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授業がコンサートに!? 音楽の魅力を多角的に捉える90分

音と音楽の表現領域
【基幹・創造・先進理工学部設置科目】

先進理工学部 2年 神庭 有花(かにわ・ゆか)

愛犬の光助と筆者

日常生活で耳にしない日はないほど、社会に溢(あふ)れている音楽。最近ではサブスクリプション方式での音楽配信も浸透し、より手軽に音楽を楽しめるようになっています。「音と音楽の表現領域」は、そんな音楽について学べる授業で、私は2019年度に履修しました(※)。

(※)2020年度春学期はオンラインで実施しました。

基本的にこの授業は、作曲家としても有名な菅野由弘先生(理工学術院教授)が、スライドを用いて講義する形で行われます。内容は多岐にわたりますが、音楽の歴史や分類といった「音楽の知識」に関する内容と、理工学部生だからこそ一層興味が湧くであろう、音響学などの科学的観点に基づく「音」についての内容が主軸です。1回の授業の中でさまざまな曲に触れるため、映像や音に溢れた授業になっているのが特徴です。

しかし、この授業の最大の特徴は、何といっても大隈記念講堂で行われるコンサートでしょう。毎年、菅野先生のお知り合いの著名な演奏家の皆さんが、私たち学生のために、数回にわたってコンサートを開いてくださいます。世界的な演奏を聴くことができるこのコンサートは、大学の授業であることを忘れるほどの至福の時間でした。一方で、堅苦しい雰囲気ではなく、演奏の合間に菅野先生と演奏家の皆さんの軽妙なトークなどを楽しめた点では、大学の授業の一環としての特性も存分に感じられました。そんなコンサートの中で、特に印象に残っている楽曲を2曲紹介したいと思います。

2019年度第2回コンサート「ピアノの世界」。(左から)菅野由弘先生とピアニストの小川典子さん

一つは、ピアニスト・小川典子さんによる「水の粒子~ピアノと明珍火箸のための」という曲です。火箸を楽器に見立てるという発想はもちろん、小川さんがピアノと火箸を同時に演奏されていた点に非常に驚かされました。作曲した菅野先生によると「古池や 蛙飛び込む 水の音」という、かの有名な松尾芭蕉の俳句をイメージして作られたそうです。火箸の音が徐々に小さくなっていく様子が、水面に波面が広がっていく情景を見事に捉えているように思えました。

もう一つは、ヴァイオリニスト・大谷康子さんによる「チャルダッシュ」です。この曲では、大谷さんが客席後方から登場し、そのまま客席を巡りながら演奏されていたので、ヴァイオリンの音の大きさが間近で感じられ、その迫力に圧倒されました。また、テンポの速い後半では、観客である学生全員で手拍子をして演奏に参加し、とても楽しかったことを覚えています。

この授業を通して、音楽を論理的に読み解くための幅広い知識と、生の演奏の持つエネルギーの強さについて知ることができました。より身近になっている音楽との向き合い方を考えさせられる有意義な授業だったと思います。

(左)2019年度第3回コンサート「ヴァイオリンとピアノの地平」。(左から)菅野由弘先生、ピアニスト・藤井一興さん、ヴァイオリニスト・大谷康子さん
(右)ヴァイオリンを演奏しながら客席を巡る大谷康子さん

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