「探究の時間でやってみよう!高校生へのアントレプレナーシップ教育」
今年も、早稲田大学アントレプレナーシップセンターが主催し「高校教職員のためのアントレプレナーシップ教育研修」を開催します。アントレプレナーシップセンターでは、これまで複数回にわたり高校の先生方を対象としたアントレプレナーシップ教育のイベント、ワークショップ等を開催してきました。過去にご参加いただいた先生方からは「会社で働いたこともないのに、会社を作る、ビジネスアイデアを作ることを生徒に教えるなんて…」という困惑、悲鳴のようなお声をいただくこともありました。
アントレプレナーシップ教育の実施が強く求められるようになっている中、本イベントを通じて、探究学習、アントレプレナーシップ教育の本質をあらためて知り、考え、先生方が「これはやらなくては!やってみたい!できるかも?」と思っていただける機会を提供したいと考えています。
第1部は、早稲田大学高等学院 前学院長で、早稲田大学教職大学院の科目「総合的な学習・探究論」の担当教授でもあった、武沢 護 先生から、『探究学習」に落とし穴はないか―AI・ロボット社会に向けての教育と人材育成—』と題してご講演いただきます。
そして第2部ではアントレプレナーシップ教育に積極的に取り組み、推進してこられた、東京電機大学中学校・高等学校教諭で、一般社団法人アントレ教員ラボの代表理事でもある池田 巧 先生に企画を依頼。アントレプレナーシップ教育の実践編として、ソニーマーケティング株式会社 MESH事業室 室長/(一社) Arc & Beyond 業務執行理事 萩原丈博さんを講師に迎え、「作って学んで創りあげる」をテーマに「アイデア創出から社会実装」への導入についてレクチャーしていただき、ご参加の先生方に実践していただきます。
池田先生は、これまで本学が開催してきた、さまざまな高校教員向けワークショップにも参加いただき、アントレ教育の実践と研さんを積み重ねてこられました。また、一般社団法人アントレ教員ラボの設立を通じ、アントレ教育の普及にもご尽力されています。本ワークショップでは、企画から関わっていただき、どの先生でも無理なくアントレ教育を理解し、実践できるようなプログラムを考案していただきました。
- アントレプレナーシップ教育を始めてみたが、アイデア発表会で終わってしまう
- アイデア発表で終わらせずカタチに仕上げたいが、実践しやすい方法が分からない
- 周囲にアントレ教育について気軽に相談できる教員や仲間がいない
このようなお悩みを抱えた先生方、是非ご参加をご検討ください。お申込みをお待ちしております。
池田先生からのメッセージ
先生は、生徒たちに、どんな未来を創ってほしいですか?
「正解」を早く、正確に探し出す力。 それも大切ですが、彼らが生きる未来は、誰も正解を知らない世界の真っただ中です。
生徒の中に眠る「自分なら、どうする?」「こうだったら、いいのに」という衝動に、火を灯す。
それこそが、アントレプレナーシップ教育の本質です。
先生自身がまず「やってみる」。
その熱量が、生徒の「やってみたい」を解き放つ、最初の鍵になります。
ぜひご参加ください
開催概要
【日 時】2025年12月26日(金) 13:00〜17:30
【会 場】早稲田大学 121号館コマツホール 定員約40名(事前申込制)
【参加費】無料
【主 催】早稲田大学アントレプレナーシップセンター
【共 催】(一社)アントレ教員ラボ
【対 象】高校教員(アントレプレナーシップ教育・探究・総合・進路・キャリア教育担当など)等
【プログラム】
12:30 開場
13:00 開会・開会ごあいさつ
13:05 第1部 <講演>『探究学習」に落とし穴はないか―AI・ロボット社会に向けての教育と人材育成—』早稲田大学高等学院 前学院長 武沢 護
13:45 第2部 <ワークショップ> 経緯・趣旨説明 東京電機大学中学校・高等学校教諭、一般社団法人アントレ教員ラボ代表理事 池田 巧
— 5分休憩 —
14:00 〇『アイデアだけで終わらせない!MESHで作って学んで創りあげる、高校生向けアントレ教育体験ワークショップ』アイデア創出-実装 MESH開発者 萩原丈博
16:10 〇グループ発表、相互レビュー
16:30 〇生成AI時代の探究・アントレ教育のあり方 意見交換
17:00 〇閉会・集合写真 閉会後 ネットワーキング(30分程度、参加任意)
※スケジュールおよび内容は変更する場合があります。
第1部 講演『探究学習」に落とし穴はないか―AI・ロボット社会に向けての教育と人材育成—』
AI・ロボット社会の到来を迎え、わが国の学校教育も必然的に変化を余儀なくされています。そのために従来の学校制度、カリキュラムを見直す必要性が出てきました。そして学習スタイルの変革も不可欠です。そこで注目されるのが「探究学習」という学習スタイルです。
文部科学省では、この探究学習を次のように位置付けています。「総合的な学習(探究)の時間は、変化の激しい社会に対応して、探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目標にしていることから、これからの時代においてますます重要な役割を果たすものである」。
この中の「変化の激しい社会に対応」するもののひとつとしてアントレプレナーシップ教育が挙げられるでしょう。しかし、この学習活動を有効なものにするには、いろいろな工夫や留意すべき事柄があります。ここでは、「探究学習」を成功に導くために留意すべき「落とし穴」と、今後の人材育成についてみなさんと一緒に考えていきたいと思います。
第2部 ワークショップ『アイデアだけで終わらせない!MESHで作って学んで創りあげる、高校生向けアントレ教育体験ワークショップ』
高等学校でアントレプレナーシップ教育や探究学習をご担当の先生方へ
- 「生徒たちのアイデアが、机上の空論で終わってしまっている…」
- 「探究学習が、いつの間にか”やらされ感”に満ちてしまう…」
- 「プロトタイピングなんて、機材も知識もなくてハードルが高い…」
このようなお悩みをお持ちではないでしょうか?
生徒たちのユニークな発想や「誰かを助けたい」という純粋な想いを、どうすれば「社会に働きかける力」にまで育てられるのか。日々、試行錯誤されている先生方にこそ、体験していただきたいワークショップがあります。
このプログラムは、単なるアイデアソンではありません。身の回りの「ちょっとした不便」や「あったらいいな」という「問い」の発見から、課題解決のアイデアを考え、それを実際に動く”カタチ”(プロトタイプ)にし、発表するまでの一連のプロセスを、わずか2時間で一気に体験します。
その秘密は、ソニーが開発したIoTブロック「MESH」。
プログラミングの専門知識は不要です。無線でつながる小さなブロックを組み合わせるだけで、誰でも手軽にIoT的な仕組みを具現化できます。
「消し忘れた電気を知らせてくれる仕組み」
「鉢植えの水やりタイミングを教えてくれるセンサー」
そんな、日常の小さな課題を解決するユニークな発明が、遊び心と共に次々と生まれる。その「できた!」という小さな成功体験が、生徒たちの創造性と探究心に火をつけます。
先生の「遊び心」が、生徒の「主体性」を解き放つ
本ワークショップでは、まず先生方自身に「つくる楽しさ」を体感していただきます。
「こんなことできたら面白いかも!」
そんなワクワクする気持ちが、固定観念を打ち破り、創造的な解決策を生み出す原動力になります。先生が楽しんでこそ、その熱意は生徒に伝わり、教室は「やらされる場所」から「挑戦する学び場」へと変わっていくはずです。
今回の講師は、MESH事業の責任者であるソニーマーケティング株式会社の萩原丈博さんが務めます。開発の裏話も交えながら、創造性を引き出す秘訣をお伝えします。
アイデアを「カタチ」にする感動を、ぜひ一緒に体験しませんか?
先生方の創造性を解き放ち、生徒たちの未来を切り拓くヒントがここにあります。
講師等プロフィール

