Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

ボランティア14団体が集結「WASEDA地域応援ネットワーク」発足

学内に多数あるボランティアサークルやボランティアプロジェクト。「平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)」が支援している団体(公認サークルも含む)は30以上に上ります。今回はこの春、日本のさまざまな地域を盛り上げようと活動している団体の中から立ち上がった「WASEDA地域応援ネットワーク」について、活動メンバー4人に話を聞きました。

左から山本さん、涌井さん、小泉さん、高谷さん

「学生NPO農楽塾」(公認サークル)幹事長:文学部 3年 涌井 陽(わくい・よう)
「狩り部」(WAVOCプロジェクト)代表:社会科学部 3年 高谷 健人(たかや・けんと)
「学生団体こだま」副幹事長:大学院環境・エネルギー研究科 修士課程 1年 山本 遼(やまもと・りょう)
「いすみっこ」代表:政治経済学部 2年 小泉 勇輔(こいずみ・ゆうすけ)

――まずは、皆さんそれぞれの活動について教えてください。

涌井

「学生NPO農楽塾」は、大隈庭園で稲や野菜を育て、学生や子どもたちと農業体験をしているほか、所沢や全国各地で農作業のお手伝いをしています。また、僕は「思惟の森の会」(公認サークル)にも所属しており、岩手県田野畑村で、契約林の除伐や間伐を中心に、林業を学ぶ活動をしています。

「学生NPO農楽塾」活動写真(左)大隈庭園内にある「わせでん」では、毎年6月に一般参加者を交えて田植えを行う(右)わせでんの隣には菜園もあり、さまざまな野菜を育てている

高谷

私の所属する「狩り部」は、千葉県鴨川市・山梨県丹波山村で、狩猟を通じて獣害を減らす活動をしている団体です。地元の猟師さんのお手伝いをしたり、農家の方に獣害の現状を教えていただいたりしています。

「狩り部」活動写真(左)箱罠を仕掛けるお手伝い(右)プロの猟師に罠の作り方を教わることも

山本

「学生団体こだま」は、JAを通した埼玉県本庄市児玉地域の農業活性化、農林水産業の勉強会に力を入れています。JA直売所の活性化プランを提案したり、本庄を中心とした各地域の野菜を使ったカレーイベントを定期的に行ったりしています。

「学生団体こだま」活動写真(左)本庄児玉地域の農家でのキュウリ収穫(右)同地域で収穫された野菜を持って学内で宣伝

小泉

「いすみっこ」は千葉県いすみ市で、地域活性化のお手伝いをしています。地域との交流という枠の中で会員の興味に合わせた幅広い活動が行えるので、「やりたいことが見つけられるサークル」であると思います。

「いすみっこ」活動写真(左)空き家となった古民家のリノベーションをお手伝い(右)いすみ市独自の教育プログラムの一つ、高校生と対話しながらお互いの考えを深める対話型の授業

――それぞれの地域の魅力は何でしょうか?

小泉

海と山、都会にはない自然があるというのはもちろん、“田舎あるある”だと思うのですが、人の温かさというのが一番ですね。

涌井

海と山があるということでは(「思惟の森」活動地の)田野畑も、いすみと近いかな。あとは酪農家さんがいたり、観光地としても見どころが多いですね。

高谷

僕らは狩りの後に捕獲した動物の肉を頂くのですが、自然の肉は家畜の肉と違って野性味があっておいしいですよ。でも、食べ物はどこの地域もおいしいよね。

山本

本庄児玉も野菜が何でもあっておいしいなあ。本庄は早稲田から無料の学バスが出ていて、アクセスが良いです。また、本庄高等学院や大学の施設があるので“早稲田”という名前でご協力いただくことが多く、市長やJAの経営陣の方々ともお会いできます。

本庄児玉地域の農家を見学(学生団体こだま)

――皆さんが地域活動やボランティアに興味を持った理由は?

小泉

私は出身地の静岡県沼津市が人口減少でシャッター街になってしまい、地域創生に携わりたいと思うようになりました。最初は「何とかしなければ」といったネガティブな義務感がきっかけだったのですが、先輩から紹介されて一回いすみに行ってみたら、地域の方が温かく受け入れてくださって、地域(地方)っていいなあと思うようになったんです。日本の地域って実はすごく魅力的なんじゃないか、それをもっと広めたいとポジティブなモチベーションに変わりました。

涌井

僕はボランティアをしたくて今の活動を始めたわけではなく、やりたかったことが結果的にボランティアになったという感じですね。受験の息抜きにやっていた『牧場物語』というゲームが好きで、農業や酪農に興味を持ちました。

小泉

僕も『牧場物語』やってた!

猟師が仕留めた獲物を運ばせてもらう高谷さん(狩り部)

高谷

僕の地元の神奈川県横浜市には獣害があり、強く意識しないまでも問題意識は持っていました。活動していくうちに、僕たちが飲んでいる水も山から来ているし、獣害も実は都市生活に密接に関わっているという、地域と都市の関連性を知ることができました。

山本

私は祖父が茨城の農家出身で、JAの仕事をしていたんです。私自身も幼いころに農家の方にお世話になっていたこともあり、自分と同じように農業に興味を持つ人を増やせればいいなと思って、プロフェッショナルズ・ワークショップを通じて昨年「こだま」を立ち上げました。

――ボランティア活動や地域との交流を通じて何を学びましたか?

