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きれいな高田馬場の象徴に 日夜清掃に励む「ロータリーの会」が描く未来

「このサークルの廃絶が究極の目標」

早稲田大学 ロータリーの会
代表 教育学部 4年 新井 国憲(あらい・くにかず)
副代表 法学部 3年 髙橋 永遠(たかはし・とわ)

(左から)新井さん、髙橋さん

早大生が待ち合わせなどに利用することも多い高田馬場駅前ロータリー。そのロータリーに、ゴミが散乱しているのを見掛けたことはありませんか? 2020年1月に発足した「早稲田大学 ロータリーの会」は、日々の清掃のほか、サークルや企業、地域と連携してユニークな企画を行い、街全体で高田馬場駅前ロータリーのゴミ問題を解決するために奮闘しています。同会を創設した新井さんと髙橋さんに、活動内容や清掃を続ける原動力、今後の目標について聞きました。

――ロータリーの会を創設した経緯を教えてください。

新井

昨年末、東京から地元の福岡県まで22日間かけて歩いて帰省したのですが、そのときに衝撃的だったのが、山の中に捨てられているゴミの量でした。僕たちが過ごす街がきれいなのは、どこかでゴミを拾ってくれる人がいるから。そのことを再認識して、何か行動を起こしたいと感じました。そこで思い付いたのが、高田馬場駅前ロータリーの清掃だったんです。年明けにTwitterで「サークルを立ち上げたい」とつぶやいたら、陸上同好会(公認サークル)の後輩である(髙橋)永遠が賛同してくれました。

髙橋

僕は大学2年次に留学したニュージーランドで、環境問題に対する日本との意識の違いに驚きました。ニュージーランドの人たちは、環境の日(世界環境デー、6月5日)にデモをやっていて、平日なのに大学生も大学を休んで参加していたのを覚えています。帰国後、所属する法学部のゼミで環境問題を学ぶようになり、身近なところから環境を変えていきたいと思っていた中、新井さんのツイートを見て、参加したいと思いました。

(写真左)東京から福岡まで、一人で完歩した新井さん。関門海峡の海底を通る「関門トンネル人道」の県境で
(写真右)ニュージーランドのHunua Fallsで友人と自然を満喫した髙橋さん(左)

――どのようにロータリーの清掃活動を行っているのですか。

新井

僕らが今年1月に活動を始める前までは、朝8時過ぎに区から委託された清掃員の方がロータリーも掃除してくださっていました。その方々に、「これからは僕らも掃除します」と伝えて、7時半ごろに集まって掃除するようになりました。

髙橋

それ以降、基本的に日曜日を除く毎日、ロータリーを掃除しています。ゴミ袋や清掃道具など、必要なものは自費で調達していますが、差し入れでいただくこともありますね。現在サークル員は17人います。僕ら2人が主体となりつつ、協力して活動を行っています。

新井

清掃員の方が来る前の時間に清掃を始めようと、朝の清掃から始めたのですが、最近は1週間ごとに朝と夜を入れ替えて掃除しています。サークル活動自粛が解除された8月以降、9月までは毎朝清掃をしていたのですが、ゴミの量に変化が見られませんでした。そこで、主にゴミが捨てられる時間帯である夜に、ゴミを拾う僕たちの存在を示すことで、ゴミの量がどう変わるか検証することにしました。

ゴミの増減を可視化することが重要だと考え、一つ一つゴミをカウントし、毎月データ化している(クリックして拡大)。数百本に上るタバコの本数を数えるのは、気の遠くなるような作業だという

髙橋

朝と夜の清掃とで、ゴミの量には大きな変化は見られませんが、夜に活動していると話し掛けられることが多いですね。「Twitterをフォローしています」「応援しています」という励ましの声をもらったり、活動について質問されたり、衝動的に協力してくださる人もいたりと、活動の意義を感じる場面が多いです。

――ゴミの量に変化が見られなかったときには、くじけそうになることもあると思います。活動を続ける原動力は、どこにあるのでしょうか。

新井

自分たちの活動に意味はあるのかと不安に思ったこともありましたが、毎日コーヒーを差し入れしてくださる地域の方など、応援してくれる方々のおかげで、続けることができています。高田馬場は自分たちの街であり、ロータリーは早大生が日々利用する場所です。「早大生として何かをしたい」という思いが、僕にとっての原動力になっているのだと思います。

