研究代表者
百瀬 桂子
MOMOSE Keiko
人間科学部准教授
本プロジェクトの概要と目的
本研究では、人間行動支援環境における心地よさについて、人間の感性の視点から科学的にアプローチし真のユニバーサルデザインを実現するための指針を提供することを目的とする。科学技術の進展により、さまざまな行動支援システムが実践されるとともに、様々な環境における人間行動の分析の可能となった。その結果、定量的に観測可能な人間行動に関する利便性についての分析が進み、利便性のよい行動システムが実現されている。しかしながら、利便性のよいシステムが心地よく適切なものであるかといえば、必ずしもそうではない場合がある。
そこで本研究では「心地よさ」について、とくに人間の嗜好性、人間の感覚情報の調和性、感性の共有の視点から、その機構の解明を目指す基礎検討を行う。一方、具体的な人間行動支援システムにおいて、人間とシステムの親和性について検討する。これらの基礎検討と具体的な行動支援環境における検討の両面からのアプローチを通して、人間行動支援環境における「心地よさ」について総合的に考察する。
- 嗜好性と感覚情報の調和性に関する検討
我々が感じる「心地よさ」に関与すると考えられる嗜好感と感覚情報の調和性について、その機構や特徴を明らかにすることを目的として、実験的検討を行う。
- 感性の共有に関する調査研究
共通の環境における営みや共通試験を背景とした学習は、ある程度共通性を持った心の構造を形成すると考えられ、外界と心を結びつける感性においても多くの人に共通する傾向がみられる。この感性の共通性の調査を行い、感性の共有についての可能性を検討する。
- 安全で快適な行動のための環境情報デザインの提案と評価
具体的な行動支援システムを対象としてその心地よさについて検討し、心地よい行動支援のありかたについて検討する。
プロジェクト期間
2007年4月~2010年3月