小泉

さっきの話にもあったけれど、「僕たちのやっていることってボランティアなの?」と思っています。

全員

うんうん。

小泉

その地域の魅力を知ってほしいという思いが念頭にあり、その上での活動なんです。私は公共政策を学んでいるのですが、今まで地域といっても、経済や人口など大きなまとまりや数値を見るだけで、そこに住む一人一人を意識することはありませんでした。でも、いすみ市での活動を通じて、人とのつながりや心の交流を大切にすることを第一に考えるようになりました。

イベントの手伝いをしたときの食事風景。他愛もない話から真面目な話まで、地域の方と腰を据えて話すことができるのも楽しみの一つ(いすみっこ)

涌井

僕は今まで知ることのなかった世界を見ることによって、知見や興味が広がって、人生が豊かになったと思います。「いい」「悪い」の二元論ではない考え方ができるようになり、物事を極端に捉えないようになりました。

高谷

そうだよね。僕もこれまで都市と農村という二項対立で考えていたのですが、密接につながっているということを知りました。狩りをした動物を解体して食べるという過程を経験したことにより、食べ物はどこからどのように来ているのかというところまで意識するようになりました。自然の恵みに感謝できるようになって、絶対にご飯を残さなくなったんですよ。

全員

めっちゃ分かる!!

涌井

一人でご飯を食べるときも「いただきます」って言うよね!

毎月、埼玉県所沢市の農園を訪れ、大規模な畑での作業を体験している(農楽塾)

山本

私は判断力が上がったなと思います。地域活動団体は、やる気があればあるほど仕事が生まれます。時間や労働力、できることが限られている中でどうすれば状況を良くしていけるのかを考えるために、判断力が付いたように感じます。実は「WASEDA地域応援ネットワーク」も、各サークルが同じような悩みを抱える中で、みんなで力を合わせていけばより良くできるんじゃないかという思いから立ち上がったんです。

――その「WASEDA地域応援ネットワーク」について、発足の経緯を教えてください。

山本

もともとは農楽塾、思惟の森、こだまで、情報交換のための食事会を開催したのがきっかけです。狩り部も入って次はイベントをしてみようとLINEグループを作ったら、いつのまにか名前がついていたという感じで(笑)。まだ立ち上がったばかりですが、早稲田にある地域活動団体の情報共有や活性化のために、今後どんどん活用していく予定です。

公認サークル「思惟の森の会」前幹事長 菅さんが作成したロゴ

涌井

イベントの広報にも使っていきたいよね。

小泉

現在ネットワークに参加しているのは14団体ですが、稲門会などを通じて声を掛けさせてもらったおかげで、団体数は今も増えていっています。

山本

一口に早稲田の地域活動団体といっても、その活動はさまざまです。例えば、農業が体験できる団体でも、中山間地農業、平野部農業、都市に近いところで学ぶことができる団体があり、農業に興味がある学生が、希望と違う団体に入ってしまっても、別の団体につなげるといったこともできると思います。

――WASEDA地域応援ネットワークの活動内容や今後の予定は?

小泉

第一弾イベントとして、先日のボランティアウィークには3号館でテレビの企画をまねた「日本全国ダーツの旅」という地域の魅力を伝える企画を行いました。早稲田には関東圏出身の学生が多いので、地域や農業について知ってもらうきっかけになればと思ったんです。

高谷

今回参加・運営したのは、いすみっこ、狩り部、こだまを含めて5団体だけでしたが、ダーツやプロジェクターなどを使ってゲームやクイズを行ったり、映像を見てもらったりしました。参加した方にはそれぞれの地域について知識を深めてもらえたと思います。

6月13日に行われたイベント「日本全国ダーツの旅」の様子

小泉

10月11日(金)・12日(土)には、私が3月に「Waseda Vision 150 Student Competition」決勝大会でも提案した「早稲田ローカルフェスタ」を開催します。早稲田キャンパス10号館前のスペースでさまざまな地域とつながりのある団体が一堂に会し、各地の魅力を発信する楽しいイベントになる予定です。

涌井

もともと早稲田は昔、田んぼがあった場所です。商店街ともコラボして、早稲田の地域活性化にも貢献できたら…と思いますね。

山本

この地域応援ネットワークを通じてそれぞれに助け合いつつ、早稲田大学の地域活動団体の輪が広がっていけばいいなと思います。

取材・文=小堀芙由子(2009年政治経済学部卒)
撮影=政治経済学部3年 廣瀬平蔵(公認サークル写真部)

ボランティアウィーク2019開催報告

※クリックして拡大

WAVOC(平山郁夫記念ボランティアセンター)では、今年度から新たな試みとして、6月の第3週(10日〜14日)に「早稲田ボランティアウィーク」を開催しました。皆さんが広くボランティアについて知ることができるよう、WASEDA地域応援ネットワークによる企画だけでなく、トークセッションや公開講座、体験会など、さまざまなボランティア関連のイベントを実施。最終日には、ボランティアプレゼンコンテスト決勝戦も行われ、ボランティア活動をしている学生たちが自身のボランティアについて、熱い思いを語りました。ボランティアウィークは来年以降も毎年開催予定です。

 

 

 

(左)「~国際ボランティアってなんだ!?~トークセッション」開催前(右)ボランティアプレゼンコンテスト決勝戦には「いすみっこ」の小泉さんも、掛け持ちしているサークル(いぐべおぐに)から出場

【次回特集予告】7月8日(月)公開「夏旅特集」

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/weekly/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる