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「日本でもNBAをカジュアルに」米式蹴球部所属早大生YouTuber

「米式蹴球部では大学日本一。個人では視聴者に愛されるYouTuberを目指したい」

社会科学部 3年 ニコラス 武(にこらす・たけし)

お気に入りのフィラデルフィア・セブンティシクサーズのダリル・ドーキンス選手のユニホームを持って

米国とカナダのチームで構成される男子バスケットボールのプロリーグであるNational Basketball Association(以下、NBA)。ニコラスさんは、日本人として初めてNBAのハイライト動画などを公式に使うことができる「NBA Playmakers」と契約し、YouTubeチャンネル『ニコラス武』でNBAの魅力を伝える動画を投稿しています。一方で、自身は早稲田大学米式蹴球部に所属するアメリカンフットボール(以下、アメフト)のプレーヤーでもあります。YouTuberとしての活動や米式蹴球部での活動、そして今後の目標について話を聞きました。

――YouTuberとして活動を始めた理由を教えてください。

日本でもNBAを気軽に知ることができる機会を提供したいと思い、始めました。僕のバスケットボール経験は、日本の中学での部活動のみです。その中学も米国に引っ越したため3カ月しか通わず、バスケも辞めてしまいました。でも、米国で暮らし始めてからテレビでNBAの中継を目にすることが多くなり、そこでティモフェイ・モズゴフ選手がプレーする姿にくぎ付けになりました。当時、モズゴフ選手はクリーブランド・キャバリアーズに所属していたので、そのチームを応援するようになったのですが、モズゴフ選手以外のプロフィールも覚え始めたら知識が付くのがとても楽しく感じて、NBAにどんどんのめり込んでいったんです。

その後、日本に一時帰国し、久しぶりに会った友達とNBAの話をした際、当時脚光を浴びていたステフィン・カリー選手しか知らないと言われました。その時、確かに日本はNBAをカジュアルなレベルで楽しめる環境ではないなと感じたんです。そこで、そういった機会がないなら自分でやってしまおう! と思い、高校生だった2018年にYouTubeで動画投稿を始めました。

2018年2月26日、最初に投稿した「【NBA】歴代センターTOP10」は、これまでに116万回以上再生されている。自分の動画の良さは「気軽に楽しくNBAの良さを知れること」と話す

――普段はどんな動画を投稿していますか? 特に思い入れのある動画を教えてください。

今は主に二つのチャンネルを運営していて、メインチャンネルではNBAのランキング動画を投稿しています。台本から編集までこだわって編集・制作しているので、20分程度の動画を完成させるまでに15時間くらいはかかります。サブチャンネルでは、その時々に合わせニュース性を重視した内容のラジオ動画を投稿。タイムリーなNBAの話題を早く提供したいという思いもあり、音声のみの編集で、長くても3時間くらいで完成しますね。

最も思い入れのある動画は「【NBA】歴代プレイTOP 10」という動画です。この動画は完成間近で一度データが全て消えてしまい、最初から全てやり直したのでとても苦労しました。しかし、「自分はどんなところにNBAの魅力を感じているのだろう」と改めて考えながら動画を作ったのがとても楽しかったんです。時間は掛かりましたが、一番好きな動画です。

米国・ニューヨークで撮影したRikutoさんとの2ショット。NBA動画投稿の開始時期が比較的近かったこともありコンタクトを取るようになったそう

そして同じ日本人NBA YouTuberのRikutoさんとのコラボ動画も自分の中で印象深い動画の一つです。実はこのコラボ動画で初めて顔出しをしたんです。最初は不特定の人が見る媒体に顔を出してしまっていいのかなと心配する部分も大きく、顔出しに踏み切れずにいました。ですが、この動画がきっかけで、名前だけのふわふわした存在だった状態から、自分の顔も含めて「ニコラス武」というキャラクターを確立できたと感じています。米国と日本の“ハーフ”の顔で体格が良く、トレードマークの眼鏡を掛けた自分を見た視聴者からは、「想像と違っていた」といった驚きのコメントも多かったです(笑)。また、「NBA Playmakers」の契約も、Rikutoさんとの交流がきっかけで声が掛かったのでそれも感謝していますし、この動画は今までのYouTuberとしての活動の中で特に転機になったと感じています。