武沢 護(たけざわ・まもる)
早稲田大学高等学院 前学院長
早稲田大学大学院理工学研究科数学専攻修了。神奈川県公立高校教諭を経て早稲田大学高等学院教諭。併せて教職大学院客員教授、学院長を歴任。在職中、高等学院では「数学」、「情報」、「総合的な探究の時間」、大学では教職科目「総合的な学習・探究論(中高)」、「教育におけるICTの活用(中高)」などを担当。退職後の現在は、津田塾大学学芸学部非常勤講師(教職科目「数学科指導法」)、大磯町教育委員会教育委員。

池田 巧(いけだ・たくみ)
東京電機大学中学校・高等学校 専任教諭
一般社団法人アントレ教員ラボ 代表理事
中小機構 起業家教育カリキュラム改訂委員
東京電機大学中学校・高等学校の社会科専任教諭として2009年より現職。授業と探究活動を通じて社会の面白さと学びの意味を伝えてきました。2013年以降は、起業家教育・金融経済教育の推進に取り組み、延べ20社以上と協働した実践型プログラムを運営。2023年度には経済産業省・JETRO主催「始動 Next Innovator 2023」に採択され、早稲田大学アントレプレナーシップセンター制作の「起業家教育動画」に出演しました。2024年には独立行政法人中小機構「起業家教育カリキュラム改訂検討委員会」委員を務め、一般社団法人アントレ教員ラボを設立(代表理事)。同年、電通育英会「リーダー育英塾6期」にも採択されています。2025年には早稲田大学の支援のもと、アントレプレナーシップ教育の本場である米国ボストンへ派遣され、最新動向と実践知の吸収・還元に努めました。学術面では、2023年4月から2025年3月まで早稲田大学大学院経営管理研究科にて学び、MBAを取得しています。

萩原 丈博(はぎわら・たけひろ) ソニーマーケティング株式会社 B2Bプロダクツ&ソリューション本部 B2Bビジネス部 MESH事業室 室長 一般社団法人 Arc & Beyond 業務執行理事 / Co-Founder
IoTブロック「MESH」の開発者
ソニー入社後、ネットワークサービスの企画開発や、機械学習など知的情報処理の研究開発に従事。2011年-2012年スタンフォード大学訪問研究員として、Human Computer Interaction領域で研究。2012年にMESHの原型となるプロジェクトをスタートし、2015年にMESHを発売。 MESHは2015年度グッドデザイン賞で未来づくりデザイン賞、2018年度キッズデザイン賞で子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門優秀賞経済産業大臣賞を受賞。現在、全国各地の小学校プログラミング教育や、大学などの高等教育、社会人の研修等に活用されています。コンピューターテクノロジーを文房具のように誰でもアクセス可能なものにすることで、人々の創造性を支援していくことを目指しています。
お申込み
以下のフォームよりお申し込みください(2分程度で完了します!)
※定員に達し次第、締切とさせていただきます。
11/3(月) プレイベント「映画『Most Likely to Succeed』上映&教育対話セッション」を開催
2025年11月23日(月・祝)14時~早稲田大学121号館 B1階 会議室にて、『~探究学習やアントレプレナーシップ教育の本質について考える~ 映画『Most Likely to Succeed』上映&教育対話セッション』を開催します。こちらも是非ご参加ください。
詳細👉 https://www.waseda.jp/inst/entrepreneur/news/2025/09/29/7690/
お問い合わせ
早稲田大学アントレプレナーシップセンター [email protected]