スポーツの秋。厳しい残暑もようやく和らぎ、体を動かしやすい季節が到来しました。早稲田大学戸山キャンパスには、街のスポーツジム顔負けのマシンを豊富に取りそろえたトレーニングセンターと、プロのインストラクターのヨガやピラティスレッスンが受けられるリフレッシュスタジオがあり、トレーニングセンターは年間登録料4,500円、リフレッシュスタジオは登録日からその年度末まで1,500円で使い放題。気軽でリーズナブル、かつ効果的にトレーニングを始めたいと考える学生にうってつけの施設です。
そこで今回は、その魅力を伝えるべく、早稲田ウィークリーレポーターがそれぞれの施設に潜入レポート。また、筋トレ系自己啓発書の著者で、現在Bリーグ(プロバスケットチーム)仙台89ERSの専属ストレングスコーチでもある校友(卒業生)の久保孝史さんに、筋トレが私たちにもたらすメリットや、初心者からトライできるトレーニング5選を伝授していただきました。早大生ならではの特権を活用し、体力も気力も充実した秋学期を過ごしましょう。
INDEX
▼筋トレ著書が大人気の校友トレーナーが指南!
「ハッピーな大学生活の礎の一つとなるもの。それはズバリ筋肉です」
▼大手スポーツジムも顔負けの充実度!
トレーニングセンターに潜入してみた!
リフレッシスタジオのヨガレッスンに潜入してみた
▼今すぐ登録! リフレッシュスタジオ利用方法
筋トレ著書が大人気の校友トレーナーが指南!「ハッピーな大学生活の礎の一つとなるもの。それはズバリ筋肉です」
仙台89ERS ストレングス&コンディショニングコーチ・博士(スポーツ科学) 久保 孝史(くぼ・たかふみ)

早稲田大学大学院スポーツ科学研究科 博士後期課程修了。大学院時代は特にスクワットの研究に熱く取り組む。アスリートに対し自らの研究・分析データなどを提供するなど、成長が伸び悩む選手の支援を行うとともに、日本に長年根付く間違ったトレーニング方法の改善に日夜尽力している

健康、メンタルヘルス、集中力アップなど…「筋トレ=最強のソリューション」を最新の科学的エビデンスで実証した筋トレ系自己啓発書(文響社)
例えば、筋トレは、メンタルヘルスに悪影響を与える可能性が高い「焦燥感」「不安感」などを低減させると示す多くの研究があり、トレーニングによって分泌される「テストステロン」や「セロトニン」といったホルモンには、心を落ち着かせる、安定させる、脳を最適な覚醒状態にする、やる気を向上させうるとされています。また、スポーツや心理学の分野における複数の研究で「筋トレは自尊心を保つ、もしくは高める」という報告も。さらに、ケンブリッジ大学の研究チームの調査では、テストステロンの分泌によって自信と集中力が高まり、それが好成績につながる可能性があることが報告されています。
夏の疲れを引きずったまま新学期を迎え、イマイチ調子が出ないという学生こそ、重たい体をえいっと起こして、筋トレを始めてみてはいかがでしょう。自分のペースで筋肉を動かしているうちに、いつしかごきげんな自分が戻ってくるはず。お金も時間もない? いやいや、早稲田大学にはキャンパス内に恐ろしくリーズナブルで立派なトレーニングセンターがあるじゃないですか。まずは、一緒に潜入してみましょう。
大手スポーツジムも顔負けの充実度。
トレーニングセンターに潜入してみた!
久保さんが早稲田ウィークリーレポーターと一緒にトレーニングセンターを初訪問。充実した設備の中から、初心者でも安全に使えるお勧めマシンを厳選し、空きコマでも効果がでるトレーニングをレクチャーしていただきました。
早稲田ウィークリーレポーター 社会科学部 3年 堤 壮太郎(つつみ・そうたろう)

戸山キャンパス30号館(学生会館)地下2階にあるトレーニングセンターにて
堤
久保さんは、今回初めて戸山キャンパスのトレーニングセンターに足を踏み入れたそうですね。トレーナーとして数多くのスポーツジムを訪問されたと思いますが、どんな印象を持ちましたか?