髙橋

一回ゴミを見てしまうと、そのままにしておけないな、休めないなと思いますね。この問題にずっと向き合ってこなかったけど、一石投じたからには動き続けなくては、と。僕らの代で解決はできないと思うので、後輩につなごうという意識も持っています。新入生も入ってくれたことで、自分たちの姿勢を下の代へと伝えることも大切にしています。

活動自粛前には公認サークル「TAP-LOVERS」や「Walkin’」とのコラボ清掃も行った(左から3人目が新井さん、右端が髙橋さん)

――精力的に活動されていることが伝わってきます。これまでの活動で、印象に残っていることはありますか。

新井

10月に、新宿区立戸塚第二小学校の授業に参加したことですね。近所の小学生がロータリーを掃除していると早大生の間で話題になっていたので、小学校に突撃して直接聞いてみたんです。すると、6年生の総合学習で地域のことを考える授業があり、その授業の一環として清掃活動を行っていると知りました。そこで、学校の先生から、「せっかくのご縁ですから、地域の声として授業に参加しませんか」というお話をいただきました。

髙橋

授業では、ロータリーの会の現状の課題や今後の方針、なぜ「ポイ捨て」は駄目なのか、早大生としての高田馬場への思いを小学生に伝えました。ゴミの問題は、街全体で取り組んでいきたい問題です。ロータリーを使う人全員に問題意識を持ってほしいと思います。地域の人とつながっていくことで、できることも広がっていくはずです。そういう意味で、小学生とコラボできたというのは大きかったと思います。

(写真左)10月に行った、小学校での授業風景
(写真右)小学生とは一緒にロータリーの掃除も行った。生垣や縁沿いに捨てられたゴミまで、丁寧に拾ったという

――最後に、ロータリーの会の今後の目標と、早大生へのメッセージをお願いします。

Whistle CAFEとのコラボ企画として、清掃参加者にはワッフルを無料プレゼント中 (学生のみ、ワンオーダー必須、1人1回、期間は2020年12月末まで)

髙橋

この会の目標は、ゴミを拾うことではなくて、ゴミを捨てる人がいなくなること。僕らの代で会の存在を知ってもらい、「ゴミのポイ捨てって良くないことだよね」という空気感を街全体に広げていきたいです。

新井

まずは、積極的に他のサークルや企業とコラボを行うこと、また、地域の方とも連携して、活動の輪を広げていくことです。そして、ゴミがなくなって、ロータリーの会を廃絶させることが究極の目標ですね。会の清掃活動が必要ないくらい、ゴミのない街にすることが、僕らの活動のゴールだと思っています。みんなでロータリーに集まって和気あいあいとすること自体は否定しませんし、僕自身、地域の憩いの場所でもあるロータリーが好きです。ただ、自分たちのゴミをそのまま放置して帰る行為はやってはいけないこと。ゴミ問題に無関心にならず、街に関わる者として目の前の問題を自分事にしてほしいなと思います。


早稲田祭2020で公開した動画。早稲田界隈の飲食店から、清掃活動へのメッセージをもらった

第775回

取材・文:早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ
文学部 4年 我妻 はな

【プロフィール】

一緒にマラソン大会に出場したり、旅行したりと、仲の良い2人(左から髙橋さん、新井さん)

新井 国憲:福岡県出身。県立筑前高等学校卒業。教育学部では社会科地理歴史専修。趣味は旅、冒険。外出自粛期間中には漫画『ワンパンマン』の主人公のまねをして1カ月間毎日10km走り、腕立て・腹筋・スクワットを100回行っていた。ワセメシが好きで、油そば専門店「麺爺」でアルバイトをしている。「卒業後もしばらく旅をしようと思います」と話す。

髙橋 永遠:東京都出身。國學院大學久我山高等学校卒業。法学部では環境法のゼミに所属。趣味はピアノ。外出自粛期間中は、コロナ禍で生活リズムが崩れている学生やつながりが感じられない学生のために、「早稲田0限」という企画を立ち上げた。最近の趣味は、スペイン語でスペイン料理を作るYouTube動画を見ながら、自分で作ってみること。テレビ局でスポーツ番組に関連するアルバイトもこなす。

早稲田大学 ロータリーの会: @Rotary_waseda

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