研究代表者
佐野 友紀
SANO Tomonori
人間科学部教授
本プロジェクトの概要と目的
今日の複雑化、ハイテク化した環境は、我々に利便性をもたらすとともに、生きることの困難をもたらしている。それは健康で平均的な大人を基準にして構築されているために、人の生涯発達の各段階に対応しているとは言えない。例えば、子供や高齢者にとって、現代社会は住みにくい環境となっている可能性もある。これらの人々は適切な環境が提供されていないという意味では「環境弱者」として位置づけられるであろう。本プロジェクトは、これらの「環境弱者」に着目し、現代のわれわれを取り巻く生活環境における空間行動を生涯発達的観点から検証するものである。
本プロジェクトでは、人間の周辺に存在する都市、施設、器具などの構築環境の変化に対して、人間が生涯発達の段階においてどのように適応するかという点について多面的に検証する。これに対して、以下の枠組みを考え、具体的に研究するものである。
- 生活環境移行
建て替え、住み替えなど人間の生活環境が大きく変化する際の環境適応について黄道面、心理面から検討する。
- 構築環境移動
構築環境内を人間が移動する際に空間把握、誤認、情報提示について検討する。また平常時・日常時などの状況変化対応についても検討する。
- 文化環境変化
異なる国の文化と生活に着目し、行動を決定づける文化的基底要因と生活状況基底要因を検証する。
プロジェクト期間
2007年4月~2010年3月