ドイツ文化に触れながら語学力を向上させ続けたい
政治経済学部 2年 宮内 直(みやうち・なお)
2021年11月27日に東京外国語大学で行われた、ドイツ語によるラップ・ファイナルバトルに、早稲田大学チームのメンバーとして参加しました。このイベントは、ドイツ政府が設立した文化交流機関であるゲーテ・インスティトゥート(GOETHE INSTITUT)とドイツ出身の日本人ラッパーであるブルーミオ(Blumio)さんが主催するもので、早稲田大学を含めて6つの大学のドイツ語履修者が参加。事前に各大学でブルーミオさんとのワークショップが3回ほど行われ、「コロナ禍が収まったらやりたいこと」をテーマに制作したラップを、ファイナルバトルで披露し合いました。大会当時、私たちチーム8人全員が1年生で、その大半がドイツ語初学者でしたが、審査の結果3位をいただきました。

当日のパフォーマンス。中央で高くジャンプしているのが筆者(撮影:片岡陽太)
掲載元:ゲーテ・インスティトゥートWebサイト
このイベントに参加した理由は、授業で学習したドイツ語の成果を対外的に発揮する絶好の機会であると考えたこと。私が履修していた1年次のドイツ語クラスでは、毎年行われるドイツ語のスピーチコンテストに参加することが恒例でしたが、2021年度は新型コロナウイルス感染症流行のため中止に。週に4回もある授業で学習したドイツ語を、授業以外で実践することがないのはもったいない! と思っていたところにイベントの案内が届きました。それまでラップに興味がなかったこともあり、最初は参加をためらいましたが、想定通り授業外でドイツ語を使う貴重な機会となったので、参加して本当に良かったです。

早稲田キャンパスでのワークショップの様子。“Bald wird’s besser! Wir bleiben stark” (もうじきよくなるさ! 頑張ろう)というサビの歌詞がお気に入りです
さらに、参加したことで、ドイツの文化やドイツ語の学習に対する私自身の姿勢が変化しました。一つには、ドイツ語の歌やラップに興味を持ち、聴くようになったこと。もともとラップにあまり興味がなかった私ですが、参加後には、ブルーミオさんがリリースしたものをはじめ、ドイツ語のラップをしばしば楽しむようになりました。音楽性や言語、文化の違いを知ることができてとても面白いです。
また、他大学の素晴らしいパフォーマンスを見て、私のドイツ語力が未熟であることを痛感し、学習へのモチベーションが大きく向上しました。他大学には、ドイツ語を専攻し、2年以上ドイツ語を学んでいる方も多かったため、発音がとてもきれいで、私たちよりずっと長い文章を流暢(ちょう)に歌い上げていました。この刺激は授業を受けているだけではなかなか得られなかったものだと思います。
今回のイベントを終えて、語学力を向上させる術は座学だけにとどまらないと強く認識しました。終始楽しかったイベントですが、自分たちで作成した歌詞に登場した単語や文法はしっかりと頭に焼き付いています。また、参加した後はドイツ語の歌を聴いたり、番組を見てみたり、友達とドイツ語で簡単な会話をしてみたりと、日常生活の中でよりドイツ語に触れるようになりました。ひたすら机に向かうだけの受験勉強を経て忘れかけていた「勉強の楽しさ」を、今回参加してあらためて認識することができました。これからも授業内外を問わずドイツ語を学び、そしてドイツ文化に親しんで語学力を向上させていきたいと思います。

イベント終了後に撮影した一枚。ブルーミオさん、先生方、チームメンバーと。
(前列左から)岡山具隆准教授(法学学術院)、授業を担当した生駒美喜教授(政治経済学術院)、筆者