トレーニングセンター入口にて。登録手続きは右手のカウンターで行う
久保
所沢キャンパスに通っていたので、こちらは初めてなんです。いいなぁ、こんな施設がキャンパス内にあって、しかも年間登録料が4,500円なんて。まず、大手スポーツジムと全く変わらないマシンの種類の充実度に驚きました。筋トレに必要なほとんどのマシンを網羅しています。あと、体育各部やバーベルクラブのようなトレーニングサークルの学生が占拠している特別な空間なのかな、と想像していたのですが、いろいろなタイプの学生が利用しているのも、良い意味で予想を裏切られました。初心者でも、人目を気にしたり萎縮したりせずに利用できる自由な雰囲気ですね。
堤
1カ月に換算すると375円。コーヒー1杯分でジムの会員になれるって、他にはなかなかないですよね。でも、上級者向けな感じがしてハードルが高い、と二の足を踏んでいる学生が周囲に多い気がします。
久保
気持ちは分かります。でもね、そんな心配は無用。このジムのすごくよく作られている点は、マシンのレイアウトで、入り口をくぐって右手のエリアに上級者向けの本格的なマシンが並んでいます。そして左手は初心者で安全に使えるマシンがレイアウトされている。初心者から中級者の学生は、迷わず左手に進めばいいんです(笑)。
写真左:軌道を安定させたまま安全に体を動かせるマシンが並ぶ左手エリア。初心者でも鍛えたい筋肉を集中的にトレーニングすることができる
写真右:バーベルなど、軌道が安定していない状態で体を動かすフリーウェイトが置かれている右手エリア。多くの筋肉を使うことができる反面、けがの恐れもあるので上級者向け
堤
入って左ですね! 慣れるまで決して右側には近寄らないようにします(笑)。そして初心者って、ジムに行っても何から始めればいいのか、マシンの使い方も分からないと思うのですが、空きコマにここに来て効率よくトレーニングしたい場合、どのマシンでどの程度筋トレするのがお勧めでしょうか。

まずは有酸素運動から始めたいという学生には、左手奥にズラリと並ぶランニングマシンやエアロバイクも
久保
空きコマに着替えて、トレーニングして、また着替えて教室に移動となったら、トレーニング時間はせいぜい30分程度でしょうか。では、その時間内に効率よく筋トレできる4つのマシンと、マットを使ったトレーニングを1つ紹介しましょう。
胸筋から腹筋まで引き締める「チェストプレス」10回×3セット
久保
主に胸筋を刺激し、上腕三頭筋、三角筋なども強化されます。性別や体格によって個人差があるので一概に何キロの負荷で、とは言えないのですが、初心者ですと6、7キロくらいの負荷から始めてみてください。肩甲骨を寄せながら行うと、より重い重量を扱えて楽しいですよ。
下半身だけでなく全身の筋力強化がかなう「レッグプレス」10回×3セット
久保
大腿四頭筋、ハムストリング、内・外もも、臀(でん)筋などの下半身の筋肉を主に強化します。まずは、肩幅と同じくらいの足幅で行ってください。足幅や足を置く位置を変えても使う筋肉が異なります。慣れてきたらいろいろ試してみましょう。
腰とお尻を鍛える「バックエクステンション」15回×2セット
久保
