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特集

僕はこうして楽器を盗まれた 盗難被害多発、キャンパス内でも要注意

高校までとは異なり、誰でも自由に入ることのできる大学は、開放的な反面、さまざまな危険がひそんでいます。例えば、昼休みの学食。荷物を置いて席を外し、しばらくして戻ると、その荷物がなくなっていることも…。残念ながら、キャンパス内は必ずしもいい人ばかりではないのが現実で、盗難被害の報告も後を絶ちません。サークル活動を行う学生会館をはじめ、図書館やラウンジなどキャンパス内のあらゆる所で盗難が増えている現状を踏まえ、有効な防犯対策を考えます。

練習後、倉庫に入れたベースが盗難被害に
Twitterのおかげで2日後に無事発見

商学部 4年生
――盗難被害に遭った日の状況を教えてください。

昨年11月中旬、朝8時から学生会館地下1階の練習室でサークル活動をしていましたが、倉庫にベース(楽器)を置いて授業へ行き、昼休みに戻ってきたところ、ベースがなくなっていました。1・2限の授業があった自分だけ先に出たので、その後の状況が分かりませんが、恐らく他のサークル員が鍵を閉め忘れたようでした。周辺を探しても見つからず、警察へ被害届を提出し、学生生活課にも報告しました。

――ご自身のベースだけがなくなっていたのでしょうか?

他のサークル員にも確認しましたが、僕のベースだけが盗まれていました。1年半前に40万円かけて購入したこともあり、倉庫の奥の方に入れるなど用心してはいましたが、良い物だと気づかれ狙われたのかもしれません。

――その後、どのように見つかったのですか?

被害に遭った翌日にツイートした内容(現在は削除)

被害に遭った翌日にTwitterでベースがなくなったことをツイートし、フォロワーを通じてリツイートしてもらいました。するとその翌日、リツイートを見た知らない方から「楽器の通販サイトに、似たようなベースが出品されている」と連絡が来たので、特徴を調べてみると自分の物だと分かり、出品していた中古楽器屋に連絡して発見できました。その時点で既に売買契約が成立していたものの、まだ楽器屋にベースも残っていて幸い早くに取り返すことができましたが、1日遅れていたら、盗品とは知らずに購入した方に渡ってしまい、通販サイトからも削除されて発見できなかったかもしれません。ベースを盗んだ犯人は結局見つからず、そこだけがモヤモヤしています。

――事件後、どのような防犯対策を取っていますか?

それまでは練習中、少し離れた場所にある倉庫の鍵は常に開いていましたが、事件以降は人がいなくなるときには鍵閉めを徹底するようにしています。

キャンパス内で被害に遭いやすい場所は?

どこにおいても注意は必要ですが、キャンパス内で特に盗まれやすい場所、盗まれやすい物について、総務課、学生生活課、図書館総務課の各担当者に話を聞きました。

キャンパスのざわつく時期は特に注意を

総務課
職員 大石 勇人

授業期間中にぎわう各ラウンジでは、荷物から目を離さないように

早稲田キャンパスや戸山キャンパス内の盗難に関しては、財布から現金を抜かれるケースやパソコンを盗まれるケースが最も多いです。盗まれやすい場所は、ラウンジ、教室、PCルームが多いですね。人の多く集まる場所の方が、逆に被害に遭いやすいです。人目があるから大丈夫だろうと油断して荷物を置いて、ちょっと離れた隙に取られてしまいます。PCルームでは、机に突っ伏して仮眠している間に被害に遭う場合もあります。新学期の始まる3月下旬から4月、夏休み明けの9月から10月、早稲田祭の前後など、キャンパスがザワザワしている時期は狙われやすいので、特に注意してください。

大きな楽器が被害に遭う可能性も

学生生活課
職員 宇津木 慶子

サークル活動を行う学生会館(戸山キャンパス30号館)でも盗難被害は多発しています。お財布や現金が多いですが、楽器が盗まれることもありますね。練習の合間に楽器や荷物を廊下に置きっ放しにして2階のセブンイレブンや学生ラウンジに出掛け、戻ってきたらなくなっていたというケースが多いようです。また、セブンイレブン前や各階の学生ラウンジでは、周りに仲間がいるから大丈夫だろうと安心して荷物を放置し、仲間が見ていない隙に盗まれてしまった学生もたくさんいます。

