高等研究所セミナーシリーズ
【グローバル・ヒストリー研究の新たな視角】公開講演会
「藩・旧藩社会にみる「文明」―下総佐倉藩の事例から」(4/30)
趣旨
本講演では、旧藩社会(廃藩後も続く旧藩にもとづく社会的結合)や、その前提となる幕末期の藩が有していた「文明」観について、下総佐倉(千葉県佐倉市)を事例に検討する。幕末期に老中を務めた佐倉藩主堀田正睦は、西洋の「文明」を積極的に摂取しようとした大名だとイメージされるが、この人物像は正睦とその息子である正倫に仕えた旧藩士・旧領民が正睦を顕彰する過程で創り出したものであった。正睦は、いち早く西洋の技術・知識を採り入れ、日本を列強にならぶ「文明国家」に押し上げようとした人物だと称美されてゆく。このような、正睦にまとわりつく「文明」言説を追跡することで、19世紀後半の日本の一地域における国家観・世界観を分析したい。
講演者
宮間純一(中央大学 教授)
1982年生。専門は日本近世史・近代史。中央大学大学院文学研究科日本史学専攻博士課程後期課程修了。博士(史学)。宮内庁書陵部研究職(内閣府事務官)、人間文化研究機構国文学研究資料館准教授、総合研究大学院大学文化科学研究科准教授(併任)を経て、2022年4月より中央大学文学部教授。著書(単著)に『国葬の成立―明治国家と「功臣」の死―』(勉誠出版、2015年)、『戊辰内乱期の社会―佐幕と勤王のあいだ―』(思文閣出版、2015年)、『天皇陵と近代―地域の中の大友皇子伝説―』(平凡社、2018年)。
日 時
2022年4月30日(土)14:00~17:30
会 場
Zoomによるオンライン開催
プログラム
14:00~14:10 開会挨拶(谷口眞子)
14:10~15:10 講演「藩・旧藩社会にみる「文明」―下総佐倉藩の事例から」(宮間純一)
15:10~15:30 休憩
15:30~17:30 討論
司 会
谷口眞子(早稲田大学文学学術院 教授)
対 象
大学院生、教員、一般
主 催
早稲田大学 高等研究所
申込み
事前登録が必要です。以下URLよりご登録をお願いします。
https://zoom.us/meeting/register/tJ0scOuqrTspHNJiQ400Eb8E_yY7HGU7Q7X6