背中の中でも特に腰椎部の筋肉を強化。同時に、臀筋、ハムストリングなどの下半身の筋肉も鍛えることができる。胸の前で手をクロスし、上半身をゆっくりと曲げます。次に背筋に力が入っていることを感じながら、上半身をゆっくりと戻します。下半身を意識するのが難しいですが、慣れてきたらとても効果的な種目です。
上半身全体の筋力強化に! 「ラットプルダウン」15回×3セット
久保
広背筋、上腕二頭筋などを強化し、上半身全体の筋力強化に役立ちます。また、肩甲骨の動きを正しくすることで、姿勢の改善にも効果があります。肩甲骨を上下させる意識で行うといいでしょう。
腹筋引き締めの最大効果が期待できるマットトレーニング・10回×2セット
久保
マット運動ができるスペースも有効活用しましょう。仰向けで横になり、膝を90度に曲げて足を持ち上げます。おなかをのぞき込むように、肩甲骨が床から少し浮く程度に頭を持ち上げます。反動をつけず、首や腕に力を入れないのがポイントです。
堤
2、3セットと聞くと「少ないのでは?」と思いましたが、鍛えられる部位を意識してトレーニングすると結構ハードですね。でも短時間で済むので、これなら週に数回継続できそうです。
久保
そう、筋トレってむやみに負荷を掛けたり回数をこなせばいいってものじゃないんです。しかもいきなり週3やるぞ! ではなく、まず週1からで十分。月に375円だったら週1の利用でももったいないと感じないですよね。会費の高いジムに気合を入れて入会、というより、気軽に授業の合間に通えるトレーニングセンターから始める方が、案外継続できるような気がします。そして、3カ月もすると体も変わり、ごきげんな日が続いているのを実感できることでしょう!
堤
年末にはバージョンアップした自分になってるかな? がんばります!
今すぐ登録! トレーニングセンター利用方法
利用するには、まず登録が必要です。以下の4点を用意して学生会館地下2階トレーニングセンターにて手続きをします。その場で「利用証」を発行しますので、そのまま同じ日に初回のトレーニングを開始できます。
◆健康診断書(受診項目は、身長、体重、血圧、検尿、内科問診)※年度内に受診したもの(大学の健康診断を受診した場合、学生証裏面シールの「●●年度学生健康診断受診済」の押印で受診状況を確認します)
◆顔写真1枚(4cm×3cm)(学生会館1階に設置されている「証明書用写真機」(有料)でも撮影可能)
◆手数料収納証(4,500円)(学生会館2階インフォメーションセンター前に設置されている「手数料収納機」で購入可能。トレーニングセンターでは購入できません)
◆学生証
■登録料(手数料収納証を購入)
4,500円 登録日より1年間有効
■登録方法
学生会館地下2階トレーニングセンターにて受付
■利用案内
【場所】早稲田大学 戸山キャンパス 学生会館 地下2階
【時間】月~土 10:00~21:00 日・祝日 12:00~19:00
※閉室時間の30分前まで利用できます。
※学生会館休館日は閉室します。
■お問い合わせ
【e-mail】[email protected]
随時申込可能ですが、閉室前30分間は受付できませんので、ご注意ください。
ピラティス、ヨガが年間1,500円で受け放題!
リフレッシュスタジオに潜入してみた!