盗まれやすいラウンジや廊下には、貼り紙や立て看板などで注意喚起

時折、楽器を置いていることを忘れてそのまま帰宅してしまい、清掃の方が回収して翌朝学生生活課に届くこともあります。学内だからと安心しているところがあるかもしれませんが、学生会館は出入り自由で、学外者でも立ち入ることのできる場所です。警備員が巡回したり、館内放送で注意喚起をしていますが、学生の皆さんには「外と一緒」という意識を持って自己管理を徹底してもらいたいと思います。

人目につかない閲覧席が狙われがち

図書館総務課
職員 田中 一路

書架と壁に挟まれた閲覧席

図書館での窃盗は、ほぼ置き引き、置き忘れです。バッグを置いて自分の席を確保し、トイレに行ったり本を探したりしている間に財布を盗まれるケースが多いですね。翌日の清掃時に財布だけ見つかることがありますが、もちろん現金は抜かれています。

図書館では、人目につかない場所での被害が多いです。書架と壁に挟まれた閲覧席は静かに勉強できる一方、特に狙われやすく、立て看板を置くなどして注意を促しています。図書館へ入館できるのは、基本的には学生、教職員、校友に限られていますが、中央図書館は一日平均で約3,000人、試験期間には4,000人~5,000人もの人が出入りしています。来館者の増える午後は、警備員が2時間おきに巡回し、館内放送も一日2回行って注意喚起をしていますが、決して図書館だからと安心せず、自分の荷物から目を離さないようにしてほしいと思います。

(写真左)盗難が発生しやすい閲覧席付近やエレベーター前に注意喚起の立て看板を設置
(写真右)荷物を置きっ放しにしたり、寝ている人の閲覧席には、警備員が巡回の際にメモ(左)を置いて警告。一定時間を経過しても戻っていない場合は、荷物をインフォメーションカウンターへ預け、引き取りに来てもらうようにして対策している(右)

 

~戸塚署 生活安全課に聞く~ 盗難に遭わないためには

大学生からの被害届で多いのは、お財布・現金・携帯電話です。自転車もよくありますね。被害届を提出していない事例も多いでしょうから、被害は相当な数に上るでしょう。自転車などの物に関しては無事に戻ってくる可能性もありますが、現金の場合は残念ながら難しいと考えてください。

欲望に勝てず盗みを働く泥棒は、どんなに捕まえても出てきます。これは仕方のないことです。だとすれば、自分の身は自分で守るしかありません。基本的には「自己責任」という言葉に尽きますね。大学では、同じサークル・部活内で被害に遭う学生もいます。物やお金がなくなってしまった事実だけでなく、仲間を疑わざるを得ないつらい状況に立たされることもあるでしょう。そうした嫌な思いをしないためにも、自己管理を徹底してほしいと思います。

また、これからの時期、居酒屋でお酒を飲んで財布を置き忘れてしまうという事例も出てきます。普段は気をつけていても、酔っ払ってしまうと注意が散漫になることが多いので、特に気をつけてほしいですね。高校までとは違い、大学になると本当にいろいろな人がいますよ。もちろんいいことでもありますが、男女限らず欲望に勝てない人もいることを忘れないでください。

平素の心掛け
●混雑している場所では、財布の出し入れやしまう場所に注意する。
●混雑している場所では、ハンドバッグなどの荷物は、抱えて持つようにする。
●ズボンの後ろポケットなど、外部から直接見えるところに財布などの貴重品を入れない。
●不審な挙動をする者に注意を払うようにする。
●お酒を飲むときは、貴重品を肌身から離さないようにする。
出典:警視庁『防犯テキスト』(無料配布)

【次回特集予告】4月16日(月)公開「早稲田大学歴史館特集」

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