保健センター早稲田分室 看護師 熊岡(くまおか)
月経に関する悩みは恥ずかしいことではなく、多くの女性が抱える悩みです。月経中の体調不良として、腹痛や腰痛といったいわゆる月経痛のほか、頭痛、吐き気、胃痛、下痢、倦怠(けんたい)感があります。これらの体調不良は、子宮内膜から分泌されるプロスタグランディン(※1)という物質が原因です。月経中の体調不良の改善には、血行を良くし体を温めることがポイントです。月経中のセルフケアと避けたいことに、次のことが挙げられます。
(※1)プロスタグランディン
痛み、炎症の原因となる体内物質。子宮の筋肉を収縮させて、子宮内に剥(は)がれた内膜組織や月経血を押し出すために分泌される。
◇セルフケア
適度な運動 
長時間座っていることで血行が悪くなります。骨盤や腰回りの筋肉をほぐすことで骨盤内の血流を改善します。
・30分程度の間隔で屈伸運動
・太腿付け根のマッサージ
・簡単なストレッチ
体を温める
お腹や腰回りを温めると血流が良くなり、痛みが和らぎます。
・腹巻、膝掛け、レッグウォーマー、使い捨てカイロの使用
・足湯、入浴
・体を温める飲み物(ジンジャーティー、シナモンティー、ほうじ茶、ココアなど)の摂取
◇避けたいこと
冷え、ストレス・緊張などの心理的ストレスは、月経痛を悪化させます。
・生野菜やカフェインなどの体を冷やすものの摂取
・ジーンズ、ガードルなど体を圧迫する服装
・睡眠不足、疲労
セルフケアで月経痛が改善しない場合は、我慢しないで鎮痛剤の服用も考えましょう。プロスタグランディンの合成を抑える働きがある鎮痛剤(NSAIDs:非ステロイド性抗炎症剤)を痛みの初期に服用すると効果的です。
鎮痛剤を服用しても症状が改善しないときは、婦人科で相談しましょう。受診時は、基礎体温(※2)と相談内容のメモを持参すると役立ちます。
保健センター保健管理室では、婦人科医(女性)が健康相談を行なっています。
お気軽にご相談ください。
(※2)基礎体温
起床時に安静な状態で舌の下で測った体温。①ホルモンバランス、②排卵の有無と時期、③次の月経予定、④妊娠の可能性が分かる。