Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

チェアスキー村岡桃佳 スノボ鬼塚雅 平昌オリ・パラ注目の女子早大生

冬季オリンピック・パラリンピック競技大会がいよいよ2月9日(金)、韓国の平昌(ピョンチャン)で開幕。フィギュアスケートの羽生結弦選手(人間科学部通信教育課程)が金メダルを獲得したソチ五輪からはや4年、夏季五輪と比べると規模は小さいものの、早大生・校友も活躍する競技・種目が多数あります。韓国は日本との時差もないので、観戦にはもってこい。春休みに熱い声援を送りましょう。

パラ・アルペンスキーでメダルを目指す

初めて出場した2014年のソチ・パラリンピックのアルペンスキー大回転で5位入賞、また、2017年3月に行われた障がい者W杯では3種目で金銀銅3つのメダルを獲得した村岡桃佳選手に、ソチで得た収穫と平昌への意気込みなどを聞きました。

スポーツ科学部 3年
村岡 桃佳(むらおか・ももか)
出場種目:パラリンピック アルペンスキー/滑降、回転、大回転、スーパー大回転、スーパー複合(いずれも女子・座位)

※パラリンピック アルペンスキー出場選手の正式発表は1月末の予定。

2017年3月に長野県白馬村で行われたW杯女子スーパー大回転座位で優勝を飾る(写真=共同通信)


――チェアスキーとの出合いを教えてください。
小学3年生のときに、家族と一緒に初めてスキー場に行ったのがチェアスキーとの出合いです。それまで陸上競技などはやっていましたが、雪の上を滑る感覚やスピード感、風を切る爽快感が新鮮で魅力を感じ、それから毎年滑りに行くようになりました。中学生のころに行っていた長野県の菅平高原は、当時のパラリンピック選手たちの練習拠点になっているスキー場でした。そこで現役選手たちの滑りを間近で見て、テクニックやスピードの速さに目を奪われました。私は元パラリンピアン(パラリンピック出場選手)のコーチに指導を受けていたのですが、そんな私を見ていたコーチが「桃佳もやってみる?」と声を掛けてくれ、中学3年生のときに本格的に競技スキーを始めました。

ソチ冬季パラリンピックにて選手村入村式に臨む村岡選手(左端) (写真=共同通信)

――それからわずか2年で2014年のソチ・パラリンピックに出場したのですね。
競技スキーは「制限スキー」とも言われるのですが、旗と旗の間を滑っていくので、自由に滑っていたフリースキーとは違い、それまでの楽しさを全く感じることができなくて、最初はとても嫌でした。それでもソチ・パラリンピックは迫っていて、日本には候補選手がいない状況だったので、それなりに滑っていて、負けず嫌いで根性もある私は育てるのにちょうど良かったのだと思います(笑)。

その後もうまくなりたいと思う気持ちは人一倍あるものの、ソチを目指すまでの気持ちにはなかなかなれませんでした。でも世界はそんなに甘いものではないですし、覚悟が必要だと思いました。最終的にソチを目指すと決めたのは、1年前のことでした。ぎりぎりのタイミングではありましたが、私にはそこまでの時間が必要でした。

――覚悟を決めて臨んだソチ・パラリンピックでは、大回転で見事5位入賞されました。初めてのパラリンピックはいかがでしたか?
私は3種目に出場しましたが、最初の2種目は失格するなど散々な結果で、悔しいというよりもふがいない気持ちでいっぱいでした。一番引っ掛かっていたのが、応援に来てくれていた家族のことでした。3つ目の大回転でもし失格になれば、スタジアムでのゴールシーンを見てもらうことができません。でも前日に「思い切り好きなようにやってきなさい」と言ってくれて、それで全て吹っ切れて試合に臨むことができ、結果として5位に入賞することができました。

ソチでは、競技を始めて間もなかったですし、実力が足りていないことは自分自身が一番よく分かっていました。その中で次につながる何かを得て帰ろうと思っていました。終わった瞬間は、結果より終わったことへの安心感しかありませんでしたが、最後の表彰式を見たら、やはり悔しい思いが強くこみ上げてきました。一番の収穫はそんな強い思いを得られたことだと思います。

――その後、早稲田大学に入学しました。早稲田を選んだ理由は何ですか?
高校進学のときに、家からも通いやすい早稲田大学本庄高等学院に入りたかったのですが、そのころはまだ車いすに対応するハード面が整っていなくて諦めました。でも、大学進学のときにやはり早稲田を諦めきれず、いろいろと調べていくとトップアスリート推薦があることを知り、入学することができました。

早稲田には学業とスキーを両立できる環境が整っていて、私は寮生活をしているのですが、トレーニングの量も圧倒的に増えました。8月中旬から3月までは海外遠征も多いので、オフシーズンの春学期は単位取得のためにできるだけ授業に出席するようにしています。

早稲田は縦のつながりがとても強いと感じています。スキーを通じて早稲田出身の方と知り合うことが多いのですが、皆さん早稲田愛が強くて(笑)。後輩の私をとても応援してくれています。そういう温かさを多くの場面で実感します。

――自由な時間はあまりないと思いますが、気分転換でやっていることはありますか。
読書が好きで、遠征に行くときは必ず本を持って行きます。特に東野圭吾さんの作品が好きです。昨秋『ナミヤ雑貨店の奇蹟』が映画化されましたが、実は「一番好きな本は何ですか?」と聞かれたらその作品と答えていたくらいのお気に入りです。あと、日本にいるときは、時間を見つけて友達とご飯を食べに行きます。一番の息抜きですね。