早稲田アリーナ地下1階多目的運動場にあるリフレッシュスタジオでは、ヨガやピラティス、エアロビクスなどのレッスンが開催されています。ヨガ初体験の学生レポーターが、「ベーシックヨガ」のクラスに潜入。インストラクターの坂出哲子さんに、多彩なプログラムの魅力を伺いました。
リフレッシュスタジオ インストラクター 坂出 哲子(さかいで・のりこ)
早稲田ウィークリーレポーター 文化構想学部 3年 田邊 紗彩(たなべ・さや)

戸山キャンパス 早稲田アリーナ地下1階 多目的運動場にあるリフレッシュスタジオにて。大手スポーツジムのヨガレッスンを長年受け持つベテランインストラクターの坂出さん。2019年から早稲田大学リフレッシュスタジオのインストラクターとしても活躍。
田邊
学生会館でレッスンのポスターを見かけて、レッスンは全て17時以降の時間帯に設定されているので、授業終わりに行ってみたいと思っていました。でも、常連の上級者ばかりだったら気まずいな、とちょっと不安で。また、手続きも面倒そうと感じていました。
写真左:多目的運動場の入口にて
写真右:多目的運動場。ここをリフレッシュスタジオとして使用している
坂出
トレーニングセンターで登録をするとその場で発行される「スタジオ利用証」さえ持参すれば、事前予約なしでご参加いただけます。継続した方が当然効果は定着しますが、単発で参加いただいても構いません。最初はハードルを感じる方も、一度受講するとその気軽さと、レッスン後の爽快感にリピーターになる方がとても多いんですよ。
写真左:民間のヨガスタジオ同様、前方に鏡を設置しているため、自分のポーズを確認することができる
写真右:ヨガ初体験とは思えぬ、様になる田邊さんのポーズ。「どこを意識してどういう風に体を動かせばいいのか、先生のレクチャーがとても分かりやすい!」(田邊さん)
田邊
今回、初めてヨガのレッスンを受けたのですが、ストレッチやリラックスタイムを多く取っているので、心配していたほどハードでなく、1時間があっという間でした。
坂出
各自自分のペースで動いてもらい、つらいポーズなどがあれば、休憩していただいても構いません。また、意外とおなかや脇腹を使う動きが多いので、リフレッシュだけでなく筋トレの効果も期待できます。
田邊
ヨガの他にどんなレッスンがありますか。
坂出
2023年度秋学期は全部で7つのレッスンを用意しています。早大生は体育の授業が選択制なので、運動する機会が全くないという学生もいると聞きます。バラエティーに富んだプログラムを用意しているので、ぜひ空きコマや授業終わりに立ち寄って、運動不足を解消してください。
秋学期7つのレッスンの特徴とレッスンスケジュール
◆骨盤ストレッチ:骨盤を中心に、身体の内側の凝り固まりを緩めるような動的なストレッチを取り入れたクラス。
◆ピラティス:身体本来の正しい使い方を学んでいくクラス。体幹を鍛えられて、正しい姿勢や疲れにくい体になることを目指す。
◆ダンスエクササイズ:音楽に合わせて楽しく、ストレッチやリズムトレーニング、バランストレーニングを行う。
◆リラックスストレッチ:ストレッチポールを使ってストレッチをするクラス。全身のコリや疲れをリセットしていく。
◆リラックスヨガ:心身の癒やしを目的としたヨガレッスン。骨盤のゆがみや姿勢の改善を行う。
◆ベーシックヨガ:集中力の強化、リフレッシュを図る。おなかや脇腹を使う動きが多いので、それらの引き締めも。
◆ベーシックエアロ:有酸素運動で脂肪燃焼させながら、楽しく汗をかくことを目的としたクラス。
田邊
登録料1,500円で何回もレッスンを受けられるんですよね? 早稲田大学、太っ腹!(笑)。これは早大生であることの大きなメリットの一つだと、声を大にして伝えたい!
坂出
民間のヨガスタジオだと体験レッスンがそのくらいの価格ですから、まずは一度試してみるか、という軽い気持ちで登録してみてはいかがでしょうか。
今すぐ登録! リフレッシュスタジオ利用方法
■登録方法
1.レッスンに参加するには、登録が必要です。学生証・手数料収納証(1,500円)を用意して学生会館地下2階トレーニングセンターにて手続きをします。その場で「スタジオ利用証」が発行されます。
2.各レッスンへ参加する場合は、レッスン当日の開始時刻までに直接会場にお越しください。インストラクターに「スタジオ利用証」を提示し、その場で参加受付を行います。各レッスンは定員制のため、当日の参加者数が定員(40名)になり次第受付を終了します。
その他、利用方法はこちら。
■登録料(手数料収納証を購入)
1,500円、登録日~年度終わり(3月31日)まで有効
■会場
早稲田大学 戸山キャンパス 早稲田アリーナ地下1階 多目的運動場
■お問い合わせ
【e-mail】[email protected]
撮影:深堀 雄介
【次回フォーカス予告】10月9日(月)公開「所沢祭/所沢キャンパス特集」