受賞業績:革新的循環型非臨床試験系によるクラスIV治療機器開発の研究
理工学術院 岩﨑 清隆教授
受賞コメント
令和3年度の文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を頂き、大変光栄に存じます。支えて下さった全ての方に心より御礼申し上げます。平均寿命の世界的な延伸に伴い、救命、Quality of Lifeを劇的に改善する治療機器へのニーズは益々拡大します。不具合が生じた場合に生命の危険に直結する恐れのある植え込み型クラスIV治療機器は、病変・病態のない動物試験や限定患者数で臨床試験では有効性とリスクの評価に限界があり、研究開発の隘路があります。先駆的治療機器の研究開発を実用化へと結実させるために、この限界を克服するヒトの病変・病態の特徴を模した先進的“非臨床”試験機器と、リスクと有効性の評価法を医工・産学協働で開発してきました。基礎研究-承認-製造販売の全ライフサイクルで活用する循環型非臨床試験系という新概念を提示し、医療界、産業界、行政に貢献した点が評価されたもので、産官学の方に心より感謝申し上げ、一層精進してまいります。