第17代総長の田中愛治先生は、2018年からの新しい総長選挙制度により総長就任以降は政治経済学術院教授の職位を離れ、客員教授として政治経済学部で「政治学演習(ゼミ)」を担当してきましたが、2019年度の4年生を送り出すと、同学部での授業担当を全て終えるため、2020年1月25日に大隈記念講堂で最終講義を行いました。
最終講義では「現代日本政治システムの正統性―有権者・無党派層はどう見てきたのか?―」と題し、1985年にThe Ohio State Universityに提出した博士論文以来、35年間一貫して取り組んできた研究テーマについて、1976年から2019年までの日本政治の実証的データの計量分析を基に講義をされました。
田中先生の講義に先立ち、川岸令和政治経済学術院長が開会の挨拶を述べ、司会の日野愛郎教授(政治経済学術院)が田中先生の世論調査の研究開発における貢献を紹介されました。講義の後には、Frances Rosenbluth教授(Yale大学教授、早稲田大学学外理事)、西澤由隆教授(同志社大学)、河野勝教授(政治経済学術院)、遠藤晶久准教授(社会科学総合学術院)がコメントを述べました。これら6名の先生方のお話は、田中先生が独自の仮説を検証する壮大なスケールの意義深い研究をしてきたことと、研究者としてまた教育者として、いかに日本の政治学および早稲田の教育に貢献してきたかを浮き彫りにしました。