Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

試験・恋愛・就活 … 日頃のストレスを和らげよう 人科・竹中晃二教授の「こころのABC活動」

ABC活動をすると湧いてくるポジティブな気持ち

テクノロジー依存、核家族化、過重労働などでストレスの多い現代社会。うつや不安が原因で、希望を持って就職したばかりの新社会人が休職する例は後を絶たず、また国内の自殺者数は年間約2万5,000人(内閣府自殺対策室)という高い水準となっています。大学生も試験・レポート、恋愛・友人関係、サークルや部活動、就職活動など、どれもストレスなしで乗り切ることは難しいものばかりです。メンタルヘルスに関わる事象が社会問題化している中で、日常生活における普通の活動を意識的に行うことによって「こころのメタボ」を小さくしていく、それが人間科学学術院・竹中晃二教授が取り組んでいる「こころのABC活動」です。日頃からストレスを抱えないように心掛けることで、メンタルヘルス関連の疾患や問題を予防します。「Act(行動)」、「Belong(所属)」、「Challenge(挑戦)」の頭文字を取ったこの活動について、実践編では早大生も取り組みやすい具体的な行動を紹介し、解説編では竹中教授が専門的にその仕組みを説明をします。

早大生のための「こころのABC活動」実践編

気分が落ち込んでくると、段階を経て3種類の活動が減少します。一つ目は、部屋の掃除、草花への水やり、買い物など「普段行っている決まり切った活動」を行わなくなります。次にドライブやスポーツ、音楽鑑賞や読書など、「楽しいと思っている活動」が減っていきます。最後は銀行や郵便局に行って、家賃や光熱費などの支払い手続きなど「必要とされる活動」を行わなくなります。放置しておくと、精神科医や臨床心理士など、専門家の手を借りる必要性が生じます。

そうなる前に取り組むのが「こころのABC活動」です。「こころのABC活動」は、「行動活性化療法」と「ポジティブ心理学」の考え方がベースとなっています。「行動活性化療法」は、うつ病の治療に効果があるとされ、何かを行ってやる気を出す、何かを行って気分がよくする、何かを行って心に褒美を与えるという方法が用いられます。学生の皆さんもメンタルヘルスを良い状態に保ちために「こころのABC活動」に取り組んで、まずはできることから初めてみましょう。

 

「こころのメタボ」とは?

【メ】面倒くさい
【タ】ため息をつく
【ボ】ボーッと足を引きずる
いわゆる、うつ状態(やる気が出ない、くよくよする、落ち込む、マイナス思考が多い)や不安(先のことが気になる、心配性である、嫌なことを避ける、他人の目が気になる)などの気分の落ち込みや症状のことです。

 

 

「こころのABC活動」とは?

朝、早起きするようになったらすがすがしい気分がした、友人・家族と一緒に食事をとったら、楽しくておいしかった…。「気分がよかった」「うれしかった」など、心理的な報酬を得やすい行動によってやる気を生み出すことで、「こころのメタボ」を小さくする活動です。明るく、ポジティブな気持ちが湧くと、ネガティブな気持ちでいる時間が少なくなっていきます。「Act(アクト)」、「Belong(ビロング)」、「Challenge(チャレンジ)」の3要素に分かれます。

「Act」

音楽や読書など趣味に興じたり、庭仕事や家事、スポーツなど体を動かすことや、友人や家族とのおしゃべりなどです。よい感情を抱くという報酬を得やすい行動です。

「Belong」

サークルや部活動、ボランティア活動、地域の活動など、正式な組織でなくともちょっとした集まりに加入することです。自分のアイデンティティを感じ、帰属感を持つことができ、周囲の方からサポートを得ることもできます。

「Challenge」

初めての楽器を習い始めたり、ボランティア活動に参加したり、友達の相談にのったり、自炊したり、動植物の世話をしたり。チャレンジの内容はさまざまです。無理のないチャレンジを行うことが大切です。

 

学生生活の中できる“早稲田式”「こころのABC活動」

「Act」
ラグビー早明戦 応援の様子

ラグビー早明戦 応援の様子

・授業の課題に積極的に取り組む。
・演劇博物館や會津八一記念博物館などの展示物を見に行く。
・野球の早慶戦、ラグビー早明戦など大学スポーツを観戦する。箱根駅伝をテレビで見て応援する。
・webマガジン『早稲田ウィークリー』を読んで情報収集する。参考になる人・活動が満載です。

「Belong」
早稲田大学には約550団体の公認サークルがあります

早稲田大学には約560団体の公認サークルがあります

・早稲田大学のサークルや部活動に参加する。
・所属学部のゼミに入って勉強する。
・平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)のボランティア活動に参加する。
・“オタク”活動など、同じ趣味を持つ学生同士で集まる。

「Challenge」
図書館で本を読むのもよいでしょう

図書館で本を読むのもよいでしょう

・サークルや部活動、ボランティア活動を頑張る。
・少しだけ高いレベルで授業準備をする。
・交通機関をなるべく使わずにキャンパスに通ってみる。
・1日30分でも図書館に行って本を読む。
・国際コミュニティセンター(ICC)のイベントに参加し、留学生と英語で話す。
・学内アルバイトなどの「スチューデントジョブ」に参加する。

【解説編】できることから始めてみる「こころのメタボ」退治
◆より実践的に取り組んでみたい方はこちらを活用してください

こころのABC活動実践ワークブック

監修:人間科学学術院 竹中 晃二教授

【略歴】たけなか・こうじ。1975年早稲田大学教育学部卒業。1990年Boston University 大学院博士課程修了。Ed.D.(Boston University)、博士(心理学)九州大学。関西学院大学助教授、岡山大学大学院修士課程助教授、早稲田大学人間科学部助教授を経て1997年4月より現職。著書に『行動変容〜健康行動の開始・継続を促すしかけづくり〜』(健康・体力づくり事業財団)、『日常生活・災害ストレスマネジメント教育―教師とカウンセラーのためのガイドブック』(サンライフ企画)など。

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