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トライ&エラーの先に 自分のやりたいことが見えてくる -コンテクストデザイナー 高木 新平

「子どものころは、勉強は大の苦手。なのに、夢は総理大臣でした(笑)」。
23歳で大手広告代理店から独立し、企業や個人の思想を形にする「コンテクスト(文脈)デザイナー」として活躍する高木新平さん。勉強が不得手な少年はいかにして今の仕事へ至ったか。転機は、早稲田大学でのサークル活動にあった。

常識の反対側からの発想でものづくりに挑戦した学生時代

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1987年生まれ。2010年早稲田大学社会科学部卒業後、(株)博報堂入社。1年余りで退社し独立。シェアハウス「トーキョーよるヒルズ」、「リバ邸」、ネット選挙解禁に貢献した市民運動「One Voice Campaign」、2014年東京都知事選挙キャンペーンなど、多彩に活躍。2015年4月、(株)ニューピースを立ち上げ、代表に就任。

大学入学当初は熱中できるものがなく、無為な日々を過ごしていたという高木さん。そんな生活が、公認サークル「繊維研究会」との出会いで一変する。

「繊維研究会は、歴史、文化人類学、デザインなど、さまざまな視点から議論を重ねて、本気で服作りに挑戦するサークルです。仲間とファッションについて語り合う毎日は楽しかったですね。特に、年に1度のファッションショーでの経験は、今につながる財産になっています」。

通常とは真逆のプロセスでショーを構築する…そんな狙いから、まず服を着るモデルを一般市民から見つけて徹底的に生活を観察し、その人のライフスタイルに合わせて服を作り、できたものから服やデザインのあり方を見直すというコンセプトを定めた。

「着る人と一緒に暮らして服の役割を見つけていくなんて、時間のある学生だからできたこと。でもすでに決まった型から入らず、新たな発想を大切にしたおかげで、ゼロからコンセプトを描き、形にするという脳の筋肉が鍛えられました」。

大学卒業後、(株)博報堂を経て独立してからも、常に新しいフィールドを開拓し、枠にとらわれない発想で、企画し続けている。

「広告代理店の仕事はスケールもあり、楽しかったのですが、型ができあがった大きな組織の限界も感じました。面白いと感じた流れには、すぐジョインしたい。2014年東京都知事選での家入一真氏のブレーンなどは、その勢いがあったからこそできたことだと思います」。

スピーチライターとして、いつか内閣や日本のPRを

20151109_先輩に乾杯_サブカット企業ブランディングなど、本質的なクリエイティブが必要とされる中で高木さんが気を付けているのが、博報堂で教わった「アイデアと側」という考え方だ。「『側』とは、外側の側。企画を作るときに、誰に依頼するとか、話題の“あれ”のようなやり方にしようとか、型がある手段にとらわれがちです。これは『側』で、アイデアではありません。アイデアとは、思想を形にするために新しいモノの見方をすること。それがハッとするものであれば、多くの人を巻き込み、価値観を変えるような熱を生み出せるのです」。

–自由な発想で、国や地方自治体などの公共プロジェクトも推進する高木さん。今の立場から早大生に伝えたいことは?

「失敗という単位をいっぱい取ること(笑)。社会人の固まった脳みそでは出てこないような常識外れな挑戦を、失敗を喜んで、もっとやってみてほしい。それは確実に自分の糧になります。一度仕事を始めてしまうと、なかなか失敗はできません。実は世の中には『若ければ若いほど失敗は許される』という法則があるんです(笑)。『やりたいことがない』という人もいますが、テーマは『あ、これ好きだな』くらいのことでもいい。初めからやりたいことがある人の方が少なくて、人から必要とされたり、誰かを喜ばせるためにいろいろ取り組んでいくうちに、自分ならではの得意技だってできてくる。その先に、やりたいことと必要とされることが重なってくると思います」。

–では、高木さんが今後やりたいことは。

「総理大臣のスピーチ原稿を書きたい。総理大臣になるという夢はかなわなかったけれど(笑)、ビジョンをイメージにして、広く形にしていくことはできる。いつかスピーチライターとして、ワクワクする日本の姿を世界に向けて発信する。10年以内に頑張ります」。

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日は毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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