毎年12月から3月に流行するインフルエンザ。飛沫感染して感染力も強いため、「インフルエンザにかからない、うつさない、悪化させない」ことが大切になります。そこで、インフルエンザにまつわる基礎知識をクイズ形式でご紹介します。クイズの答えを探りながら、正しい予防対策を身に付けましょう。(クイズの答えはこの記事の最後をご覧ください。)
監修・本文: 早稲田大学保健センター
産業医 戸澤 里美 (とざわ さとみ)
Q 1 日本では、毎年どのくらいの割合の人がインフルエンザにかかっている?
・10人に1人
・100人に1人
Q 2 インフルエンザ症状の特徴は?
・局所症状
・全身症状
Q 3 感染してから発症するまでの期間は?
・急激
・ゆっくり
Q 4. インフルエンザワクチンの有効期間は?
・2カ月
・5カ月
Q 5 感染拡大を防ぐために大切なのは、「何エチケット」?
・熱エチケット
・咳エチケット
Q 6 インフルエンザ「迅速診断検査キット」の判定に必要な時間は?
・15分程度
・1時間程度
Q 7 インフルエンザと診断されたら大学へ報告すべき?
・報告する
・報告しなくてもよい
Q 8 発症から何時間以内に薬を服用するのが望ましい?
・48時間
・72時間
Q 9 インフルエンザにかかり自宅で療養中。室内湿度はどのくらいに調整するといい?
・湿度20 ~30%
・湿度50 ~60%
Q 1 0 インフルエンザによる出席停止期間は、解熱後何日?
・1日
・2日
インフルエンザとは?
日本ではインフルエンザの流行は、例年冬場に起こります。12月下旬ごろ始まり、翌年の1 ~3月にピークを迎えます。流行の規模はその年により異なりますが、毎年約1,000万人、およそ10人に1人がインフルエンザを発病するといわれています。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。普通のかぜよりも急激に発症し、症状が重いのが特徴で、38℃以上の高熱や関節痛・筋肉痛・頭痛などの全身症状が現れます。
インフルエンザを予防するには?
インフルエンザは咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込んだり(飛沫感染)、ウイルスが付着した手で口や鼻に触れること(接触感染)によって感染します。感染を防ぐためには、手洗い・うがいの励行、マスクの着用、室内の加湿・換気などが有効です。また、規則正しい生活やバランスの取れた食生活、十分な睡眠を心掛けることで免疫力を高めることも大切になります。
流行前にインフルエンザワクチンを接種することで、あらかじめ体内に抗体がつくられ、侵入してきたウイルスの増殖を防ぐことができます。発症した場合の重症化防止にも効果があります。ワクチンによる予防効果は、接種した2週間後から5カ月程度までと考えられています。
正しい手洗い、咳エチケット
・手洗いはせっけんをつけて洗った後、流水でしっかりすすぐ。
手洗いは、個人衛生の基本です。外から帰ったとき、咳やく しゃみを手で覆ったときなど、こまめに洗いましょう。せっけんやハンドソープを使って、手の平から手の甲、指の間や爪の 間、手首までしっかりと。洗った後は、きれいなタオルなどで十分に拭き取ります。
・常に清潔なマスクを。通学後、帰宅後などすぐに外して捨てる。
咳、くしゃみなどの症状があるときは必ずマスクをしましょう。マスクをしていないときに咳やくしゃみが出そうになったら、周囲の人から顔をそらし、ハンカチやテッシュなどで口と鼻を覆います。周りの人にうつさないよう、「咳エチケット」を守りましょう。
インフルエンザにかかったら?
インフルエンザは発症初期(発症から2日以内)であれば、治療により有症状期間を短くできます。インフルエンザを疑わせる症状 を自覚した場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
医療機関では、問診や診察に加えて、「迅速診断検査キット」を使った検査で、イン フルエンザウイルスの有無や、ウイルスの型を調べ、15分程度で診断することができます。治療は、抗インフルエンザウイルス薬(ノイラミ ニダーゼ阻害薬)が中心となります。この薬には、体の中で増殖したインフルエンザウイルスが他の細胞へ広がるのを抑え、重症化を防ぐ効果 があると考えられています。ただし、発症から48時間を過ぎると体内のインフルエンザウイルスが増えすぎて、薬の十分な効果が期 待できなくなります。症状が強い場合は、早めに受診することが大切です。
インフルエンザと診断されたら、保健センター保健管理室また は所属学部・研究科などの事務所に報告してください。
<インフルエンザの症状>
急な発熱 (他の症状よりも先に)
頭痛がする
咳や鼻みずの症状が次第に強くなる
38度以上の発熱と悪寒
寝込んでしまうほ どつらい
倦怠感や疲労感がある
関節や筋肉が痛い
インフルエンザを治すには?
医療機関でインフルエンザと診断され、自宅療養する場合は、まず睡眠を十分に取るなど安静にし、医師の指示を守って薬を正しく服用しましょう。消化がよく身体を温める食べものや、抵抗力を高めるビタミン類や良質なタンパク質を多く含む栄養のある食事、十分な水分補給を心掛けてください。
また、感染を広げないことも重要です。インフルエンザウイルスは低温乾燥を好みます。喉や鼻の粘膜の防御機能は乾燥により低下するため、加湿器などを使って室内を適切な湿度(50~60%)に保つことが、感染拡大を防ぐためにも効果的です。
治療中は、無理して学校などに行かないようにしましょう。学校保健安全法では、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで」をインフルエンザによる出席停止期間としています(ただし、病状により学校医、その他の医師が感染の恐れがないと認めたときは、この限りではありません)。治癒後は、所属学部・研究科などの事務所に「0学校における感染症治癒証明書」0を提出してください。
インフルエンザ養生3原則
安静 栄養 補水
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保健センター診療室 早稲田キャンパス25-2号館 3階
月~金9:30 ~11:40 /13:30 ~15:40 /16:30 ~18:40
土 9:30 ~11:40
(クイズの答え)
Q1:10人に1人 Q2:全身症状 Q3:急激 Q4:5 カ月 Q5:咳エチケット Q6:15分程度 Q7:報告する Q8:48時間 Q9:湿度50 ~60% Q10:2日