ニコラスさんの初めての顔出しは自身のチャンネルではなく、Rikutoさんのチャンネルだった

――ニコラスさんは、米式蹴球部にも所属しています。早稲田大学の米式蹴球部に入部した理由を教えてください。

米国に引っ越してから中高6年間はアメフト部に所属していました。米国人の父が元々アメフトをやっていたので基本のルールから教えてもらいました。もちろんバスケも好きですが、アメフトは自分でプレーするのがとにかく大好きで。高校卒業を機に一区切りつけようとも思ったのですが、チームとして結果を残せなかったことが心残りだったんです。大学進学時に日本へ戻ることを考えていたのでいろいろと調べてみたところ、早稲田の米式蹴球部はアメフトの大学日本一を決める甲子園ボウルに出場するなど、日本一を目指せる環境だと知りました。僕はプロや社会人でプレーすることは考えていなかったので、試合に出るチャンスは少なくても、学生最後の4年間は「勝てる」環境で自分を試してみたいと思い、早稲田への進学と米式蹴球部への入部を決めました。

写真左:高校時代の試合での様子
写真右:2022年秋シーズンの練習中。ポジションはOL(オフェンスライン)

――これまでで一番印象に残っている米式蹴球部での試合はありますか?

自分の中では二つの試合が印象に残っています。一つ目は2021年春のある試合です。この試合はけがをしたスタメン選手の代わりに出場しました。今思い返すと状況をよく理解しておらず、僕個人としては散々な部分も多いのですが、当時は大学の舞台で自分でも戦えるんだ! と、自信につながりましたね。

二つ目は2022年11月、関東大学秋季リーグ戦での明治大学戦です。フル出場したのですが、一つ目に挙げた試合に比べて周りを見ながらプレーできるようになり、自分自身の成長を感じました。かなりの接戦ではあったのですが、強敵の明治大学に勝ててうれしかったですし、とにかく楽しかったです。

2022年11月、明治大学戦。RB(ランニングバック)の花宮圭一郎選手(文化構想学部 現4年)を持ち上げるニコラスさん(写真中央)。前日から、タッチダウンしたら持ち上げる約束をしていたそう

――米式蹴球部とYouTuber活動の両立は大変そうですね。どのように両立しているのですか。

大学生活では、あくまでも部活動を優先すると決めています。YouTuber活動は大学卒業後でもできると考えているので、今しかできない米式蹴球部での活動に全力を注ぎたいと思っています。YouTuber活動では「無理なくできる範囲で」をモットーにしていますね。元々動画編集が好きな上に、題材は大好きなNBAなので、好きと好きを掛け合わせて楽しく取り組んでいます。撮影も、授業と練習の隙間時間を利用し、時間を有効活用するように心掛けています。部活のチームメイトもYouTuber活動を温かく見守ってくれていて、「動画を見たよ」と声を掛けてくれることもありうれしいです。

――今後の目標を教えてください。

一番の目標は米式蹴球部で「大学日本一になる」ことです。チーム全体でもこの目標に向かって練習を重ねていますが、学生最後の1年間でこの目標は絶対に達成したいですね。YouTuberとしては、ただ再生数を伸ばすより、「動画を楽しんで、ニコラス武を好んで見てくれる視聴者」を増やしたいと思っています。そう思ってもらうためにはやはり誠意をもって動画を投稿することが重要だと思うので、この気持ちを胸に頑張っていきたいです。

第841回

取材・文・撮影:早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ
人間科学部 4年 佐藤 里咲

【プロフィール】

神奈川県出身。米国・ウエストレイク高等学校卒業。マイブームはサウナに行くことで、米式蹴球部の部員とオフの日に行くことも多いそう。さらに最近は料理も始め、ハンバーガーをおいしく作ることに凝っているとか。趣味はNBAのグッズ収集。ユニホームは30枚以上所有している。
Twitter:@NicholasTakeshi
YouTube:『ニコラス武』『ニコラス武ラジオ
早稲田大学米式蹴球部:https://www.bigbears.org

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日はほぼ毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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