- 研究代表者
- 木村 利人
本プロジェクトの概要と目的
本研究プロジェクトは、すでに国際的に幅広く展開されているバイオエシックスの理論と実践のための、日本における最初の共同研究組織の、超学際的な形成を意図して企画されたものであった。1988年におけるプロジェクト発足にあたっては「生命医科学技術における人間の価値観と政策過程」の研究が中心課題となり、国内的・国際的なネットワーク展開の中で、バイオエシックス公共政策への具体的な提言を行うことも目的の一つであった。
本研究プロジェクトで取り上げてきた研究テーマは、プロジェクトが開始された1988年度より、だいたい三つに概括できる。
第一はバイオエシックスとマスメディアをめぐる諸問題、第二は臨床医療におけるインフォームドコンセントおよびビジネスエシックスの課題、第三はバイオエシックス公共政策の形成と先端生命医科学技術・環境問題である。いずれのテーマをめぐっても定期的な共同研究集会は主として本部にある人総研分室で開催し、時に応じて所長やプロジェクト所属客員研究員のご配慮により所沢の人総研所長室、東京女子医科大学会議室、南山大学社会倫理研究所などでも研究集会を持つことができた。さらに、第6回日本生命倫理学会年次学術大会や国際バイオエシックス・シンポジウムなどは本学の国際会議場で開催できたのはたいへんに意義あることであった。
1989年7月以降、本研究プロジェクトにより「国際バイオエシックスネットワーク」ニュースレターが刊行され続けてきた。本研究プロジェクト研究員はもちろん、バイオエシックスに関心を持つ内外の研究者や医療・看護の専門家にも投稿いただいたり、海外のバイオエシックス最新情報、判例紹介、図書・資料・会議の情報などバイオエシックスの時代に即した展開に相応しい記事を掲載しており、その内容の迅速性、有用性、多様性などが注目されている。
本研究プロジェクトは、特に、大学研究機関の設置にかかる日本で最初の組織的なバイオエシックス研究プロジェクトとして、さらに大きく21世紀に向けての研究活動を展開させるものであったといえよう。
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プロジェクト期間
1988年4月~1995年3月