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採用の負担&人手不足を解消! 早大生起業家が切り開く生成AIの可能性

「生成AIで労働力を補って、日本の企業をこれからも盛り上げたい」

商学部 4年 髙澤 皆生(たかざわ・かいせい)

早稲田キャンパス 11号館にて

コロナ・パンデミックでの経験を経て、高校生の頃から起業家を志し、現在は「株式会社Michibiku Group」で代表取締役CEOを務める髙澤皆生さん。生成AIを活用し、企業の採用活動を支援するサービスを提供しています。大学2年生の時には、早大生の仲間と共に早稲田AI研究会を立ち上げた髙澤さんに、起業に至るまでの経緯や印象に残っている大学の講義、そして今後の展望を聞きました。

――株式会社Michibiku Groupはどのような事業を展開していますか?

採用活動において企業側を支援するスカウト採用AIツール「マッハスカウト」を提供しています。具体的には、マイナビやビズリーチといった採用媒体に登録している新卒や転職希望の人たちに企業がスカウトする際に、企業の代わりに生成AIがスカウトメールを送るサービスです。採用媒体に登録されている対象者のプロフィールに合わせてカスタマイズした文面を作成して送ります。

スカウト採用 AIツール「マッハスカウト」の事業紹介

――起業のきっかけは何ですか?

高校生までバドミントンに力を入れていたのですが、高校 1年生の時にコロナ・パンデミックがあって、何もする事がなくなってしまったんです。そこで、改めて将来何がしたいのかを考えた時、社会に良い影響を与える活動をしたいという思いが芽生え、いつか起業しようと決めました。早稲田大学商学部への進学を選んだのも、起業家の校友が多いのが理由です。

在学中に起業するために、大学1年生の秋頃に大手企業からスタートアップ企業まで計3社のインターンに行きました。インターンに行く前に、有名な起業家の話を聞いたり、学生で起業している人の本を読んだりして、営業とシステムの開発を学ぶことが起業するのに必要だと感じていたので、この二つを重点的に学べるインターンを選び、参加しました。

――なぜ、スカウト採用AIツールに注目しましたか?

インターン先の業務で、スカウト採用に携わったことがきっかけです。スカウト採用は相手に合った文章を作成して送るという作業が主ですが、業務を行っていくうちに文章作成の作業と生成AIとの相性が良いのではと思い、注目しました。ちょうど生成AIの進化が話題になっていた時期でもあったので、今までの技術を使えばできそうだと思ったんです。また、早稲田AI研究会で活動する中で、企業の人事担当の方と話す機会が多くて。その時に、採用担当者の負担がとても大きいことを知り、ニーズがありそうだと感じたのも理由の一つです。

2024年5月、東京ビッグサイトで開催された総務・人事・経理Weekでは、マッチングからスカウトメール作成までを一貫してサポートするサービス「Recnal」についてのブースを出展した。左から四番目が髙澤さん

早稲田AI研究会は、大学に入ってから実際に何か行動を起こしたいと思っていたのと、生成AIに関心がある学生と交流できれば、起業する際に何かしら生かせるのではないかと考えたのが、立ち上げたきっかけです。活動はサークル内に限らず、外部の企業とも共催していて、「生成AIとは何か」について学ぶ講義や、生成 AIを活用して何ができるのかを考えるワークショップに取り組んでいます。

写真左:2023年9月、早稲田AI研究会で開催したハッカソン(※)の様子
写真右:ハッカソン終了後の様子。最前列の中央が髙澤さん

※ 特定のテーマに対して、ソフトウェア開発の関係者がチームを組み、プログラムの開発やサービスの考案の成果を競う催し

――起業を通してどんな成長や苦労がありましたか?

社会人経験がないまま起業したので、学生にとっては経験のないことを全てスピード感を持ってこなしていかなければならない状況でした。そのため、新しいことに対してためらわずに挑戦する力や、他企業に出資してもらうこともあるので、自分より年上の方たちに対しても臆せずに関わっていくコミュニケーション力が身に付きました。あと、当たり前ではありますが、約束や期限を守るということも大事にしています。

一方、一人で仕事を抱え込んでしまう癖があるので、どうすればうまく他の人に業務分担できるかが今の課題です。また、起業して半年くらいに資金繰りがうまくいかず、倒産の危機にひんしたことがありました。その時は、危機を脱するために出資してもらっている企業に頭を下げるなどかなり苦労をしましたね。でもその経験を経て、今は右肩上がりに成長しているので、あの時頑張って良かったなと思います。

写真左:新宿区にある株式会社Michibiku Groupのオフィスの様子
写真右:会社の社員と。現在は22名の社員がいる。左列一番奥が髙澤さん

――起業するにあたって、役に立った大学の講義はありますか?

鈴木智先生(商学学術院教授)の「基礎会計学」と、朝日透先生(理工学術院教授)の「起業特論AB」、そして「起業家養成講座」はとても役に立ちました。「基礎会計学」では、上場している企業の実際の決算資料を通して、「会計とは何か」という基礎的なところから、会計の本質的な部分と「既存の概念を疑え」という考えを学びました。起業したいと考えていた自分にとって、まさに求めていた内容でしたね。

また、「起業特論A・B」と「起業家養成講座」では、著名な起業家やビジネスパーソンによる講義を通じて、スタートアップやベンチャー企業に関する多様な知見を得ることができました。同時に、起業を志す学生やすでに起業している同世代の仲間たちとも出会い、互いに刺激を受けながら学べる環境がありましたね。講義を通して、ベンチャーマインドあふれる人々と交流することで、起業に向けた多くのアドバイスを得られたのも良かったです。

――最後に、今後の展望について教えてください。

もっと会社を成長させたいです! スカウト採用AIを全業界へ進出させるのはもちろん、採用で困っている企業をさらに支援していきたいです。

また、新たな取り組みとして「AI社員」という事業を進めています。「AI社員」とは、経理・人事・営業・法務・広報などの業務をリモートで24時間365日働いてくれる社員。日本の中小企業は後継者不足や人手不足で黒字倒産している企業が多いので、このような企業に「AI社員」を導入して労働力を補うことで、日本の企業をこれからも盛り上げていきたいです。

2026年4月に開催された「DX EXPO 名古屋」に出展し、「AI社員」について宣伝したブース。この様子は愛知県のニュースでも取り上げられたそう

第928回

取材・文・撮影:早稲田ウィークリーレポーター
人間科学部 4年 西村 凜花

【プロフィール】

会社のメンバーで打ち上げをした際の一枚。中央が髙澤さん

千葉県出身。明治大学付属中野高等学校卒業。趣味はサウナと、会社のメンバーとご飯に行くこと。村上春樹の本は全て読んでいるそうで、初期の作品がお気に入りだとか。

髙澤さんのX:@kaisei_takazawa
株式会社Michibiku Group公式Webサイト:https://www.wantedly.com/companies/company_2047685

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日は毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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