早大生への愛情から生まれた裏メニュー・BIG盛り
「蕎麦 三晃菴」
【取材・文】
早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ)
教育学部 3年 川名 美希(かわな・みき)
西武新宿線東伏見駅北口から徒歩数十秒、「ダイドードリンコアイスアリーナ」へ通じる踏切脇にある「蕎麦 三晃菴(そば さんこうあん)」。ガラス越しにそば打ち場が見えます。1927年(昭和2年)に東伏見に店を構え、現在のオーナーは4代目。店名は、地元の東伏見稲荷神社と西武鉄道、そして店の三つが栄えるようにと名付けたそうです。
(写真左)客席と厨房(ちゅうぼう)をつなぐカウンター。早大生が一人で訪れ、店の人と会話をしながら食事をすることも多いという
(写真右)外観。東伏見駅北口の階段を下りると正面に見える
のれんをくぐると、茶色で統一された店内に、一枚板の重厚なテーブルや、竹とアイアンを組み合わせたいすなど、昔ながらのおそば屋さんのイメージとは異なる、モダンで温かな空間が広がります。内装は落ち着いた雰囲気ですが、来店客は地元の方から学生までさまざまで、お昼の時間は学生でいっぱいになることもあるそうです。近くに早稲田大学東伏見キャンパスがあることから、昔から体育各部の早大生も多く訪れていたそうで、カウンター上には野球部やア式蹴球部など、選手のサインがずらりと飾られています。
メニューの多さもこの店の特徴です。学生に人気のメニューは「BIG盛り」シリーズ。BIGとは通常の1.5倍盛りで、メニューには記載されていない学生限定の無料サービスです。割引券を持っていればさらに100円割引されるのでお得です(持っていない学生はお店の方に声を掛けてみてください)。BIG盛りは、カウンターで食事をする学生とお店の方のやりとりから生まれたサービスで、もっとたくさん食べたいという学生の声に応えたものだそう。お店の方の温かくて優しい思いが伝わってきました。普通盛りのせいろもボリュームがあるので、BIG盛りをオーダーするなら、ちゃんと完食できる自信のある学生であることがマストです! 私は一番人気のBIGせいろとBIGミニカツ丼のセットをいただきました。
そばに混ぜる小麦粉は北海道産を使用し、メニューによってその割合を変えているそうです。通常のメニューで出されるのは、一般的に一番おいしいとされる小麦粉2:そば粉8で打った二八そば。こしがありながらなめらかで、のどに滑り込みます。カツ丼のカツは柔らかく、ほどよい濃さのだしと卵が相まって、あっという間に完食です。
その他、女性に特に人気のメニューは「冷やしちから」。揚げ餅は口に入れた瞬間に、衣に混ぜたごま油の香ばしい香りが広がります。「餅はおなかに重そう」と思いがちですが、かつお節と昆布のだしが効いたすっきりとしたつゆをかけ、キュウリや野菜の天ぷらと一緒に食べるとさっぱりとしていてペロリと食べられます。
東伏見に来たら、温かい雰囲気の中で、ボリュームたっぷりのおそばや丼を食べに足を運んでみてはいかがでしょうか。おなかも心も満たされ、リピーターになること間違いなしです。
店舗情報
【店名】蕎麦 三晃菴
【住所】東京都西東京市富士町4丁目13-21
【TEL】042-461-0544
【営業時間】月~金 昼11:00~15:00、夜17:00~21:00
土、日 11:00~21:00
【定休日】水曜
店主の渡辺さんより早大生へ一言
「店構えから、入りづらいと言われたこともありますが、そんなことは全然ありません。気さくな店ですので、カウンター席で食事とおしゃべりを楽しんでください。お待ちしております」