桑原 夏子 講師の著書『聖母の晩年――中世・ルネサンス期イタリアにおける図像の系譜』が出版されました。
『聖母の晩年――中世・ルネサンス期イタリアにおける図像の系譜』
内容紹介
聖書には、彼女がどのように生を終えたかについての記述がない。しかし、マリア崇敬の高まりとともに、外典や伝承などにもとづき晩年伝の多様な図像が生み出されてきた。地中海圏の聖堂壁画からチマブーエやドゥッチョ、ジョットらの作品までをその背景とともに跡づけ、知られざる聖母の美術史をよみがえらせる。

桑原講師コメント
「聖母晩年伝は地中海圏の聖堂を飾ってきた画題群で、私はその図像について研究しています。各地を巡って作例データを地道に集め、それを分析した結果、図像が編み出された経緯、その各地への伝播の道筋と受容の背景が明らかになりました。本書には日本ではあまり紹介されない、珍しい作例の図版も多数掲載されています。
高等研究所で自身の研究に専念し 、昼夜執筆に励んだ成果がついに出版の運びとなり、大変嬉しく思います。ぜひお手に取ってご覧いただけると幸いです。」
著者による書き下ろしの自著解説はこちらからお読みいただけます。
『聖母の晩年――中世・ルネサンス期イタリアにおける図像の系譜』(名古屋大学出版会)