【今週の相談】
保健センター副所長(スポーツ科学学術院 教授) 坂本 静男(さかもと・しずお)
現在、中高年者で問題になっている生活習慣病のことはよくご存じかと思います。しかしながら、最近になってこの生活習慣病は若年者でも大きな問題となってきています。そして若年期から生活習慣が不適切であることが、中高年になってからの生活習慣病につながりやすいことが分かってきています。
生活習慣病には肥満症・高血圧症・脂質異常症・糖尿病といったメタボリック・シンドロームの判定基準に関わる疾患が代表格として挙げられていますが、それ以外にロコモティック・シンドローム(運動器症候群)、一部の悪性腫瘍、慢性閉塞(へいそく)性呼吸器疾患、虚血性心疾患、脳血管障害といったものが当てはまります。
生活習慣には運動・栄養・休養といった要素が含まれており、これらの要素が高いレベルでバランスがとれていることが健康維持・増進のために必要不可欠と考えられています。一般人では運動不足が問題となっていることが多く、スポーツ選手では運動量が過剰で、その運動量に見合っただけの栄養が摂(と)れていず、また睡眠を含めた休養が不足していることが指摘されています。それゆえ一般人であっても、スポーツ選手であっても、体調不良やコンディション不良のことが多いと考えられています。
早大生の多くは若年一般成人であり、そのような方の生活習慣病予防のために必要なことを考えてみましょう。休養として7、8時間の睡眠をとり、栄養摂取として1日3回の食事を腹八分目で摂るようにし、運動として週に3~4回、1回に1時間程度を実践することが有益な結果を導くことになります。
ではどのような運動を実践すれば良いかといいますと、ジョギング・ウオーキング・サイクリング・スイミングといった種目などを、中等度強度(ややきつい、やや楽といった感じの強度)で行うことです。このような運動実践で生活習慣病に対して十分に効果が表れます。そしてその生活習慣を継続することが重要になります。最低限として1日10分間は運動量を増やしましょう!
学内にはトレーニングセンターや高石記念プールなどのスポーツ施設もあります。またリフレッシュスタジオでは専門のインストラクターによるレッスンプログラムも用意されています。授業や研究の合間にこれらを利用してみるのもいいのではないでしょうか。