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~ドイツから早稲田へ~狂言研究会で古文の理解深める薔薇色サークルライフ

伝統芸能の話の面白さ、登場人物の愚かさに魅せられる

大学院文学研究科 修士課程 1年 クーン ヤン ルーカス

留学というのは、半年であれ一年であれ、日常からの夏休み。自分のことと将来のことをゆっくり考える暇を許せるモラトリアム。旅行をしたり、だらだらできる時期でもあります。それはそれでいいかもしれない。いや悪いかもしれない…僕の場合はもう既に2回目の留学なので(初めての留学は上智大学でした)、時間を無駄にしないようにこの半年をどう過ごすか焦っていました。

留学の目的について、例えば「言語能力を発達させるための留学」とよく言われますが、それは具体的にどういうことでしょうか? 僕の場合は、日本語を正しく発音できるように努力することでした。ドイツの日本語教育では、発音とアクセントをあまり教えてもらえないからです。発音を中心に授業という形で勉強できるのは、早稲田大学が初めてでした。そして、その授業で身に付けた知識を使用する環境を作ることが次のステップでした。それはたぶん、外国語習得では文法の練習や教科書の選び方よりはるかに大事だと思います。

それにはサークルが重要な役割を果たします。森見登美彦の『四畳半神話体系』(2005年、太田出版)でいうと、僕の留学で「薔薇(ばら)色のキャンパスライフ」、そして「黒髪の乙女」が約束されるかどうかはサークルの選択によります。黒髪の乙女はともかく、これは1回目の留学から得た教訓でもありますが、「サークル参加=キャンパスライフの充実」という事実を僕は既に知っていました。

高校時代に演劇部に入っていた僕は、演劇で有名な早稲田大学でも演劇サークルに入ろうと留学前から考えていました。しかし、よりによって狂言研究会(公認サークル)に入るなんて、今回の留学で最も思いもよらないことでした。入会してみると、伝統芸能で繊細な動き方や抑揚(音痴と運動音痴でお稽古は大変でござれども)とその話の面白さ、登場人物の愚かさのギャップが興味深く、本当に好きになりました。

写真左:狂言のお稽古風景、写真右:狂言研究会の仲間と(前列中央が筆者。筆者の左は指導してくださる狂言師の中村先生)

野村萬斎師が監修し、6月2日に開催された 六大学狂言研究会による学生狂言自演会「第十五回蝉の会」にて

狂言師・俳優として有名な野村萬斎の著書『狂言サイボーグ』(2001年、日本経済新聞出版社)によると、「狂言は『この辺りのものでござる』という登場人物から始まる。つまり特定した有名人ではなく、一般人の誰か…を代表する、まねをするという宣伝をして始まる」。それを読み、なぜか僕はふるさとの物語を思い出しました。村の狩人が動物を撃ち殺し、巨大な大鹿かと思って喜んだら実は牛だったという内容ですが、非常に狂言っぽいのではないかと感じます。僕だけかもしれませんが…。

ちなみに、「狂言に使われている古文を理解するのは大変じゃないか」とよく聞かれますが、僕が在学しているドイツのトリーア大学の日本学科では、現代語はもちろん、古文や漢文も勉強する人が多いです。なので、海外留学を希望している方は、日本文化や研究に興味を持っている学生が多いトリーア大学にもぜひ行ってみてください。

~早稲田で得た光栄な経験~

WICの友達とスピーチの内容を考え中

昨年10月、早稲田の留学生オリエンテーションで公認サークル・国際学生友好会(WIC)が毎年留学生スピーチコンテストを行っていることを知って、半分気まぐれで応募しました。グループを作ってスピーチの原稿を一緒に書き上げた後、日本人のメンバーが僕の発音とイントネーションを直してくれたりしました。日本語を徹底的に練習し、同時にたくさんの新しい友達を作ることができる機会でもありました。まさに一石二鳥。そして、本番では大隈記念講堂でスピーチすることができたのです。僕にとって、とても光栄な経験となりました。

スピーチコンテスト後、大隈記念講堂で記念撮影(前から2列目、右から2人目が筆者)

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