研究代表者
森川 靖
MORIKAWA Yasushi
人間科学部教授
本プロジェクトの概要と目的
近年の途上国における荒廃地緑化は、アカシアやユーカリなどの成長が早く環境耐性のある早生樹種で行われている。このような緑化は京都議定書にも謳われている二酸化炭素吸収プロジェクトとしても期待されている。すなわち、こうした緑化は緑化の効率化と早期の二酸化炭素吸収を期待することから、一樹種での全面緑化が基本となっている。
一方、地域・地球環境保全の一つの柱である生物多様性の修復・保全の観点から、このような緑化に批判的な見方もある。したがって、荒廃地の緑化は成功確立の高い早生樹種で行い(一時緑化)、成功後に地域の多様な郷土樹種に切り替えていく(二次緑化)ことが温暖化低減のための気候変動枠組みの条件と生物多様性保全の条件に合致する方策である。
また、多くの郷土樹種によって構成された多様性に富んだ森林は、地域社会の伝統と文化を育むばかりでなく、その豊かな景観から精神(こころ)の多様性を育むものと期待される。本研究プロジェクトではまだ研究蓄積が不十分な郷土樹種のよる二次緑化の可能性および生物多様性の修復について検討を加え、こうした修復が地域住民に与える精神的な変化について検討する。
プロジェクト期間
2007年4月~2010年3月