
タイプS採択者(左から清野准教授、紫藤博士1年、合田教授、小野口次席研究員※矢内教授はオンライン参加)

タイプA採択者(左から堀尾修士2年、寺原次席研究員、バイラムオメル学部4年)
2024年度 新規研究課題7件を採択
早稲田大学アントレプレナーシップセンターでは、早稲田大学から生まれた研究成果の早期実用化をめざし、研究開発型スタートアップの創出を加速化するための様々な取り組みを行っています。
2020年から始まった『早稲田PoC Fund Program』は、早稲田大学の研究成果をもとにしたビジネスアイデアを、PoC(プルーフ・オブ・コンセプト)と呼ばれるビジネス仮説検証を行うことによってビジネスモデルを確立させ、スタートアップ創出を支援するプログラムです。今年度はついに5年目を迎え、4月に締め切った公募ではこれまでで最多の応募がありました。早稲田大学の研究成果を研究室に留まらせることなく、社会実装し世界にダイレクトに貢献することをめざす研究者が増えてきたと言えます。
この多数の応募のなかから、厳正な書類・面接審査を経て2024年度の研究課題7件を決定しました。採択された研究課題は、仮説検証を行うための研究開発費と、ビジネスの専門家による伴走支援、そして起業活動に役立つ様々なWSの受講機会など、手厚いサポートが提供され、事業化をめざしていきます。
- 2024年度 採択課題
研究代表者 | 所属 | 研究課題名 |
(タイプS) |
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合田 亘人 教授 | 先進理工学部 生命医科学科 | 2型糖尿病の根治を目指した膵細胞増殖活性化剤の開発 |
矢内 利政 教授 | スポーツ科学部 | 投手の寿命を延ばす肩肘運動解析ドックの開発 |
清野 淳司 准教授(任期付) | 先進理工学研究科 化学・生命化学専攻 | 抗がん活性予測AIシステムの開発と検証 |
小野口 真広 次席研究員 | 理工学術院総合研究所 | 新規RNA-タンパク質複合体解析技術の開発と創薬スクリーニングへの応用 |
紫藤 寛生 博士1年 | 創造理工学研究科 総合機械工学専攻 | 鑑賞者が表現者になる新感覚インタラクティブ・ロボット・アートの事業化 |
(タイプA) | ||
寺原 拓哉 次席研究員 | 理工学術院総合研究所 | コンピューターシミュレーションを用いた美しく、機能性の高い製品デザインの提案 |
堀尾 優子 修士2年 | 人間科学研究科 | バイオレメディエーションによる放射性セシウム回収・減容化システムの開発 |
(事業期間:2024年度末まで)
「研究者から起業家への飛躍」に向けたキックオフミーティング

講師の髙山氏

意見交換の様子
それぞれのPoC活動の開始に先立ち、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)より髙山幸次郎氏を講師に迎え、アカデミア発の起業において何に留意する必要があるか、事業化の「はじめの一歩」において特に重要となる論点は何かについて学びました。
各参加者の現在のビジネスアイデアにおいて想定されている「顧客」は何か、その「顧客」のどのような課題を解決しようとしているのか、なぜその課題が大きいのか等についてワークを通じて確認し、7月以降メンターとのやりとりを通じて本格化する活動の事前準備を行うことができました。ミーティング終了後にはアントレプレナーシップセンターの施設を見て回り、起業のイメージを深めた参加者もおられました。
3月に予定されているDemo Dayまでに、それぞれの研究がどのようなビジネスアイデアに変化しているのか、期待が高まります。
これまでに7件のスタートアップを創出
早稲田 PoC Fundは、これまでの4年間でタイプAを4件、タイプSを18件採択。 教員・研究員・大学院生を代表とする研究チームが、それぞれの研究課題にビジネスの創出プロフェッショナルの方々からの支援(ハンズオン的支援)を受けながら、試作品の研究開発や市場・インタビュー調査などを実施し、研究シーズを活用したビジネスアイデアのブラッシュアップに取組んできました。
その結果、これまでに7社が起業を果たし、うち、2社は早稲田大学のベンチャーキャピタルである、早稲田大学ベンチャーズから資金調達を行うなど、『早稲田PoC Fund Program』から着実な研究開発型スタートアップが生みだされています。
- これまでに早稲田PoC Fund Programから生まれた企業
研究代表者 | 法人名 |
三宅丈雄 教授(情報生産システム研究科) | ハインツテック株式会社 |
中尾洋一 教授(先進理工学部 化学・生命化学科 ) | Ussio Lab.(株) |
大橋啓之 招聘研究員(ナノ・ライフ創新研究機構) | 株式会社こころみ |
青木隆朗 教授(理工学術院・応用物理学科) | 株式会社Nanofiber Quantum Technologies |
陽 品駒 次席研究員(次世代ロボット研究機構) | 株式会社HatsuMuv |
伊藤 悦朗 教授(教育・総合科学学術院) | 株式会社 BioPhenoMA |
原 太一 教授(人間科学学術院) | Wellness AP Science 株式会社 |
早稲田大学は、これからも早稲田大学発の研究成果を安心・安全・便利な世界の実現に貢献するビジネスアイデアにし、新たなイノベーションの創出をめざしてしてまいります。『早稲田PoC Fund Program』の取り組みに、どうぞご期待ください。
研究室から生まれた成果が事業化されるまでのストーリーを語るMovie
大学の研究室から生まれた研究成果が、PoCファンドによる支援を経て、起業を果たした事業化までのストーリーを研究者が語る人気の動画コンテンツが好評公開中です。ぜひご覧ください。
The Challenges of Waseda’s startups #8 戸川望教授 株式会社Quanmatic
早稲田PoCファンドプログラムとは?
2020年からアントレプレナーシップセンターが実施している、ギャップファンドプログラム。研究成果をもとにしたベンチャー企業を創出するために必要なビジネスアイデアの仮説検証(プルーフ・オブ・コンセプト)を行うための開発資金(ギャップファンド)の提供と専門家による伴走支援体制を構築。起業を通じた研究成果による社会貢献の実現を目的としています。提携ベンチャーキャピタルからの寄付を財源とするタイプAおよびB、JST START 大学・エコシステム推進型 大学推進型を財源とするタイプSの3つのタイプがある。
本件に関するお問合せ
早稲田大学リサーチイノベーションセンター
アントレプレナーシップセンター 早稲田PoC Fund Program事務局 (担当:喜久里、酒匂、武藤)