比較法研究所共催シンポジウム
【主 催】早稲田大学知的財産法制研究所(RCLIP)
【共 催】早稲田大学比較法研究所、早稲田大学法務研究科
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「Waseda RCLIP Evening Seminar」
【日 時】2025年3月28日(金)
【場 所】早稲田キャンパス3号館201教室
【言 語】英語
【講演者】マーク・ミムラー(ロンドンシティ大学准教授)、ジュリアン・カーベイ(ブリュッセル自由大学准教授)、トーマス・ヴァンダム(ブリュッセル自由大学)、セバスティアン・ポルダム・マン(コペンハーゲン大学)
【世話人】上野 達弘(早稲田大学法学部教授、比較法研究所員)
【対 象】学生、教職員、一般
参加者:11名(うち学生4名)
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ブリュッセル自由大学、ロンドンシティ大学、コペンハーゲン大学から4名の新進気鋭の研究者がAIと知的財産法を中心とする最新の課題について、フレッシュな報告を行いました。
具体的には、ブリュッセル自由大学のJulien Cabay准教授およびThomas Vandamme博士が、AI技術を商標検索における類似性判断に活用することに関して、法律と技術の面から、多数の実例と共に、その意義と課題について分析を行った上で、今後の展望を示しました。
次に、ロンドンシティ大学のMarc Mimler上級講師は、3Dプリンティング技術が知的財産権に与える潜在的な影響について、特許法を中心としつつ、著作権や意匠法にも触れつつ検討を行い、デジタルファイルの作成と特許権の直接・間接侵害の可能性や、3Dプリンティングの医療器具の作成やパンデミック時の流通問題の克服など、実践的な応用問題についても知見を披露されました。
さらに、コペンハーゲン大学のSebastian Porsdam Mann研究員は、法律や知的財産の分野において、言語モデルを業務に適応させる可能性について議論し、AIのアウトプットにおける「信用の非対称性」という概念についても検討した上で、オープンアクセス方針におけるパーソナライズされたモデルの使用の影響や、モデルのトレーニングにおける合成データの可能性についても触れました。
当日は、学内の研究者や学生のみならず、来日中の欧米の研究者などが参加し、すべての報告に対して活発な議論が行われ、非常に有益なひとときになりました。
(文:上野 達弘・比較法研究所研究所員)