高等研究所「人新世と人文学」セミナーシリーズ(第5回)公開講演会
「地域づくりの現場に立ち現われる妖怪」(7/23)
趣旨説明
日本の国土で語られる多様な妖怪は、そこに生きた人びとのリスクに対するインタレスト(関心・懸念)の表象だと考えることができます。現代の地域づくりにおいて、妖怪の存在に焦点を当てることは、空間・時間・人間のあいだとしての風土性を把握することにもつながります。
本講演ではまず、地域に伝わる様々な妖怪・怪異譚を概観しながら、リスクを回避するための知的資源としての妖怪について論じます。次に、講演者が兵庫県下の小学校や児童館、図書館などで実践している「妖怪安全ワークショップ」の取り組みを紹介します。このワークショップでは、子どもたちが地域を歩きながらリスクポテンシャルを見出し、オリジナルの妖怪を考えます。さらに考案した妖怪への対応策を検討することで、リスクへの対処方法も提案します。
実践事例をふまえて、地域づくりのプロセスで、科学的なアプローチだけでなく、「みえないものをみようとすること」の意味について考察します。「現場」と「立ち現われ」を重要なキーワードとして、複雑性を基礎とする地域づくりの新たな理論と方法論を探っていきます。
登壇者
髙田 知紀(兵庫県立大学 自然・環境科学研究所 准教授、兵庫県立人と自然の博物館 主任研究員)
山本 聡美(高等研究所 副所長、文学学術院 教授)
日 時
2022年7月23日(土)10:00~12:00
会 場
Zoom (Webinar)によるオンライン開催
プログラム
10:00~10:05 | 山本聡美(高等研究所・副所長、文学学術院・教授)開催趣旨説明 |
10:05~11:15 | 髙田知紀氏講演 |
11:15~11:20 | 休憩 |
11:20~11:55 | 質疑応答・ディスカッション |
対 象
教員・研究者・大学院生
主 催
早稲田大学 高等研究所
共 催
早稲田大学 SGU国際日本学拠点
総合人文科学研究センター 角田柳作記念国際日本学研究所
早稲田大学 美術史学会
申込み
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