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【人間的力量PJ】現地のニーズに沿う支援のあり方を考え続けた先に商社の仕事を選択

卒業生インタビュー

株式会社メタルワン 伊藤 結衣子(2014年 政治経済学部卒)

フェアトレード品の生産者を訪ねラオスへ

父の仕事の関係でアメリカの高校で1年間学び、様々な人種のクラスメートの存在や、不法移民をテーマに扱った授業を通して、先進国以外の国々に漠然と興味を持つようになりました。早稲田に入学後、学内のフェアトレード推進団体に参加したのはその経験が影響しています。団体ではフェアトレードの概念を広めることを目的に、フェアトレード商品によるファッションイベントを開くなど普及活動に取り組みました。生産者を実際に訪ねて現状を学ぶ機会もあり、2年次にラオスのコーヒー生産農家を訪問した経験は大きな転機になりました。それまでは開発途上国を「先進国から支援を受ける側」と思い込んでいましたが、そうした一方的な関係性ではなく、現地の状況やニーズを理解した上での国際協力が必要なのだと学びました。

途上国の発展に寄与できる道を模索

ラオス訪問を機にもっと世界を見たくなり、以降は海外を一人旅して回りました。その中で次第に、ビジネスを通して途上国のニーズに合った支援ができる仕事をしたいという目標が定まりました。最終的に選んだのが、“産業のコメ”と呼ばれるほど経済基盤に深く関わる鉄鋼製品の専門商社です。商社は、フェアトレードの「中間業者を挟まない」という考え方とは対極にあると言えます。フェアトレードを学んだからこそ、その意義とともに、支援対象が限定されているという課題にも気付きました。相手国の発展に長期的に寄与できる方法を考えて行きついたのが、豊富な情報と物流を駆使し幅広く事業展開する商社でした。

大学での4年間、興味を持ったことには何でもトライし、多くの人と出会って学ぶ中で、自分の価値観が形成されて今につながった実感があります。自分から動き、積極的に人と話すことを、社会人として変わらず貫いていきたいと思っています。

【Encounters at WASEDA】バングラデシュの同世代の若者が母国の未来を真剣に語る姿に感銘

大学生活の後半は、時間があれば常に海外を旅していたほどで、訪れた国はアジアを中心に20カ国近くに上ります。旅先では陸路の移動を好み、鉄道や乗り合いバス、牛車などを利用する中でたくさんの人と言葉を交わしました。特に思い出深いのは、バングラデシュを鉄道で移動中に、現地で会社を立ち上げたばかりという若者と出会ったことです。自分とそれほど年齢の変わらない人が母国の将来を真剣に考え、社会課題が多くある中でも国の発展のために力を尽くしたいと語る姿に感銘を受けました。その実行には、他国からの情報面や資金面での援助が必要だという言葉が耳に残り、今の仕事を選ぶ一つのきっかけになりました。

  • 韓国の学生と交流し本音で語り合う

政治学科で冷戦史を研究。ゼミ活動で韓国の大学を訪ね、現地の学生と日韓関係を議論したことも心に残っています。

  • 途上国=不幸せの先入観を自省

ラオスで南部の村々を巡り自給自足の暮らしに触れる中で、GDPでは測りきれない豊かさがあると気付きました。

  • JICA事務所でインターンを経験

3年次に早稲田のプログラムを利用しJICA のラオス事務所で就労体験。公的支援の現場で学ぶ機会を得ました。

【Current Job】埋もれたニーズを見つけ出し売り手と買い手をつなぐ役割

最初に配属された部署では、鉄鋼製品の輸出業務に携わりました。バングラデシュやインドなど学生時代に旅した国々を、ビジネスをつくる立場で再訪できたことに感慨を覚えました。国によっては働く女性がまだ珍しく、最初はなかなか話を聞 いてもらえないこともありましたが、諦めず時間をかけて関係性を築き、取引先を広げていきました。

商社の仕事は、商材を売る側、買う側、双方の埋もれているニーズを探り、自社が有する情報や物流のコネクションを通じて両者をつなぐ役割があります。自分の働きによって新たなビジネスが生まれる実感があり、やりがいを感じます。橋渡し役を担うには自身が幅広く情報を得ることが欠かせず、対話力や行動力の大切さを実感しています。

※当記事は「みらい設計ガイドブック2021」からの転載です。

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日は毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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