研究代表者
森本 豊富
MORIMOTO Toyotomi
人間科学部教授
本プロジェクトの概要と目的
従来の移民研究は、「移民県」の送出要因に関する研究や移住先での文化変容に関する調査が多かった。しかし、近年は二国間の往来にとどまらず、複数の国・地域に生活拠点を持ち、個人の意志と血縁・地縁ネットワークによって自由に「還流」または「環流」するトランスナショナルな人の移動を捉える視点が重視されている。
本研究では、これらの動向をふまえた上でトランスナショナルまたはトランスローカルな人の移動と、そのことによって生じる移民(移住者)が経験する文化の変容を学際的に調査する。具体的な研究対象地域としては、日本の外国籍住民集住都市、沖縄、海外では北南米、ハワイ、スペイン、オーストラリアを扱う。
研究手法としては、個々の専門領域(都市社会学、メディア社会学、アメリカ文化史、エスニック文化研究、言語情報科学、応用言語学、移民研究、移民史)における方法論を活かしながらも、人の移動とそのトランスナショナル性・トランスローカル性に焦点を定めてアプローチする。幅の広いプロジェクト名称ではあるが、それゆえに、人間の営みとしての国境、文化圏を越えた移動と文化の変容を多角的に扱う共同研究として、人間科学の理解に寄与したい。
研究構成員
- 森本 豊富(早稲田大学人間科学学術院教授)
- 臼井 恒夫(早稲田大学人間科学学術院教授)
- ロバート・グレイ(早稲田大学人間科学学術院教授)
- ジェイムス・M・バーダマン(早稲田大学文学学術院教授)
- 菊池 英明(早稲田大学人間科学学術院准教授)
- 小嶋 茂(東京外国語大学フェロー)
- 根川 幸男(ブラジリア大学准教授)
プロジェクト期間
2010年4月~2013年3月