Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

総長に聞く 私たちの早稲田、これからの早稲田

基幹理工学部4年 小林 明弘(左) 文学部3年 佐々木 萌好(右)

2014年6月、総長決定選挙が行われ、鎌田薫総長が再任されました。2014年11月5日から2018年11月4日までが任期となる総長に、ワセクリ部がインタビューしてきました!

基幹理工学部4年 小林 明弘 (こばやし あきひろ)
文学部3年 佐々木 萌好 (ささき もえみ)
ワセクリ部とは?
『早稲田ウィークリー』の学生編集チームです。

第16代総長 鎌田 薫 (かまた かおる)
1948年静岡県生まれ。小・中学校時代を山口県で過ごす。1970年、早稲田大学法学部卒業。1972年、同大大学院法学研究科修士課程修了。1976年、同院法学研究科博士課程単位取得後退学。同大法学部教授、同大大学院法務研究科長などを経て2010年より現職。

「Waseda Vision 150」実り多き20年に向けて

小林 本日は貴重な機会をいただき光栄です。早速ですが、これまでの総長の仕事内容をお教えください。

総長 1期目は、2011年3月に東日本大震災が発生し、就任直後から多忙を極める中、「Waseda Vision 150」の策定に取り掛かりました。

佐々木 150周年を迎えるまでの20年の目標と道筋を示したものですね。

総長 そうですね。ただし、何も20年かけなくても実現できる内容がありますので、中長期計画の下、実際には5年単位で数々のミッションをクリアしていくことを重視しています。

小林 就任早々に大きなプロジェクトを手掛けられたのですね。

総長 2013年から運用をスタートし、現在はファーストステージです。総長としての2期目の任期が2018年までなので、最初の5年間が終わる時期と重なります。目に見える成果を残して、次のステージに進めたいですね。

佐々木 Waseda Vision 150の軸はどういったものですか。

総長 教育の質の飛躍的な向上が最優先課題です。例えば、教員1人当たりの担当授業数を減らし、一つの授業への注力度合いを高めていくといった策も有効でしょう。要は何をどう教育するかを突き詰めるということです。

佐々木 正直なところ、学生は授業の多さを負担に感じることもあります。

総長 幅広い教養を身に付けるために、選択肢を増やし、多種多様なクラスを設けていますが、学生が集中して臨める授業数に絞り込む教育のスリム化は、大いに検討の余地があります。

小林 授業内容が濃密になって、学生と教授が対話をしながらの双方向授業なら、学生の理解も深まりますね。

総長 現在、1クラスで50人を超える授業は20%を切っています。今後さらに少人数・双方向型の授業が増え、その中身も議論型・課題解決型のスタイルが中心になっていくでしょう。英語での授業や学外での実践型授業も活発に行われていくことになります。

小林 「Tutorial English」のような、実践的な英語を話す授業は、もっと増やしてほしいと思います。

総長 実践的外国語授業科目の設置は、全学での共通認識としていますが、具体的なコマ数などは各学部の意向を尊重しています。グローバルエデュケーションセンター設置の、学部を問わない科目もぜひ活用してください。

多くの発見を積み重ね広い視野を持つ人材に

佐々木 早稲田の強み、大学の役割についてお聞かせいただけますか。

総長 例えば、理工系での研究の場合、実用化に向けた技術、特許などの法律、技術革新が人間社会にもたらす倫理的な問題など、留意すべきポイントはいくつもありますが、そんなときに、学部の垣根を越え、各分野の専門家に接しながら横断的に研究を進められることが、総合大学の強みであり、研究大学としての使命でもあります。

佐々木 幅広く学びながら、学びの質を高められれば理想的ですね。

総長 学生時代にはいろいろなことに挑戦してほしいです。引き出しが多いほど、対応力は高まります。多くの人と関わり、その時々の新発見を大切にしながら学びを進め、「生き方」自体を模索していってほしいと思います。

小林 早稲田は留学生も多く、考え方の違いに驚いたり、尊敬できる一面に気付く場面もあります。出会いは大切だと日々肌で感じています。

総長 早稲田大学では「一生学べる大学」というテーマを掲げ、外国人や高齢者、地域の住民の方も巻き込んだ学びの機会を充実させる計画を進めています。学生にとっても刺激になりますし、さまざまな人とのつながりの中で、視野の広がりを実感できるはずです。これはグローバル人材として求められる国際感覚と近いでしょう。宗教や文化的背景の違いを踏まえ、課題を解決したり、新しい社会の仕組みを創造する力を磨いてほしいですね。

自由だから挑戦できる。 新たな自分に出会う場所

小林 早稲田大学は良い意味で「何でもアリ」。そこには自由があり、個性が尊重される大学だと思います。

総長 早稲田のイメージは、「逆境に強く、ひと味違う学生が集まる大学」でしょうか。型にはまることなく、知らなかった自分を見つけ、自らを育てられる大学だと思います。私自身、早稲田での学生時代に人生の原点があると思っています。ここで出会った友人たちは皆、個性的でわが道をゆく、面白い人間ばかりでした。波乱に満ちた時代でしたが、学生は自由に活動し、教員も大学を変革しようとする熱意に満ちあふれていたように思います。キャンパス内の立ち話で、教授と学生が議論をしていたり、学生有志による勉強会もあちらこちらで行われていた光景が印象深いですね。

小林 総長の後輩でもある学生に一番伝えたいことは何でしょうか。

総長 チャレンジする心を忘れず、ライバルを見つけてほしいと思います。ライバルであり、掛け替えのない仲間、一生付き合っていける朋友を見つけ、お互いに刺激し合い、高め合っていってほしいですね。

インタビューを振り返って…

インタビューを通じて、大学を運営する側の様子を垣間見ることができました。学生とは別の視点から大学のことを考える機会がなかったため、お話が新鮮でした。また、早稲田大学の良さとして受け継がれている「何でもアリ」な校風についても、総長の学生時代のお話と自らの経験を重ね、再確認することができました。  (小林 明弘)

「型にはまることなく、知らなかった自分を見つけ、自ら育てる大学」という総長のお言葉が印象的でした。私自身も、早稲田でさまざまな才能を持った同級生たちに出会うことで、今までの価値観が変えられ、基準が覆されたからです。学生の間にしかできないような取り組みにチャレンジしたい、と思いました。           (佐々木 萌好)

「Waseda Vision 150」とは?
2032年、創立150年を迎える早稲田大学がアジアのリーディングユニバーシティとして確固たる地位を築くため策定された中長期計画。

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日はほぼ毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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