部会名 : 現代政治思想研究部会(部会主任:飯島昇藏)
日 時 : 11月23日(土) 14:45 -16:15、 16:30 – 18:00 ※2部構成
場 所 : 早稲田大学11号館5階505教室(早稲田キャンパス)
対象者 : 学生・教職員・研究部会員・一般
<14:45 – 16:15>
テーマ : 個人化時代における公共性――あるいは、政治理論と規範理論の緊張関係
発表者 : 田村 哲樹(名古屋大学大学院法学研究科教授)
要旨 :
本報告では、『藤原保信著作集』第10巻の諸論考を中心に、現在「公共性」をどのように考えるべきなのかという問題を検討する。その際、次の二点を考察の補助線とする。一つは、現代社会の「時代診断」である。とりわけ、「個人化」という文脈の下でどのような「公共性」を考えることができるのかが焦点となる。もう一つは、「政治」理論と「規範」理論との緊張関係である。とりわけ、「公共性」における「政治」と「規範」との関係が焦点となる。最終的には、藤原の「公共性」論を、現代社会における「政治」理論と見なすことができるかどうかが論点となるだろう。
報告者略歴:
田村 哲樹(たむら てつき)
名古屋大学大学院法学研究科教授。1970年生まれ。博士(法学)。
主要研究業績:『政治理論とフェミニズムの間』昭和堂、2009年。『デモクラシーの擁護』(宇野重規・山崎望と共著)ナカニシヤ出版、2011年。
『アクセス デモクラシー論』(齋藤純一と共編)日本経済評論社、2012年
<16:30 – 18:00>
テーマ : 自由主義・近代・形而上学――藤原保信「自由主義の再検討」をめぐって
発表者 : 西永 亮(小樽商科大学准教授)
要旨 :
冷戦終結以降、自由主義は「勝利」を積み重ねてきたように思われる。しかしそれは、藤原が期待したようなコミュニタリアンな方向での自由主義の「自己修正」、「自己克服」からはほど遠いものであろう。本報告は、『著作集』の編者による優れた2つの「解説」をも参照しつつ、藤原の「自由主義の再検討」がどのような特徴を有していたかを改めて検証することによって、今日「自由主義の再検討」はいかになされるべきかについて考える一助になることを目的とする。
報告者略歴:
西永 亮(にしなが りょう)
1972年生まれ。博士(政治学)早稲田大学。現在、小樽商科大学准教授。
主要研究業績:『初期ルカーチ政治思想の形成――文化・形式・政治』、小樽商科大学出版会、2014年刊行予定。「二〇世紀前半のマルクス主義――「等価性の世界」における形式と規律」、『岩波講座 政治哲学』、第4巻、岩波書店、2014年刊行予定。「レオ・シュトラウスにとっての「クルト・リーツラー」という問題――哲学と人間的なもの」、『「政治哲学」のために』、行路社、近刊予定。