ブリティッシュコロンビア大学 クリスティーナ・イ准教授 講演会
「『日本語』文学に対する批評的アプローチ: 金石範の作品に関して」(6/28)
趣旨説明
1492年にスペインの学者アントニオ・デ・ネブリハは「言語はつねに帝国の伴侶である」と述べたが、この主張はヨーロッパに対して妥当であるように、日本近代文学に対しても当てはまる。そうした遺産が最も明白に現れているのが「日本語文学」―ジャンル分類として又批評的介入の手段として使われている用語―に関する論争と議論においてである。その起源は在日朝鮮人作家・金石範に遡ることができる。日本の植民主義政策への忘却に対する率直な批判者である金石範は、日本語自体に対する鋭い認識とその言語を強いられた歴史により、自身が使用する日本語が「ネイティブ」な日本語話者の日本語とは認識論的に異なると主張した。本講演会では、2022年に出版された金石範『鴉の死』の英訳についてと、いかなる翻訳行為においても考慮されなければならない言語イデオロギーと文学カノン形成とが交錯する問題について議論する。
登壇者
講演者:
クリスティーナ・イ (ブリティッシュ・コロンビア大学 准教授、早稲田大学訪問准教授)
コロンビア大学で博士号取得。2018年にコロンビア大学出版部より『植民地化される言語 ―― 近代日本・朝鮮における文化生産と言語政治学』刊行。2019年に学術雑誌Azalea: Journal of Korean Literature and Culture の在日文学特集号共編、2022年に金石範『鴉の死』の英訳刊行。
日 時
2023年6月28日(水)15:05~16:45
会 場
参加をご希望の方は以下<事前登録フォーム>またはチラシのQRコードからご登録ください。
※事前登録必要 (6月27日〆切)
言語
英語(講義)/ 英語・日本語(質疑応答)
対 象
教員・研究者・大学院生・学部生・一般
主 催
スーパーグローバル大学創成支援事業 早稲田大学国際日本学拠点
早稲田大学高等研究所
共 催
早稲田大学国際文学館
企 画
早稲田大学高等研究所講師 李 珠姫