GLOBAL JAPANESE STUDIES
国際日本学拠点

真にグローバルな視野から日本文化を捉え直す

真にグローバルな視野から日本文化を捉え直すという理念の実現を目指し、日本文学を起点とし演劇・映像・メディア・歴史学など、広角的な日本文化の研究と教育を推進しています。本学の成果を世界へ発信するとともに、海外における最高水準の日本学の手法を取り込むべく、これまで角田柳作記念国際日本学研究所の開設や海外有力大学からの教員招聘を行いました。今後も構築したネットワークを生かして優秀な研究者を育成し、国内外の日本学研究者の裾野を広げていきます。

ACCOMPLISH­MENTS
5つの主な成果

1 QS分野別ランキング 現代語学分野にて22位にランクイン

本拠点では「10年で18分野を世界大学ランキング100位以内」「10年で10万人のグローバルリーダー輩出」の目標達成に向け、現代語学、史学、英文学、舞台芸術学、言語学、メディア研究を拠点関連分野とし、国際シンポジウムやワークショップの開催や海外有力大学から日本学の第一人者であるマイケル・エメリック教授(カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA))、嶋崎聡子准教授(UCLA)、デイヴィッド・ルーリー准教授(コロンビア大学)をジョイントアポイントメント(JA)教員として、ハルオ・シラネ教授(コロンビア大学)、鈴木登美教授(コロンビア大学)、多和田葉子氏(作家)、セイジ・リピット教授(UCLA)、インドラ・リービ准教授(スタンフォード大学)、クリスティーナ・ラフィン准教授(ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC))、クリスティーナ・イ准教授(UBC)を訪問教員として招聘する等の取り組みを行ってきました。それらが功を奏し、QS分野別ランキングにおいて、現代語学では2018年度に22位まで上昇し、本拠点における同ランキングの最高位へランクインを果たしました。また、各分野では国際文学館演劇博物館などの学内機関や、柳井イニシアティブグローバル・ジャパン・ヒューマニティーズ・プロジェクトとの連携も推進し、レピュテーション向上に寄与しました。

2 UCLA-Wasedaリサーチ・フェローシップ・プログラムの実施

国際日本学拠点とUCLAのAsian Languages & Cultures(ALC)学科は両校の連携基盤を構築するために様々な取り組みを行いました。特にJA教員のマイケル・エメリック教授が共同ディレクターを務める柳井イニシアティブグローバル・ジャパン・ヒューマニティーズ・プロジェクトとの連携を通じて、日本学を学ぶ両校の大学院生に研究交流の機会を提供した「UCLA-Wasedaリサーチ・フェローシップ・プログラム」では、2015年から博士後期課程に在籍する正規生の相互派遣を行っています。本プログラムは派遣期間を3か月以上とし、これまでの実績として15名を本学から派遣、14名をUCLAから受け入れました。参加した学生からは、帰国後も本プログラムで構築したUCLA学生とのネットワークを活用して、共同の研究活動へ繋げることができた、等の声が寄せられました。

3 コロンビア大学、スタンフォード大学との協定に基づく連携

コロンビア大学のハルオ・シラネ教授、鈴木登美教授にご尽力いただき、コロンビア大学とダブルディグリープログラムを実施してい ます。本プログラムでは文学研究科博士後期課程(正規生)在籍中にコロンビア大学に留学し、所定の要件を満たした場合に本学の学位とは別に、コロンビア大学東アジア言語文化学科の「修士学位」を取得することができる一方、コロンビア大学に在籍する大学院生は本学文学研究科に留学し、「修士学位」を取得できる相互プログラムとなっています。現在まで本学からは4名、コロンビア大学からは9名が本プログラムを修了しました。
スタンフォード大学とは2020年3月~2023年3月、2023年4月~2026年3月を有効期間とした箇所間協定を締結しました。2023年度には本協定に基づいた教員の派遣や両校共催のワークショップを開催し交流の実績を積み上げました。また、箇所間協定の締結にご尽力いただいた同大学のインドラ・リービ准教授には2022年度、2023年度に本学の訪問准教授として、両校間でのイベントやワークショップを開催し、多くの学生やキャリア初期研究者との活発な交流を行っていただきました。

4 英語学位プログラムの開設

日本文化を世界的な視野のもとに学び、かつその成果を広く世界に向けて発信できる人材の育成を目指し、2017年度に英語学位プログラムとして文化構想学部に「国際日本文化論プログラム(JCulP)」を開設しました。続いて2018年度には「国際日本学コース(Global-J)」博士後期課程、2021年度には修士課程を開設したことで、学部から博士まで一貫して国際日本学を学ぶことができる教育環境が整いました。2021年の3月および9月にはJCulPの第一期生が卒業し大学院進学、就職など各々多彩な進路に進み、順調な滑り出しを見せています。

5 ブリティッシュ・コロンビア大学との動画コンテンツ制作

UBCのクリスティーナ・ラフィン准教授と本学の河野貴美子教授が両大学間の共同ビデオプロジェクトとして、日本古典文学に関する動画コンテンツ「旅する古典シリーズ」を制作しました。2020年~2023年の3年間に合計13本もの動画が制作され、UBCと文学学術院のYouTubeチャンネルおよび国際日本学のウェブサイトで公開されています。源氏物語や万葉集など、日本文学・文化に関心をもつあらゆる層へアプローチする魅力的な動画コンテンツとなっています。また、1本あたり10~15分の短い動画のため、気軽に視聴できることも特徴のひとつです。

GLOBAL RELATIONSHIPS
交流海外機関

OUR LAST SYMPOSIUM
最終成果報告

事業最終年度となる2023年度に最終成果を発表するシンポジウムを開催いたしました。その内容をレポート形式でご紹介します。

MOVING FORWARD
今後の展望

世界で活躍する学生の育成

グローバルな視野をもつ学生の育成を目的とし、日本学における世界トップレベルの教員3名、マイケル・エメリック教授(UCLA)、嶋崎 聡子准教授(UCLA)、ディヴィッド・ルーリー准教授(コロンビア大学)を引き続きジョイント・アポイントメント(JA)教員として招聘し、国際日本学コース博士後期課程の学生へ指導を行っていただきます。また、北米や中国等の有力大学と協力関係を強め、より多くの学生に海外派遣の機会を提供します。

国際的な研究活動の促進

角田柳作記念国際日本学研究所を研究活動の拠点とし、学内外機関との連携を図りながら国際的・学際的な研究活動を推進します。また、科研費等を効果的に活用することで、北米、中国、欧州などの有力大学との国際シンポジウムやワークショップの活発な開催を通して、最新の研究成果を還元するとともに学生に国際的なイベントでの発表機会を提供するよう努めます。