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コロナ禍で学生生活が一層充実 「環境を生かせるか否かは自分次第」

2021年度入学記念号

「早稲田大学は『やってみたい!』を実現するには最高の環境」

法学部 5年 上羽 友香(うえば・ともか)

新型コロナウイルス感染症拡大により、友人に会えない日々が続き、オンライン授業が中心となった2020年度の学生生活。そんなコロナ禍において、自身が設立した「学生団体OPEN」の活動をはじめ、休校期間中の小中高生への学習支援サービス「休校塾」やオンライン対話プロジェクト「できること会議」、法学部の新入生からの質問に答える「お助け法学部」など、この1年でさまざまな企画を実行してきた、法学部の上羽友香さん。それらの取り組みは、朝日新聞などのメディアでも取り上げられました。コロナをきっかけに社会問題に目を向けるようになったという上羽さんに、活動を通して学んだことや新入生へのメッセージなどを聞きました。

――これまで上羽さんが取り組んできた活動について教えてください。

2019年8月、「学生団体OPEN」の活動としてキッチンカーを出店(左端が上羽さん)

まず、最も力を入れたのは、2018年に自ら設立した「学生団体OPEN」での活動です。当初は東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げることを目的に活動していましたが、大会延期をきっかけに方針転換しました。2020年の春からは、コロナ禍の社会で発生する問題に対して学生としてできることに幅広く取り組んでいます。具体的には、高校生向けにオンラインで独自のオープンキャンパスを開催したり、キッチンカーで街を盛り上げたり、留学できなくなった学生に向けて国際交流イベントを企画したりといった活動を行ってきました。

また、2020年4月には、中学の同級生と2人で学習支援サービス「休校塾」を開設しました。休校期間中、自習に取り組む小中高生の質問に大学生がSNSやZoomを通じて回答するサービスです。学校再開までの2カ月間の活動でしたが、最終的には全国の60人近い大学生ボランティアの協力を得て、600人近い小中高生に利用してもらうことができました。

他にも、さまざまな社会問題について「自分にできることは何か」という視点で対話するプロジェクト「できること会議」を早稲田大学の友人と共同で設立してオンラインイベントを開催したり、法学部の新入生向けに、SNSを通じて気軽に質問できるサービス「お助け法学部」を運営したりしています。

――この1年間を振り返ってみて、コロナ禍の学生生活はどのようなものでしたか。

「休校塾」では、オンラインで小中高生の質問に回答

私にとって、コロナ禍はチャンスであふれていました。というのも、問題がたくさんある環境にはその分、行動を起こすチャンスも多いからです。

そもそもコロナ禍以前は、ただ毎日の自分の生活のことしか考えておらず、社会問題なんて自分には遠い話だと思っていました。ところが、新型コロナウイルス感染症拡大により社会が一変し、さまざまな問題が噴出。自分の生活も大きく変化したことで、社会問題を自分ごととして捉えるようになりました。それからは「自分が社会にできること」を考え、先ほどお話しした休校塾などの活動を一つ一つ実行していきました。

そうした活動から小さな成功体験を積み重ねていくうちに、平凡な大学生の私も社会の誰かの役に立てるのだと気付き、さらに新しい行動をしてみようと思えるようになったのです。不安定な社会だからこそ、状況に応じて柔軟に行動を変えていくことが大事だと感じました。私の大学生活は、コロナ禍が始まってから一層充実したように思っています。「ピンチはチャンス」を、身をもって体験した1年間でした。

――さまざまな挑戦をしていく中で、学んだことはありますか。

2018年10月、「学生団体OPEN」のミーティングで東京五輪を盛り上げるために何ができるか話し合っている様子(左から4人目が上羽さん)

行動を起こすときは、小さく始めることがコツだと学びました。私の場合は、最初から大きなことをしようと意気込んで無理をするより、背伸びせずにできることを積み重ねていった方が良い結果につながったんです。小さな取り組みでも、人々の共感を呼べたことで、思いがけないほど大きな規模に成長させることができました。

そして、学生が行動を起こすことにリスクは全然ないということも実感しました。失敗したところで大損をすることはありません。学生だからこそ社会が手を差し伸べてくれることも多く、注目も集めやすいです。そんな特権を生かして、大学生の間はどんどんチャレンジをした方がいいと思います。

――卒業後の進路や今後の展望を教えてください。

3年次に留学で半年間休学していたため4月から5年生となり、卒業は今年9月になりますが、4月からは日本で働きたい外国人をサポートする人材会社に就職します。もともと卒業後は海外に行こうと考えていましたが、コロナ禍で海外渡航の道が閉ざされたため、正直なところ最初は不本意ながら就活を始めました。ですが、いざ就活を始めてみると自分の興味・関心にあらためて気付き、最終的には自分に合った企業を見つけることができました。

また、コロナで社会がガラッと変わったことで、時間のあるうちにスキルを身に付けておきたいと思い、4年生になってから日本語教育能力検定試験を受験して合格し、行政書士の資格も取得しました。いずれはそれらを生かして、自分の手で外国人をサポートすることも考えています。

環境が変わればものの見方も大きく変わります。今後も自分の将来を「絶対にこうする」と決めてかからず、その都度自分がやってみたいと思えることや社会情勢に合わせて、柔軟にキャリアを選択していきたいと思います。

――最後に、新入生へのメッセージをお願いします。

コロナ禍で大学生活を充実させられるのだろうかと不安を感じている新入生も多いかと思いますが、与えられた環境を生かせるか否かは自分次第です。コロナ禍のような自分の手に負えない困難に直面することは、恐らく今後の人生においても多々あるでしょう。しかし、ただ文句を言うだけでは、状況は何も変わりません。皆さんにはぜひ思いを行動に移してほしいと思います。自分にできることは何か、考えてみてください。初めは小さなアクションでいいのです。それがいずれ多くの人を巻き込んだ大きな活動になるかもしれません。

そして早稲田大学は、「やってみたい!」を実現するには最高の環境です。自分の思いを発信していくうちに、数多くの早稲田の友達・先輩・先生が手を差し伸べてくれ、夢のようなことが実現する。そんな経験を私もたくさんしてきました。「こんな挑戦をして、充実していたんだ」と将来語れるような大学生活にしてください。応援しています!

第779回

取材・文:早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ
政治経済学部 3年 山本 皓大

【プロフィール】
東京都出身。都立国分寺高等学校卒業。1年次にさまざまなサークルに所属したものの自分に合う居場所が見つからず、それならばと2018年に自ら「学生団体OPEN」を設立した(2021年3月末に活動終了)。名称には「誰でも参加できる団体にしたい」という思いが込められている。趣味は海外旅行やダイビングなど。途上国を巡るバックパックの旅で訪れたマレーシアの多様性が気に入り、3年次には半年間休学して語学留学した。現在は自身の経験をブログや音声配信アプリなどで発信している。

早大生のための学生部公式Webマガジン『早稲田ウィークリー』。授業期間中の平日はほぼ毎日更新!活躍している早大生・卒業生の紹介やサークル・ワセメシ情報などを発信しています。

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