保健センター 学生相談室(臨床心理士) 廣瀬(ひろせ)
何らかの外的刺激を「ストレッサー」、そしてストレッサーから引き起こされる心理的・身体的反応を「ストレス反応」といいます。人は、自分が処理しきれないほどのストレスを感じると、心身ともに支障をきたすことがあります。
ストレスに対する強さは人それぞれです。また、気分がすぐれない、イライラする、不安を感じるなどの心理的な変化が大きい人もいれば、腹痛や頭痛がひどくなる、食欲がなくなる、眠れなくなるなどの身体的な変化が大きい人もいます。大事なことは、“自分はこういうときにこう反応する傾向がある”と知っていることです。できるだけ早くストレスに気付き、適切に対応することで、さらなる状況の悪化を防ぐことができます。
日常生活を送る上でストレスは避けて通ることができませんから、適切な対処行動を身に付けておくことが重要となるでしょう。対処行動は大きく分けて2種類あります。
1.<問題焦点型>ストレスの元になっている問題を解決しようとするやり方
2.<情動焦点型>自分に生じる反応をマネジメントしようとするやり方
例えば、友達とけんかをしたときを考えてみましょう。謝ったり、誰かに仲直りのアドバイスを求めたりするのが問題焦点型、ストレッサーを取り除くことが目的のやり方です。一方、カラオケに行ったり、別の人に愚痴を言ったりするのは情動焦点型、ストレッサーによって引き起こされた怒りや不安などの軽減が目的のやり方です。対処行動はできるだけ多く身に付けておいた方がいいでしょう。そして柔軟に使いこなす能力も必要です。トランプで言えば、いろいろなカードを持っていて、その使い方を知っている人が強いのと同じです。
学生相談室では、自分だけでは気付かないストレスに気付くためのお手伝いができます。また、自分に合った対処行動を一緒に考えることもできます。ぜひ一度足を運んでみてください。