12月23日には、国際文学館でキャンパスピアノが“実現”します！
政治経済学部 4年 田中 翔（たなか・しょう）
2021年9月2日に行われた、「早稲田大学政治経済学術院『つながる』イベント」企画コンペティション。課されたテーマは、コロナ禍で希薄化した、人と人との“つながり”を取り戻すためのイベントを提言すること。われわれTeam Pianoforte（村島みのり／西岡愛／田中翔、いずれも政治経済学部4年）は、キャンパスピアノを早稲田キャンパス3号館に設置することを提案し、最優秀賞と学生賞を頂きました。当日は新型コロナウイルスの感染状況に鑑みてオンラインでの開催となりましたが、このコンペティションによって、先生方とわれわれ学生との“つながり”も深まったような気がします。
同じゼミの3人でチームを組んだ今回、話し合いは初めから難航しました。最大の問題は、コロナ禍でも開催できる安全性の高いイベントで、つながりを生み出さなければならないという点。「オンラインで開催すれば確かに安全性は担保されるが、果たして本当にそれで人と人とのつながりを感じられるイベントになるのだろうか？」とわれわれは悩みました。“感染対策”と“つながり”という、一見すると相反する2つの条件を同時に満たす企画の立案は、非常に困難でした。また、早稲田大学には留学生も多いため、誰でも参加可能な多様性のあるイベントにしたいという思いもありました。議論に行き詰まり、「じゃあ3号館に1番欲しいものは？」というシンプルな問いに立ち戻ったところで、私が思いついたのが「ピアノ！」。それがきっかけで、“キャンパスピアノ”の原案が生まれました。3人とも音楽の経験があり、音楽が持つ力を実感していたのも大きかったと思います。
メンバーとのオンライン会議の様子。話し合いは難航しました
そこからは、点と点がどんどんつながっていくのを感じました。音楽に言葉は要らないから留学生も参加できる！ 喋(しゃべ)らないから対面でできる！ 楽器を演奏する人だけではなく聴く人も楽しめる！ 偶然の出会いから始まる連弾はつながりを生む！
一方、冷静になってみると「われわれのアイデアの新規性はどこだろう？」と再び壁にぶつかります。駅ピアノやストリートピアノを模倣するだけでは面白くありません。そこで、ピアノ以外にギターやタンバリンを設置することや、早稲田らしいイベントにするために、『紺碧の空』や校歌といった早稲田関連の曲に限定した演奏会を実施することを盛り込みました。
受賞後の先生方との記念撮影
コンペ当日は大変緊張しました。ただ、われわれはどのチームよりも、楽しいイベントを提案できる自信があったので、「笑顔で楽しもう」とチームを代表して村島さんと2人でプレゼンテーションに臨みました。その結果、最優秀賞を受賞できたことはもちろん、学生の投票によって決まる学生賞を頂けたことが何よりうれしかったです。自分たちの提案したイベントが多くの方々に共感してもらえたのだと、実感することができました。
イベントの企画を練っていく中で、われわれはいつの間にか“優勝したい”という思いよりも、“実現させたい”という思いの方が強くなっていることに気が付きました。コロナによって人との距離を取ることや、会話を控えることが求められている今、私たちは誰かとリアルにつながりたい、感動の共有をしたい、自分を表現したいといった思いを募らせています。キャンパスピアノはそういった願いをかなえ、私たちがこの2年間で忘れかけているさまざまな感情を、呼び起こしてくれるものだと考えています。受賞して終わりではありません。このイベントは、実現させてこそ意味があります。早稲田とつながる、早稲田でつながる、そして音楽でつながる。キャンパスピアノで、希薄化したつながりを取り戻しましょう！
第一弾として、早稲田大学国際文学館で、12月23日に開催決定。皆さんの参加をお待ちしております！（クリックして拡大）
