7月1日より24日まで、共同研究と講義のためにMads Kyed教授 (Hochschule Flensburg University )がSGU数物系拠点に滞在された。
Mads Kyeds氏は流体数学の世界的リーダーであるG.P. Galdi(現 Pittsburgh 大学教授)のお弟子さんで、近年ではNavier-Stokes方程式の周期解について優れた研究をつぎつぎ発表されている若手研究者である。
2009年度より例年早稲田大学で行っている流体数学国際会議で7年前に周期解の存在証明を, tranference 法を用いて行うことを提唱されて注目を集めた。
その後Galdi先生との共著で周期解を定常部分と振動部分に巧妙に分ける手法を開発し注目される結果をいくつか出されていた。一方柴田は彼に transference法をR-solver理論に適用し周期解の高周波部分の最大正則性原理を示すことに着目し、今回 Mads Kyeds氏を招へいし、トーラス上のFourier変換とユークリッド空間上のFourier変換を結びつけるtransference法の詳しい理論を講義を行っていただき、その発展形として共同で R-solverに関する柴田理論を周期解理論に拡張することについての共同研究を行った。
講義の部分はSGU数物系流体数学特別講義の講義として、数物系科学コース学生に提供された。
「講義内容」
放物型方程式の周期解の理論を初期値境界値問題の最大正則性の原理を
R-solver の理論を用いて示す柴田理論を transference 理論を用いて
周期解の最大正則性原理正則性原理を示すことに拡張できることを講義した。
講義内容
1回目 放物型方程式系の周期解について、熱方程式の例にとり考察する
2回目 トーラス上でのFourier 変換の理論と transference 定理
3回目 放物型方程式系の初期値境界値問題のR-有界作用素と最大正則性原理
4回目 放物型方程式系の周期解の最大正則性原理
共同研究
1.Navier-Stokes-Oseen 方程式の外部問題での周期解の存在
2.Navier-Stokes方程式の1相問題、2相問題の周期解の存在
3.液滴落下問題の定常解の存在定理
共同研究については partially supported by Top Global University Project
として現在執筆中である.