声に出すかしないと自分の考えをまとめられない傾向があり、授業中に言葉を発して先生を困惑させてしまったことがあります。講義を聴きながらノートをとっていると、書くスピードが追いつかず、独り言が出てしまうんですね。支援室のアドバイスにより、現在は教室のなるべく後方に座ったり、予習をしたりすることで、こうしたトラブルはほとんどなくなりました。

また、私は学内にある「WADS&WING」という自助グループにも参加しています。学生相談室が支援する、発達障がいを抱える現役学生や卒業生の集まりです。個人的にいろいろ試してはみたのですが、教室で友人をつくるのは苦手で、サークルも「多人数の壁」に割り込むことができず、友人知人関係のほとんどは、このグループ内です。お昼の定例会や夜に行われる懇親会の他、外出時の人混みや騒音への対応などを学ぶ実地訓練も兼ねて、観光地へ出向く課外活動もあります。これまでに東京スカイツリータウンやサンシャイン水族館、横浜中華街などへ仲間と一緒に行く機会もでき、精神的に安堵(あんど)している感じです。

早稲田大学は障がい学生の立場に寄り添って柔軟に対応してくれていると感じており、非常にうれしく思っています。今回のインタビューに関しても、事前に伝え忘れてしまった希望を伝えようと、予約なしに突然支援室分室を訪ねたにもかかわらず、快く対応していただき、ありがたかったです。

支援室を利用してみて、私たち発達障がいを抱える学生の理解者が教職員の中にいてくれるということだけで、随分救われています。大学へ入って一番うれしかったことは、支援室のスタッフの方々とお話しできたことです。学生相談室へ行き、「WADS&WING」で友人をつくれたという学生生活構築のきっかけをくださったのは、支援室なのですから。

障がい学生支援室(早稲田キャンパス3号館1階)

身体に障がいのある学生が他の学生と同じ履修環境を得られるよう、サポート業務を行っています。現在は約100名の支援ボランティア学生が、授業でのパソコン通訳などの活動を行っています。支援が初めての人でも、事前の講座を受けることで支援方法を身に付けてすぐに活動できます。一人でも多くの学生に支援のご協力をお願いします。

また、「発達障がい学生支援部門」では、専門のコーディネーターが具体的な支援策を検討し、学内の関係箇所と連携をしてサポートを行っています。ご相談は支援室分室(早稲田キャンパス25号館1階)で受け付けています。

障がい学生支援室Webサイト

障がい学生支援室Facebook

【次回特集予告】7月3日(月)公開「夏休み旅行特集」

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/weekly/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる