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総長挨拶 早稲田での学びに自信を持って社会に!【2019年度卒業記念号】

早稲田大学 総長 田中 愛治(たなか・あいじ)

皆さん、ご卒業・修了、誠におめでとうございます。

本来は、卒業生・修了生の皆さんに卒業式・大学院学位授与式でお会いして直接お祝いを述べたかったのですが、新型コロナウイルスの感染が広がったために、卒業式を中止致しましたので、叶いません。大変残念です。私たち教職員は何度も会議を開き、熟議に熟議を重ねて、皆さんが社会に出る前に新型コロナウイルスに感染するリスクは絶対に避けるべきとの判断により、卒業式の中止という苦渋の決断を致しました。このことは本当に残念でなりません。もちろん、皆さんが感じている悔しさは、私たち教職員が感じている悔しさの数十倍であろうと推察しております。それだけに、将来何らかの形で皆さんにお会いする機会を設けられればと考えております。

皆さんは早稲田大学在学中に多くのことを学んだと思います。今日、人類が直面している問題の多くは正解がありません。それらの未知の問題への解決策について、自分の頭で考えるという方法を、皆さんは早稲田で学んだことでしょう。その知的な訓練を、私は「たくましい知性を鍛える」と名付けました。皆さんは「たくましい知性」を育んだことに、自信を持って卒業してください。

また、早稲田大学はここ数年間、どの学部に所属している学生でも履修できるグローバルエデュケーションセンターの基盤教育、副専攻、人間的力量の育成など、新たな教育プログラムを整えてきました。特に基盤教育においては、(1)「学術的文章の作成」、(2)英語の発信力を強化する科目群、(3)「数学基礎プラス」、(4)「データ科学入門(旧統計学)」、(5)「情報科学の基礎」などの重要で先進的な科目を提供してきました。これらの早稲田大学の教育環境は、日本では他に類を見ない優れたものであり、今後皆さんが社会に出て「たくましい知性」を発揮する際の基盤となるものです。

さらに、早稲田大学は日本で最も国際化した大学になりました。早稲田で学ぶ外国からの留学生は1年間に約8,000名、早稲田から海外の大学に留学する学生も1年間に4,600名に及びます。また、2017年4月には国内初となるセクシュアルマイノリティ学生の支援施設「GS(Gender and Sexuality)センター」を開設しました。それらにより、早稲田は異なる言語、民族、人種、宗教、信条、文化と、年齢、性別、障がい、性的指向・性自認が異なる人々に触れて、その人々の考え方を尊重できる「しなやかな感性」の育成を促してきました。

皆さんは早稲田大学で「たくましい知性」と「しなやかな感性」を学んだことに誇りを持って、4月からの新たな道に進んでください。そして、時々は母校の早稲田に帰ってきてください。今よりも一層輝いている皆さんを、今よりも輝いている早稲田がお迎えします。

最後に、卒業生・修了生の皆さん、そして皆さんを今日まで支えてこられたご家族・ご友人の皆様に心からのお慶びを申し上げて、お祝いの挨拶とさせていただきます。

撮影:小野奈那子

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