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モンゴル文化に欠かせない、日常のニーズを超えたシンボル「馬宝」

騎馬民族の誇りを現代でも大事にしています

政治経済学部 2年
アマルサイハン・アマルリン

「あなたは馬で学校へ通ってたの?」という質問を日本へ来てからたくさんされました。「いいえ、私は都会の子だから、馬じゃなくてバスで通っていました」。

私の故郷モンゴルというと、他の国の人々は、大草原で暮らす騎馬民族というイメージが強いので、このような質問をされたのでしょう。

私は都会の子ですが、友達に聞かれた「馬」という動物は、私にとって特別な存在です。私だけではなく、モンゴル人全員にとって馬は動物というより宝ものです。モンゴル人と馬の関係を、ただ飼い主と家畜の関係と考えてはいけません。モンゴル人にとって一番大切な友であり、過去には主人の命を助けた例も少なくありません。13世紀、チンギスハーンが世界の4分の1に当たる土地を征服できたのは、モンゴル馬の忍耐力のお陰だと言われています。

馬で登山もします

モンゴル語に「馬宝」という言葉があります。仏教の考えで、古来より馬は国家の七つの宝の一つとされてきました。大自然の中、厳しい気候の下で暮らしてきたモンゴル民族にとって、馬は毎日の生活に欠かせない乗り物でした。それが何千年もの歴史を経て日常のニーズという概念を超えて、民族の誇り、良き運勢と繁栄のシンボルとなったのです。

古代、モンゴル軍は馬の尻尾の毛で作られた旗を使っていました。現在も政府庁舎に「九本の白い国旗」という尻尾の旗が飾られており、1年に1回、一番大きな祭りであるナーダム祭のとき、特別な儀式の下でスタジアム会場で2日間飾られます。鞍などの馬具をモンゴル人は大変大事にし、田舎や都会に限らず、家の床の間に置きます。

馬の尻尾の毛で作られた「九本の白い国旗」

馬頭琴

日本になじみのあるモンゴルの物としては、日本では小学校の教科書にある『ス―ホの白い馬』という昔話を通じて、馬頭琴(ばとうきん)というモンゴルの民族楽器について知った人が多いようです。ス―ホという少年は亡くなった愛馬を惜しみ、尻尾の毛で楽器を作ったという話です。馬頭琴はモンゴルを代表する楽器であり、卒業式などのイベントの開会式で演奏されます。また、「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ」などの諺(ことわざ)をはじめ、モンゴル人の考えを表した言葉が多くあります。

先に述べたナーダム祭のとき、モンゴル人が大好きな競馬が行われます。他の町の人々と同じように、私の家族も夏休みの間、田舎へ行き、レースに参加する自分の馬を応援します。私は愛馬に乗れる夏休みを毎年楽しみにしています。皆さんもモンゴルへ来てください。馬に乗って、一緒に広い草原を走りましょう。

 

モンゴルの大草原で行われる競馬

◎ モンゴルはこんなところ ◎

モンゴルは中国とロシアに隣接する国で、広大な大地と移動式住居「ゲル」での暮らしに象徴される遊牧民文化で知られている。首都ウランバートルは、 スヘバートル広場を中心とする都市で、歴史的および民族学的な品々を展示するモンゴル国立博物館や、再建された 1830 年のガンダン・テグチンレン寺が有名。成田国際空港からウランバートルまで直行便で約5時間30分、時差は日本より1時間遅れ。

 

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