Advanced Research Center for Human Sciences早稲田大学 人間総合研究センター

その他

生物時計による体温・代謝調節反応制御メカニズムの全容解明

f_nagashimakei

研究代表者
永島 計
NAGASHIMA Kei
人間科学部教授

教員情報

本プロジェクトの概要と目的

生体リズムの理解は代謝疾患の予防の観点からも重要と考える。われわれは、ラットの絶食時には代謝が低くなり、その概日リズムが消失すること、これには脳内のレプチンが関与することを見つけている。また絶食時には体温概日リズムの変調が生じ、活動期の体温は維持されるが、非活動期の体温は低下することを示した。すなわちカロリーが制限された際、代謝・体温の調節機構を変動させる(エネルギー消費を最小限におさえる)メカニズムが存在することが示唆されるが、未だ明らかではない。われわれはこのメカニズムに生物時計の最上位の脳部位である視交叉上核、時計遺伝子のひとつであるCryが重要であることを示しており、生物時計は、摂食の情報を受け代謝や体温の調節メカニズムを変化させると予想した。

今回の研究の目的は、摂食情報が生物時計に伝達され、体温調節反応を変化させる経路を明らかにすることである。具体的に以下の3点を明らかにする。

  1. 視交叉上核、時計遺伝子がいかに摂食情報を受け取るか
  2. 摂食情報とは神経性因子か、液性因子か
  3. 絶食時に視交叉上核(生物時計)からいかに体温調節、代謝調節反応を変化させるシグナルが出さされるか

実験の方法は下記の通りである。

  • A.時計遺伝子の一つであるClockの欠損したミュータントマウスとそのワイルドタイプマウスを用いて、自由摂食時、絶食時における寒冷暴露時の代謝、体温 調節反応を、活動期/非活動期にわけて調べる。これにより寒冷暴露時の代謝、体温調節反応が自由摂食時と絶食時で変化するかを明らかにする
  • B.上記Aの反応における時間特異性があるかを明らかにする
  • C.Clock遺伝子が時間特異性に関与するか明らかにする

さらに脳室内レプチンにより1~3の反応が変化するかを明らかにし、神経組織学的手法により視交叉上核から体温調節に関係する脳部位とのネットワークを明らかにする。

プロジェクト期間

2007年4月~2010年3月

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WASEDA University

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