長野W杯女子スーパー大回転座位の表彰式(写真=共同通信)

――いよいよ平昌パラリンピックを迎えますね。今の思いを聞かせてください。
これまでターンの精度を高めたり、バランスを崩したときのリカバリーの対応など、練習を積み重ねてきました。また、チェアスキーでは用具の精度が重要になるのですが、4年間かけて自分の体に合うように、ミリ単位で用具の調整を進めてきました。

平昌では5種目にエントリーする予定です。特に技術を問われるのは大回転と回転です。チェアスキーは技術とスピード感、そして用具のメカニックとしてのかっこよさが魅力だと思っています。そんなところを楽しんで応援してほしいです。私自身はベストを尽くすことに集中して、その先に表彰台があればいいと思っています。

(インタビュー撮影=商学部 5年 笹津 敏暉)

【プロフィール】
埼玉県出身。正智深谷高等学校卒業。4歳の夏に横断性脊髄炎にかかり、車いす生活となる。障害者アルペンスキーの代表チームの練習に参加し、高校2年のときにソチ・パラリンピック初出場。スーパー大回転、回転、大回転に出場して大回転で5位入賞を果たした。現在はスキー部に所属。2015~16年のシーズンには大回転でW杯の種目別優勝。「2017IPCアルペンスキーワールドカップ白馬」では金銀銅の3つのメダルを獲得した。

「ビッグエア」大技でメダルを

五輪スノーボード種目だけでも「パラレル大回転」「ハーフパイプ」「スノーボードクロス」「スロープスタイル(※1)」「ビッグエア(※2)」(それぞれ男女別)と5つの細部種目がある中で、スロープスタイルと、今回の平昌五輪から新たに追加されたビッグエアの2種目に出場する鬼塚雅選手に話を聞きました。

※1 スロープスタイル…さまざまな障害物とジャンプ台で構成されたコースで行われる競技。選手は、各障害物の中から自分で障害物を選択して滑走する。高さ、回転、テクニック、難易度などによる全体の演技点を競う。
※2 ビッグエア…1つの大きなジャンプ台をスノーボードで飛び、フリップや回転などの空中スタントを披露する競技。空中動作、飛距離、着地などが採点基準となる。

スポーツ科学部 1年
鬼塚 雅(おにつか・みやび)
出場種目:オリンピック スノーボード/女子スロープスタイル、女子ビッグエア

2017年11月に中国・北京で行われたスノーボードW杯ビッグエア決勝(写真=共同通信)

中国W杯ビッグエアで2位に入り笑顔の鬼塚選手(写真=共同通信)

――スノーボードを始めた年齢ときっかけを教えてください。
5歳のときに家族で福岡の室内ゲレンデへ行ったのが、スノーボードを始めたきっかけです。とても楽しかったので、それから家族みんなで行くようになりました。

――早稲田大学に入学した理由を教えてください。
早稲田大学の偉大な先輩たちに憧れていて、調べてみるとスポーツの環境も素晴らしかったので受験しました。大学に入ってまだ1年ですが、既にたくさんのことを学び、面白い友達もできたので、早稲田に入って良かったと思っています。

――ビッグエアを始めたのはいつからですか?
競技自体が2年前から正式に始まったので、私もそのころ本格的にビッグエアを始めました。それまでお祭り扱いの大会(公式大会ではないイベント)に出場したことは何度かありました。

――ビッグエアの魅力は?
スタジアムや街中で大会を行うことがあるので、お客さんに見てもらいやすいところが魅力です。大技が成功したときの歓声はとても気持ちいいです。

――競技中、怖いと感じることはありますか?
回転するときに頭が下になることがあるので、もちろん今でも怖さを感じます。みんなと同じ恐怖心だと思います。

――平昌オリンピックでの目標を教えてください。
オリンピックでは自分の全力を尽くして、メダルを持って日本に帰りたいです。

【プロフィール】
熊本県出身。ルーテル学院高等学校卒業。5歳からスノーボードを始め、7歳で初出場した国内大会で初優勝。その後も13歳で世界有数のコンテストを制するなど、早くから才能を開花。2015年、オーストリアで行われたスノーボード世界選手権女子スロープスタイルに出場し、大会史上最年少となる16歳3カ月で日本人女性初の金メダルを獲得した。今シーズンはスロープスタイルでニュージーランドW杯2位、ビッグエアで中国W杯・ドイツW杯それぞれ2位受賞。

平昌 冬季オリンピック・パラリンピック概要

■第23回オリンピック冬季競技大会
開催期間:2018年2月9日(金)~25日(日)17日間 ※日本との時差はなし
開催地:韓国・平昌/江陵(カンヌン)/旌善(チョンソン)

※平昌で開・閉会式とほぼ全ての雪上競技、江陵で氷上種目全競技、旌善でアルペンスキー滑降競技を開催予定

実施競技・種目:7競技102種目
公益財団法人 日本オリンピック委員会Webサイト
平昌オリンピック特設サイト

■第12回パラリンピック冬季競技大会
開催期間:2018年3月9日(金)~18日(日)10日間 ※日本との時差はなし
開催地:韓国・平昌/江陵/旌善
実施種目:6種目
公益財団法人 日本パラリンピック委員会Webサイト
平昌パラリンピック特設サイト

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