高等研究所 訪問研究員 セミナー:
イスタンブール工科大学 ジラルデッリ青木美由紀 准教授補 Workshop「『辺境』の美術史?:明治日本とオスマン帝国からの視点 」(1/23)
講演者 / Speaker
講演者:
ジラルデッリ青木美由紀(じらるでっり あおき みゆき)
美術史家、イスタンブル工科大学建築学部准教授補。 文学博士。
MIT訪問学者、ドイツ美術史学研究所(フィレンツェ)訪問学者、国際日本文化研究センター外国人研究員。
専門はオスマン建築史、美術史。関心は、東西の文化的遭遇・受容、ヒト・モノの移動とそれにともなう変化。国家的あるいは個人の経験にもとづく美術史言説の形成。非西洋諸国の近代の視覚芸術。最近は、オスマン帝国とアジアのムスリムにも興味がある。
著書『明治の建築家 伊東忠太 オスマン帝国をゆく』(2015年、ウェッジ、紀伊国屋じんぶん大賞第六位)、編著『オスマンの宮殿に吹く日本の風』(トルコ国立宮殿局、2013年)、『オスマン帝国とジャポニスム/日本趣味』(思文閣出版、刊行予定)
展覧会キュレーション「イスタンブルの三人の日本人:山田寅次郎・伊東忠太・大谷光瑞」(イスタンブル研究所、イスタンブル)、「オスマンの宮殿に吹く日本の風」(ドルマバフチェ宮殿美術ギャラリー)。
NHK BS「世界遺産 時を刻む」、BS日本テレビ「中谷美紀トルコ紀行」の案内役など、テレビ出演でも活躍中。
主 旨 / Outline
『辺境』の美術史?:明治日本とオスマン帝国からの視点
セミナーは、美術史について19世紀明治日本とオスマン帝国で出版された二つの書物、『稿本日本帝国美術略史』、Usul-u Mimari-i Osmani(オスマンの建築様式)を取り上げる。両者とも万国博覧会(1900年パリ万博、1873年ウィーン万博)に際して刊行され、それぞれの国で公式に、国際的な舞台での自国文化紹介という目的で出版された初めての美術史通史という点が共通している。はじめに、オスマン帝国の美術史記述の前提となった歴史的建造物概念の発達、文化財保存と歴史記述について、19世紀オスマン帝国の文化的・歴史的文脈への導入を行う。次に、両国の美術史記述を具体的に比較し、「美術」・「建築」概念の、非西洋文化圏での建設がどのように行われたかを検討する。セミナーでは、二つの美術史記述のなかで直接的・間接的に主張された「辺境性(あるいは正統性への希求)」について問いを投げかけ、それぞれの読者・受け手の反応についてグローバルな文脈から考察する。
日 時 / Date & Time
2023年1月23日(月) 13:00~14:30
会 場 / Venue
会場:早稲田大学戸山キャンパス 31号館 302教室
言 語 / Language
日本語
対 象 / Prospected Audience
大学院生・研究者・教員
主 催 / Organizer
早稲田大学 高等研究所